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ベンチャーが「正社員」以外の労働力を活用するための労務管理

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ベンチャー企業が成長していくにあたり、最初は社長と役員数名ではじめたビジネスが、徐々に大きくなるにつれ、労働力の増員が必要不可欠となります。

しかし、「解雇権濫用法理」によって、正社員の解雇は厳しく制限されていることから、成長中のベンチャー企業が、正社員を次々と増やしていくことは、慎重にならざるを得ないケースも少なくありません。

急成長中のベンチャー企業における労働力需要を満たす方法として考えられるのが、「正社員以外の労働力」です。

業務委託によってアウトソースする方法をはじめ、社員として社内に抱える場合でも、常駐する正社員ではなく、在宅勤務、非正規社員といった、様々な選択肢があります。

それぞれ、労務管理において注意しなければならないポイントは異なります。

多くのベンチャー企業では、「正社員以外の労働力」を確保する方法を組み合わせて利用し、人材を重視して登用していくことで成長していくことが一般的です。

今回は、ベンチャー企業が活用すべき、「正社員以外の労働力」と、その労務管理のポイントを、ベンチャー法務、人事労務を得意とする弁護士が解説します。

1. ベンチャーと正社員以外の労働力

今回の記事は、次のようなお悩みを抱えた、ベンチャー企業の経営者に向けた解説です。

  • 「ベンチャー企業でも正社員をどんどん増やしてリスクはないのだろうか?」
  • 「柔軟に動きたいベンチャー企業が、正社員以外で労働力を確保する方法にはどのようなものがあるのだろうか?」

1.1. ベンチャーが正社員を増やしづらい理由

日本では、「正社員」として雇用をした場合には、「解雇権濫用法理」という労働法のルールによって、解雇が厳しく制限されています。

つまり、正社員として雇入れた後に、その人物が会社に不要となった場合であっても、会社が一方的に解雇することは困難です。

会社が社員を解雇するためには、「解雇の理由」、「解雇の相当性」という、2つの厳しい要件をそろえなければなりません。

ベンチャー企業の場合、「解雇権濫用法理」と、ベンチャーの抱える次のような特性が、どうしてもマッチしないことがあります。

  • 高リスクの新規事業に進出し、うまくいかない場合には早期に撤退する。
  • 経営状況に応じて事業規模、会社の規模を拡大、縮小する。
  • 直近の利益を重視して行動し、売上と人件費を連動させる。

柔軟性、迅速性が求められるベンチャー企業においては、大企業と同じ規模で正社員を多く雇用することは困難です。

1.2. ベンチャーが活用すべき5つの「正社員以外の労働力」

ベンチャー企業では正社員を増加させることが困難なケースがある一方で、ベンチャー企業であっても、経営を進めるためには労働力が必要不可欠です。

経営が好調であれば、労働力を増加させなければならないですが、人件費を柔軟に調整できる余地を残しておかなければなりません。

ベンチャー企業の需要を叶えるためには、正社員の労働力のみならず、様々な労働力を組み合わせて活用する必要があります。

例えば、次の5つの「正社員以外の労働力」の活用を検討してください。

  • 在宅勤務社員
  • 有期契約社員
  • 業務委託
  • 派遣社員
  • アルバイト社員

以下では、それぞれの労働力ごとに、その意味と、労務管理のポイントを解説していきます。

 参考 

なお、今日では、一概に「正社員」といっても、その意味するところは一枚岩ではなく、様々な種類の「正社員」が登場し、「多様な正社員」として話題になっています。

そのため、「正社員を採用する。」といっても様々なバリエーションが可能であり、旧来の新卒一括採用、終身雇用を前提とした「正社員」だけでは、必ずしもありません。

2. 在宅勤務社員の活用

優秀な人材であっても、育児、介護などの家庭内の事情によって、「在宅勤務」でなければ働けないという社員もいます。

少子高齢化が進む中、今後は、「在宅勤務」の形態を採用する企業が増加することが予想されます。

しかし、「在宅勤務」には、メリットだけでなく、多くのデメリットがあり、制度設計を工夫しなければ、会社に思わぬリスクを負わせることともなりかねません。

「在宅勤務社員」を活用する際の、労務管理におけるポイントについて解説します。

2.1. 在宅勤務社員の労働時間管理

在宅勤務社員の場合、自宅での勤務となることから、通常の正社員のようにタイムカードなどの方法によって労働時間を監理することはできません。

日常生活と労働を切り離すことが困難なため、厳密にどこまでが労働時間であるのかを判別することもまた困難です。

そのため、労働時間が算定し難いケースで活用される「事業場外労働のみなし労働時間制」(労働基準法38条の2)を活用することとなります。

事業場外で働いており、労働時間を把握しづらい場合に、一定の時間だけ働いたこととみなす制度です。

ただし、次の点には「事業場外労働のみなし労働時間制」を活用する際には、次の点によく注意してください。

  • 「事業場外」であるだけではなく、労働時間の把握が困難である必要があります。
  • 「事業場外」「事業場内」のそれぞれの労働が混在している場合には、複雑な計算が必要となる場合があります。
  • みなした時間が法定労働時間を超える場合には、残業代が必要となります。
  • 休日労働、深夜労働には、残業代が必要となります。

これらの注意点を見逃し、きちんと「事業場外労働のみなし労働時間制」を運用できていなかった場合、労働者からの残業代請求を受けるおそれがあります。

「事業場外労働のみなし労働時間制度」によって残業代を支払わなくてもよいケースにあたるとしても、長時間労働を助長することは、健康・安全の面から禁止されますので、労働者の健康管理に注意が必要です。

2.2. 評価制度の明確化とやる気の向上

在宅勤務社員の場合、常に同じ職場で働き、働きぶりを上司がチェックしているわけではないことから、評価制度の確立が非常に難しいといえます。

一方で、きちんとした評価制度を作成し、明確化しておかなければ、日常生活と労働時間の切り離しが困難であることから、業務をさぼる社員を増加します。

起業直後は、熱意だけで突き進むことが可能であったとしても、関係する人を増やしていくにつれて、徐々に熱意だけでは推し進めることができなくなります。

したがって、在宅勤務社員を採用する場合には、雇用契約書、就業規則の作成や、賃金制度、評価制度の充実に、特に配慮しなければなりません。

3. 有期契約社員の活用

有期契約社員とは、雇用契約で契約期間を定められている社員をいいます。

雇用期間の定めのある社員の場合には、雇用期間が満了すれば、更新をせずに雇止めできるのが原則であり、一定の更新の期待が生じない限りは、正社員よりは、辞めてもらうのが簡単だ、といえます。

有期契約社員の活用法としては、臨時に労働力が必要となった場合に採用し、不要となった際には更新をしない、という方法があります。

また、ベンチャー企業の場合、最初は全員契約社員として採用し、必要な人材を正社員へ登用する方法もあります。

有期契約社員を活用する際に、気を付けておかなければならない労働法のポイントを、弁護士が解説します。

3.1. 無期転換ルール

平成25年の労働契約法の改正によって、有期契約社員の活用で最も注意しなければならない、重要なルールが追加されました。「無期転換ルール」です。

有期契約社員であっても、契約の更新を反復継続して、5年を超えた場合には、その契約社員が無期の雇用に転換するというルールです。

短期間の雇用契約期間を定めて雇ったとしても、更新を繰り返していると、いつの間にか無期雇用の社員として扱わなければならなくなるというわけです。

会社が今後も、正社員に登用して継続的に雇用していこうと考えていた場合には良いものの、そうではなく、人員削減などの対象としようと考えていた場合、「無期転換ルール」が大きなハードルとなります。

3.2. 雇止めルール

有期契約であったとしても、社員に更新の期待が生じている場合には、全く自由に更新拒絶ができるわけではありません。

有期契約が反復継続して、正社員と何ら変わらないような状態である場合や、契約社員に「雇用継続の期待」を生じさせた場合には、契約社員の申出があった場合、契約更新を行わなければなりません。

この「雇止めルール」においては、雇止めの有効性は、¥契約更新の回数、通算の契約期間、業務内容¥などを総合的に考慮して判断されます。

4. 業務委託の活用

内部に社員を抱え込むよりも、人件費による経営の圧迫を回避する方法として、外部に業務委託(アウトソーシング)する方法も検討しましょう。

業務委託の場合、「解雇権濫用法理」が適用されないことから、その労働力が不要となった場合には、業務委託契約が許す範囲内であれば、自由に契約を解除できます。

しかしながら、業務委託契約といえども万能ではなく、注意しなければならないポイントがあります。「偽装請負」の問題です。

偽装請負とは、形式上は請負であるものの、実態は、自社の労働者を派遣し、派遣先の企業の指揮下に置く、労働者派遣と同様の状態となっているものをいいます。

偽装請負であるかどうかは、次の点を検討してください。

  • 業務遂行方法の指示・管理を行っているか。
  • 労働時間の指示・管理を行っているか。
  • 秩序の維持、確保、人事配置に関する指示・管理を行っているか。
  • 業務遂行・処理に関して自らの責任・費用で行っているか。
  • 業務を行う事業主として法律上の責任を負っているか。
  • 単に労働力を提供しているかどうか。
 注意! 

特にIT企業では、常駐型の業務委託を利用するケースが多く、業務委託者が、常駐している業務委託先の社員に対して、指揮命令を繰り返し、実質的に従業員と変わらないような状態になることは「偽装請負」と判断されるおそれがあります。

5. 派遣社員・アルバイト社員の活用

正規の労働力ではない派遣・アルバイトの活用も検討しましょう。

正規の労働力でない社員をまとめて、「非正規社員」と呼びます。

非正規社員の場合、正規社員よりも、「解雇権濫用法理」の適用がゆるやかであって、解雇が認められやすい傾向にあります。

しかし、アルバイト社員といえども、完全に自由に解雇が可能なわけではないため、注意が必要です。

また、派遣社員を活用する際には、近時、派遣法が改正され、派遣労働者の労務管理が大幅に変更されましたので、まだ派遣法改正に対応していない場合、労働問題を得意とする弁護士に相談しましょう。

6. まとめ

今回は、ベンチャー企業が活用すべき、「正社員以外の労働力」について、弁護士がまとめて解説しました。

ただし、いかにベンチャー企業が正社員を増加させることが難しいとはいえ、将来的には徐々に正社員を増加して成長していかなければなりません。

少数精鋭であるほど、1人の社員の能力に依存する部分が大きいといえます。

そのため、優秀な人材が見つかれば、その法的性質にこだわらず、「正社員登用」を積極的に行い、優秀な人材の固定化を目指すのがよいでしょう。

どのような形態によって労働力を利用するにしても、法的問題点の解消のため、顧問弁護士に日常的な法律相談をすることが有益です。

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