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丸投げ(一括下請け)禁止!正しい下請契約を、弁護士が解説

更新日:

自社の受注した、建設工事の仕事を他社に丸投げし、報酬だけを得ることができたらどんなに楽でしょうか。

「一括下請け」とは、「下請会社」に対してすべての建設工事を丸投げすることをいいますが、「建設業法」で禁止されており、営業停止処分などの厳しい制裁を受けるおそれのある行為です。

「一括下請け」によって、利益だけを確保する行為は、下請が適正な報酬を得られない可能性があり、下請けの「手抜き工事」によって、建設工事の質が低下するおそれがあるからです。

建設会社が信頼を勝ち取るためには、元請・下請の取引では適切な契約書を作成した上で、下請に対する適正な報酬の確保、適切な監督責任を負わなければなりません。

今回は、下請会社への「一括下請け」(丸投げ)の禁止と、正しい下請けの方法を、企業法務を得意とする弁護士が解説します。

1. 丸投げ(一括下請け)は禁止!

建設工事の「一括下請け」とは、工事を請け負った建設会社(元請)が、下請にその工事のすべてを行わせること、いわゆる「丸投げ」のことをいいます。

そして、この「一括下請け」は、請け負った工事をすべて下請に丸投げする場合だけでありません。

工事の一部が独立している場合には、元請が全く関与を行わずにその独立した一部を請け負わせることもまた、禁止される「丸投げ」にあたります。

1.1. 丸投げ(一括下請け)はなぜ禁止なの?

建設会社の行う建設工事では、重層的な下請関係となっていることが一般的であるといえます。

この場合に、元請がすべての情報を把握し、下請け会社を監督できる状態になければ、思わぬミスから工事全体に大きな瑕疵が生じるおそれがあります。

そして、元請会社が、利益だけを搾取して下請会社を働かせ、下請け会社が利益を確保するために手抜き工事を行えば、ミスが起こる可能性はさらに高まります。

施工品質の低下は、すべて発注者である顧客にはね返り、発注者の不利益となります。

そのため、建設工事に特有な下請け関係が、顧客の不利益とならないよう、「建設業法」で、「丸投げ禁止」のルールが定められているわけです。

1.2. 丸投げ(一括下請け)に対する制裁

以上の理由によって禁止された「一括下請け」に関与した建設会社には、厳しい処分が予想されます。

「建設業法」では、この禁止された「一括下請け」を行った建設会社に対して、「15日以上の営業停止処分」を課すこととしており、非常に厳しい処分が下るおそれがあります。

そして、この制裁は、元請業者にも、下請業者にも同様に科せられます。

1.3. 「実質的に関与」していればOK

「建設業法」で原則として禁止されている「一括下請け」とは、元請会社が下請けの施工に対して「実質的に関与」しているとは認められないものをいうとされています。

つまり、元請会社が、実質的に関与をしていると評価できる状態であれば、禁止される一括下請けにはあたりません。

「実質的に関与」しているといえるためには、企画から施行、管理にいたるまでのすべての面において、元請会社が主体的な役割を果たしていると言える必要があります。

また、次のケースでは、「建設業法」の原則に対する「例外」として、「一括下請け」が可能とされています。

  • 発注者の書面による承諾がある場合(公共工事及び民間工事における共同住宅の新築工事を除く。)

しかし、品質の低下が生じやすくなるため、原則としては「一括下請け」をしない方がよいと考えた方がよいでしょう。

また、「一括下請け」が可能な場合であっても、「建設業法」において義務付けられる監理技術使者、主任技術者などを置く義務が免除されるわけではありませんから、元請として、下請を適切に監督する義務を果たさなければなりません。

2. 下請けとの工事請負契約

工事請負契約の存在および内容を証明する重要な証拠が、「工事請負契約書」です。

契約書は、いざ取引先との間でトラブルとなったときに、契約内容を証明し自社に有利な証拠として活用することが可能です。

そのため、企業間の取引では、契約書なしにビジネスをすることはオススメできません。

建設会社の場合には、「工事請負契約書」の締結が義務とされるケースがあります。

2.1. 書面による下請契約が必須

元請会社が下請に対して、「工事請負契約」をする場合、書面による契約の締結が、建設業法において義務付けられています。

建設業法では、発注者と元請、元請と下請のいずれの間でも、書面による契約をしなければなりません。

工事ごとに個別契約書を締結する場合には、契約書のみでこの義務を果たしたこととなります。

一方で、注文書と請書のみによって「工事請負契約」を締結するケースもありますが、これだけでは、建設業法における義務を果たしたことにはなりません。

注文書と請書のみで済ませるケースの場合には、これ以外に、「基本契約書」、もしくは、「基本契約約款」が必要となりますので、注意が必要です。

2.2. 契約書の記載事項

元請と下請との間で書面による契約が義務付けられる「工事請負契約書」に記載すべき事項は、建設業法19条1項に、次のとおり定められています。

そして、これらの事項を変更する場合にも、契約時と同様、書面によらなければなりません。

 建設業法19条1項 
  • 工事内容
  • 請負代金の額
  • 工事着手の時期及び工事完成の時期
  • 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
  • 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
  • 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
  • 価格等の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
  • 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
  • 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
  • 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
  • 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
  • 工事の目的物の瑕疵を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
  • 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
  • 契約に関する紛争の解決方法

以上のことからもわかるとおり、下請会社との間の契約では、契約内容の重要部分はすべて書面に記載しておかなければならないわけです。

3. 建設リサイクル法に注意

建設工事を下請契約する場合には、これまで解説してきたとおり、きちんと契約書を締結した上で、下請会社の利益も確保できるよう監督しなければなりません。

決して、契約内容を曖昧にして、丸投げをすることによって、自社の利益を確保しようという考えを抱かないことが重要です。

そして、特定の建設資材を使用する、一定規模以上の工事の場合、建設リサイクル法によって、さらに次の事項を、「工事請負契約書」に記載しておく必要があります。

  • 分別解体等の方法
  • 解体工事に要する費用
  • 再資源化等をするための施設の名称及び所在地
  • 再資源化等に要する費用

特定建設資材とは、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、コンクリート及び鉄からなる建設資材、木材をいいます。

建設リサイクル法の対象となる工事の規模は、工事の種類ごとに、次のように定められています。

建設工事の種類 建設工事の規模
建築物の解体 床面積80平方メートル以上
建築物の新築・増築 床面積500平方メートル以上
建築物の修繕・模様替え 請負代金1億円以上
建築物以外の解体・新築等 請負代金500万円以上

4. 下請けの見積もりには一定期間必要

下請けとの間で、「工事請負契約」を締結する前提として、まず元請会社から下請会社に対して、見積もりを依頼するのが通常でしょう。

この際にも、「建設業法」で注意しておかなければならない、重要なポイントがあります。

それは、下請の見積もり期間には、一定期間以上与えなければならないというルールがあるということです。

元請が、少ない見積もり期間で見積もりを焦らせ、十分な情報を与えずに、下請に不当に安い工事代金を強要することを避けるためのルールです。

与えなければならない見積もり期間の下限は、請負工事の規模によって、次のように決められています。

建設工事の規模 見積もり期間の下限
500万円未満の工事 中1日以上
500万円以上5000万円未満の工事 中10日以上
5000万円以上の工事 中15日以上

5. まとめ

元請会社が下請け会社に対して「工事請負契約」をするとき、その力関係の差から、下請会社に不当な契約が強制されるようなケースが少なくありません。

今回解説した「一括下請け(丸投げ)」が、最も典型的な例でしょう。

下請に対して不当な契約を強要することとなると、手抜き工事など、施工の品質が下がることが容易に予想できますから、「建設業法」では、一定のルールが決められているわけです。

元請会社としても、自社の信用、評判を落とさないためにも、建設業法におけるルールを遵守するように注意しましょう。

元請・下請間のルールが細かく定められていることから、建設会社こそ、顧問弁護士による日常的な法律相談を有効に活用していただきたいと思います。

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