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不動産

不動産業者が賃料請求・明渡・立退で弁護士法違反とならない法律知識

更新日:

不動産業者、特に不動産管理業者の方は、弁護士法違反に注意しなければなりません。

平成22年最高裁決定で、非弁行為により違法と判断された、「スルガコーポレーション」という会社に関連する判例があります。

賃料請求、明渡し請求、立退き請求などを、法的なトラブルとなっているのにすべて自社で交渉を行った場合、弁護士法違反となるおそれが非常に強いといえます。

弁護士法違反となる場合、弁護士でない者が法律事務を取り扱った場合にあたり、「2年以下の懲役または300万円以下の罰金」という刑事罰が科されるほか、「反社会的勢力である。」という企業イメージの低下が大いに予想されます。

今回は、不動産業者が賃料請求、明渡し・立退き請求をする際、弁護士法違反とならないための法律知識を、企業法務を得意とする弁護士が解説します。

1. 非弁行為(弁護士法72条違反)とは?

弁護士法では、その72条において、弁護士でないものが、報酬を得る目的で、訴訟事件その他の法律事務を行うことを禁じています。

これに違反する行為を「非弁行為」と言い、冒頭で解説しましたとおり、「2年以下の懲役または300万円以下の罰金」という刑事罰が科せられます。

弁護士法72条の条文は、次のとおりです。

 弁護士法72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止) 

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

非弁行為が禁止されるのがなぜかというと、法律事務については、資格で認められた弁護士のみが行うことによって、法秩序を維持するという国民全体の公益を守ることができるからです。

2. 不動産業者が弁護士法に注意しなければいけない理由

不動産業、特に不動産の管理業を行っていると、次のように、賃借人との間でトラブルとなるケースが頻繁に発生します。

  • 賃借人が、賃料の未払を続けている。
  • 賃借人が、賃貸借契約で定めた目的外の使用をしている。
  • 賃借人が、勝手に賃借建物の増改築をしている。
  • 賃借人が、契約を解除しても建物を明け渡してくれない。

不動産賃貸借について上記のようなトラブルが起こりそうになった場合、まずは第一次的に対応するのは、不動産管理業者の役目となるのが通常でしょう。

このとき、最初の話し合いすら一切行ってはいけないとすれば、話せばすぐに円満に解決する事例すら弁護士に任せることとなり、不動産管理業がスムーズに進みません。

しかし、一定のラインを越えて法律のトラブルについての交渉を行ってしまえば、すぐに弁護士法違反(非弁行為)となってしまうわけです。

非弁行為と円満な話し合いとを分けるラインがどこにあるのかが問題となります。

以上のことから、不動産業者は、特に弁護士法違反に注意しなければならないわけです。

3. 弁護士法違反とならないための「事件性」判断

不動産業者が特に弁護士法違反に注意<しておかなければならないことは、十分ご理解頂けたのではないでしょうか。 不動産管理会社が弁護士法違反にならないように注意するためには、既に解説した弁護士法72条のうち、「その他一般の法律事件」の範囲に含まれる業務を行わないようにしなければなりません。 というのも、それ以外の「訴訟、訴訟事件、非訟事件及び審査請求・・・」という法的手続については、不動産業者といえども自社だけで行うことはあまりないからです。

3.1. 「事件性」とは?

もともと、次で解説する最高裁判例が出る前は、不動産業者の交渉行為が弁護士法違反となるかどうかについては、「事件性」が必要とする説と、不要とする説が対立していました。

つまり、「事件」になっていなければ交渉が可能であるのか、それとも「事件となる可能性」があれば交渉をしてはいけないのか、という線引きの問題です。

ただ、この「事件性」の要件を必要とするにしても不要とするにしても、今度は、「どの段階からが事件なのか?」という問題が出てくるため、明確な線引きができるとは言い切れません。

3.2. 平成22年最高裁決定

スルガコーポレーションという会社の委託した行為について弁護士法違反となるかどうかが争われた事件で、平成22年、最高裁は、不動産業者の行為について弁護士法違反となるかどうかの線引きに関する一定の判断を行いました。

この事件は、弁護士資格のない者が、ビルの所有者から委託を受けて、ビルの賃借人に対して交渉をし、賃貸借契約の合意解除と明渡しをさせるという立退き合意を行ったというものです。

 重要 

平成22年最高裁決定では、立退きの交渉を行うにあたっては、立退きの時期、立退料の金額、立退き合意の成否など、交渉によって解決しなければ法的紛議が生ずることがほぼ不可避である場合には、「その他一般の法律事件」にあたるとし、委託を受けた不動産業者の行為を、弁護士法72条違反であると判断しました。

平成22年最高裁決定は、明らかな事件性がなかったとしても、法的なトラブルとなることが「不可避」でありさえすれば、あとは弁護士に任せなければならない判断したわけです。

4. 不動産管理業が弁護士法違反とならないポイント

平成22年最高裁決定でもわかるとおり、不動産管理業をスムーズに進めるために考えることの中には、弁護士法違反と判断されてしまいがちな行為が多く存在します。

例えば、不動産管理業者が、建物のオーナーに頼まれて、未払いとなっている賃料を回収しにいったり、契約解除の際の立会い、明渡し条件の交渉などを行ってしまうケースはよくあります。

しかし、これらの行為は、いずれも、ある一定のラインからは弁護士法違反です。

不動産管理業者が、弁護士法違反とならないためのポイントを解説します。

4.1. 賃貸住宅管理業者登録制度に従うこと

平成21年12月1日、国土交通省により、賃貸住宅管理業者が行う業務の適正な運営を確保するとともに、借主等の利益の保護を図ることを目的として、「賃貸住宅管理業者登録制度」という制度ができました。

一定のルールにしたがって、不動産管理業の適正化を図り、借主と貸主の利益につなげようというわけです。そして、登録業者は国土交通省によって公表されます。

この登録制度にしたがえば、賃貸住宅管理業者は、次の基幹事務のうち、少なくとも1つの事務を行うことが必要とされます。

  • 家賃、敷金等の受領に係る事務
  • 賃貸借契約の更新に係る事務
  • 賃貸借契約の終了に係る事務

4.2. 未払い賃料請求の適法な範囲は?

賃貸住宅管理業務の中にも、賃料の取り立て、賃料不払いの賃借人に対する催促は当然含まれます。

これらが含まれないとしたら、少しでも遅れたら、連絡は不動産業者からではなく弁護士から行わなければならないこととなってしまいます。

しかし、既に解説した平成22年最高裁決定の例にしたがえば、「法的紛議が生じることがほぼ不可避」な段階に至れば、これを不動産業者が単独で行うことは、非弁行為として刑事罰の対象になるわけです。

したがって、督促ができるとしても強引な取り立ては行ってはなりません。

例えば、次のような行為は、未払い賃料請求とはならず、不動産業者が単独で行っても適法な行為であるといえるでしょう。

  • 家賃支払いを失念していることが明らかな賃借人に対して、確認を促す。
  • 賃料支払いを怠っているが、直ちに支払える賃借人に対して、支払を促す。

これに対して、次のようなケースでは、既に法的トラブルとなることが明らかとなっているため、不動産業者が単独で行うことは違法となる可能性が高いといえます。

  • 賃借人との間で、未払いとなっている賃料の金額に争いがある。
  • 賃料を直ちに支払えないことが明らかで、賃借人が争ってくるおそれが強い。

なお、家賃滞納テナントに対する不動産管理業者の適切な対応については、以下の解説もご覧ください。

4.3. 契約更新時の適法な範囲は?

契約更新時は、あまり大きなトラブルが起きることは少なく、不動産管理業者が単独で行うことのできる業務が多いといえるでしょう。

ただし、次のような行為については、法的トラブルとなることが不可避であって、不動産業者の非弁行為とされるおそれがあります。

  • 更新料の支払の有無、金額について、賃借人との間で争いがある。
  • 賃借人が賃料減額を申し出てきたが、賃貸人としては受け入れがたい。
  • 賃貸人としては賃料増額を申し入れたいが、賃借人に受け入れてもらえなさそうである。

4.4. 契約終了時の適法な範囲は?

契約終了時は、特に賃貸人と賃借人との間で利害の対立が起こりやすく、法的なトラブルが発生しやすいタイミングであるといえます。

そのため、契約終了時のタイミングに関わる不動産管理業者は、特に弁護士法違反(非弁行為)を行わないよう、慎重な注意が必要となります。

例えば、契約終了時の次のような行為について、法的トラブルとなることが不可避であって、不動産業者の非弁行為とされるおそれがあります。

  • 原状回復費用の金額について、賃借人と賃貸人との間で争いがある。
  • 返還すべき敷金の金額について、賃借人と賃貸人との間で争いがある。
  • 造作の買取について、賃借人と賃貸人との間で争いがある。

以上の法的トラブルは、いずれも、契約終了時の立ち合いのタイミングで話し合われることがよくあります。

円満な話し合いによって双方納得でおさまればよいですが、争いが生じることが不可避となった後になっても、不動産業者が単独で話し合いを継続するとなると、弁護士法違反(非弁行為)として刑事罰の対象となるリスクが増加します。

特に、賃貸借契約を解除することによる明け渡し、立退きを請求する場合、現在利用している賃借人に対して、その利用をストップすることを要求するわけですから、事件性が非常に高く、原則として弁護士に依頼すべき性質のものです。

5. まとめ

今回は、不動産管理業者が行ってしまいがちな、管理業務の際に発生する交渉行為により、弁護士法違反(非弁行為)と判断されるケースを解説しました。

不動産管理業務を行っていると、法的トラブルとなる可能性の高い段階となったとしても、話合いと説得によってなんとかなるのではないか、と考え、つい行き過ぎてしまうことがあります。

しかし、弁護士法違反(非弁行為)の代償は非常に大きく、刑事罰が科される上に、企業イメージに大きな傷がつきます。

不動産管理業者の場合、法的トラブルとなる可能性に備えて、日常的に、顧問弁護士に相談できる体制を整備するようにしてください。

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