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不動産

施主トラブルを避けるため、建設会社が請負契約で注意すべきポイント

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建設会社を経営する社長であれば、「施主からのクレーム」に嫌な思いをしたことは少なくないのではないでしょうか。

クレーム程度で済めばよいですが、トラブルとなると、「代金を支払ってもらえない。」などの理由で、裁判になるおそれもあります。

クレームを完全にゼロにすることは難しいですが、請負契約を締結する時点から、きちんと準備をしておくことによって、施主(発注者)とのトラブルを、できる限り少なくすることは可能です。

契約書を結んでいなかったり、建設会社が説明すべきことを説明せずに施主を放置したりすれば、紛争となるのは当然です。

施工が始まってしまってから、最悪の場合には工事が完成してしまってからトラブルが表面化しても、その時点になっては、もはや打つ手は非常に少ないと言わざるを得ません。

今回は、建設会社が、施主とのトラブルを避けるために請負契約の時点で注意しておくべきポイントを、企業法務を得意とする弁護士が解説します。

1. 請負契約前に説明しておくポイント

請負契約を交わす際に、建設会社が施主(発注者)とトラブルとなる最大の原因は、建設会社の説明が足りていないことではないでしょうか。

特に、施主(発注者)が建設に関する知識のない素人である場合には尚更です。

建設会社の方が、専門的な知識・経験を多く有しているわけですから、できるかぎりわかりやすく説明しなければ、後でトラブルになっても仕方ありません。

「俺に任せておけ!」というような職人気質の対応だけで施工を始めるのは避けなければなりません。

請負契約前に、建設会社がきちんと説明をしておくべきポイントについて、まとめました。

1.1. 将来の予定(スケジュール・代金発生の時期など)

これから請負契約を締結して施工を開始するという時点での施主(発注者)の気持ちは、不安でいっぱいです。

不安をやわらげ、トラブルの回避をするために、今後のスケジュール、工期について、現時点でわかっている範囲で、できる限り詳細かつ具体的に説明しておくのがよいでしょう。

工期の説明の際には、専門用語をできる限り使わず、建物がどのような状態になっているかを説明するとわかりやすいです。

そして、どの時点で、いくらの請負代金の支払が発生するかを説明してください。施主の心配、不安のうち非常に大きいのが、請負代金に関する不安です。

  • 突然多額の代金を請求されるのではないか。
  • 一括で支払うのか、段階に分けて分割で準備すればよいのか。
  • 勝手に追加工事をされて、追加の代金を請求されるのではないか。

施主(発注者)の心配、不安を、きちんと取り除いてから請負契約を締結するようにしましょう。

1.2. 手付金と解除

先ほど、いくつかの例を挙げて、施主(発注者)の不安のうち、請負代金に関する不安、心配は非常に大きな割合を占めると説明しました。

ただ、こ建設会社としても、注文をいただかなければなりませんし、材料の発注もありますから、できる限り早く代金の支払を受けたい、受注を請けたいというのが本音でしょう。

そして、着工前に一定の業務が発生する場合などには、請負契約に先立って、手付金を受領しておくことを検討すべきケースも少なくありません。

手付金を受領する場合には、次のことを施主にきちんと説明しておかなければなりません。

  • 手付金が必要であること
  • 手付金の金額
  • 手付金の支払期限
  • どのような意味の手付であるか
  • 手付を利用して解約する場合の解約方法

なお、民法上、手付は、特に契約で決めておかない限り「解約手付」とされます。

解約手付を施主(発注者)から受け取った場合には、建設会社は、施主に対してその倍額を返金することで請負契約を解約でき、逆に施主は、解約手付の金額を放棄することで請負契約を解約できるとするのが民法上のルールです。

1.3. 工事内容の変更期限

施主(発注者)の中にはは、自分のイメージを実現するために、工事期間中であっても注文内容を変えたいと考える人が少なくありません。

工事との兼ね合いで可能であれば、そして、追加費用が生じても支払ってもらえる限りは、できる限り応じたいところではあるものの、完成間近になって根本から注文内容を変えるということは不可能です。

しかし、建設に関する知識、経験のない施主(発注者)から見れば、「今からでも変えられるのではないか?」と思われてしまっても仕方ありません。

特に、施主の設計変更によって、次のようなトラブルが予想されます。

  • 設計変更によって、工期が当初のスケジュールより大幅に遅れた。
  • 追加工事が必要となり、工事代金が予定よりも多額となった。
  • 施主の注文通りに設計変更し、完成後のイメージが大きく崩れた。

したがって、このようなトラブルを回避するためにも、次のことを事前に説明しておく必要があります。

  • 「いつまでなら設計、工事内容の変更が可能であるのか。」
  • 「その場合には、どの程度の追加代金が生じるのか。」
  • 「工期がどれほど遅れる可能性があるのか。」

1.4. 完成後のイメージ

完成後に、「請負契約を締結した時点で考えていたイメージと違う!」というクレームを施主(発注者)から受けたことがあるでしょうか。

建設会社としても、請負契約締結時点で、設計図、見積書、サンプルなどを利用してできる限り説明をしているでしょうが、出来上がりの状態を完全にイメージしてもらうことは困難です。

対策として、次のような方法を活用して、施主のイメージが完成後の建物と沿うようにするとよいでしょう。

  • 施主とともにショールームにいき、実際に使用された状態の内装・外装のサンプルを見る。
  • 3Dソフトを用いて完成後のイメージを立体にする。
  • 内装・外装のグレードが上がり、代金が上がる場合にはすぐに伝える。

また、施主は、請負契約段階では、どうしても完成後のイメージに過大な期待を抱きがちであるため、完成品がそのイメージを下回ってクレームに繋がることが多くあります。

「設計図」や「見積書」で契約した仕様に満たない、という場合には、建設会社の責任となることは明らかですが、仕様を十分充足していたとしても、契約時の説明が足りないことによってこのようなクレームが起こり得ます。

2. 設計図、見積書を契約書に添付すること

以上の説明から、施主からのクレーム、トラブルを回避するために、工事請負契約を締結する時点、すなわち、着工前の段階で、きちん説明を行うことが非常に重要であることはご理解いただけたのではないでしょうか。

とはいえ、すべての説明を口頭で行っていては、建設の専門知識のない施主にとっては逆にわかりにくくなり、また、説明が長くなりすぎるおそれがあります。

そのため、図面や書面による説明を活用してください。

特に、「設計図」、「見積書」を契約書に別紙として添付することによって、工事内容を施主に対してわかりやすく説明すると共に、これらの書面に記載された内容を「仕様」として契約の内容とすることができます。

2.1. 設計図のポイント

設計図を添付することは、工事内容について、施主に対してもよくわかるように説明するという役割と共に、契約内容の一部となる役割があります。

契約の内容となるということの意味で、特に重要なポイントは次の2つです。

  • 完成した建物に瑕疵があるかどうかの判断基準となる。
  • 修正、やり直し工事などが追加料金であるかどうかの判断基準となる。

つまり、「契約書に添付した設計図どおりであるかどうか。」という判断基準で、「完成した建物に瑕疵があるかどうか。」が判断されます。

また、追加、修正の工事を施主から発注された場合に、これが当初の契約の範囲内であるのか、それとも別料金の発生する追加工事であるのかを判断する基準となります。

添付された設計図が詳細で具体的なものでなければ、施主(発注者)と建設会社との間で、工事内容の認識にズレが生じ、完成後にトラブルの火種となります。

2.2. 見積書のポイント

建設業法20条では、請負契約を結ぶとき、工事の見積もりを行うよう努めなければならない、と義務付けられています。

 建設業法20条 
  1. 建設業者は、建設工事の請負契約を締結するに際して、工事内容に応じ、工事の種別ごとに材料費、労務費その他の経費の内訳を明らかにして、建設工事の見積りを行うよう努めなければならない。
  2. 建設業者は、建設工事の注文者から請求があつたときは、請負契約が成立するまでの間に、建設工事の見積書を交付しなければならない。
  3. 建設工事の注文者は、請負契約の方法が随意契約による場合にあつては契約を締結する以前に、入札の方法により競争に付する場合にあつては入札を行う以前に、第十九条第一項第一号及び第三号から第十四号までに掲げる事項について、できる限り具体的な内容を提示し、かつ、当該提示から当該契約の締結又は入札までに、建設業者が当該建設工事の見積りをするために必要な政令で定める一定の期間を設けなければならない。

そして、見積書について、注文者からの請求があった場合に交付する義務があるとされています。

ただ、注文者から請求がなかったとしても、代金に関するトラブルを避けるために、請負契約書に添付しておく方がオススメです。

見積書もまた、設計図と同様、どこまでの工事が当初の請負契約の内容であったか(当初の代金の範囲内であるか)を示すことにより、追加修正工事について別料金を請求する際の理由ともなります。

そのため、「○○工事代金一式」というような記載をする見積書は、どのような工事がこの「一式」に含まれるかが不明確となってしまうことから、お勧めできません。

3. 瑕疵担保に関する保険に加入しておく

以上のような十分な準備をととのえて請負契約を締結したとしても、工事完成後に何らかの瑕疵が見つかって、建設会社が責任を負わざるを得ないこともあり得ます。

このような場合に施主(注文者)を不当に害さないように、一定の場合には、瑕疵担保に関する保険に加入する義務が、法律に定められています。

3.1. 新築住宅の10年の瑕疵担保責任

新築住宅に関する請負人の瑕疵担保責任については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、①構造耐力上主要な部分、②雨水の侵入を防止する部分については、施主(発注者)に引き渡したときから10年間の瑕疵担保責任(損害賠償請求、修補請求)を負うとしています。

そのため、これらの①②の部分について、10年未満しか瑕疵担保責任を負わないとする請負契約における特約は、無効とされます。

そして、この10年の瑕疵担保責任の期間は、同じ法律で、民法の債権に関するルール(上限10年)を超え、20年まで伸長できると定められています。

3.2. 保険加入、もしくは供託義務

以上で解説しました、民法のルールよりも重くなった瑕疵担保責任の履行を確保するため、建設会社には、倒産などに備えて保険へ加入すること、もしくは供託が義務付けられています。

ただし、「新築住宅」であることが要件なので、中古であったり、そもそも住宅でなかったりといった場合には、この義務はありません。

4. まとめ

今回は、施工しはじめ、または、完工した後で、施主(発注者、注文者)との間でトラブルとならないよう、請負契約を締結する段階から建設会社が注意しておきたいことについて、弁護士がまとめて解説しました。

瑕疵をゼロにし、トラブルをゼロにすることが望ましいとはいえ、人間の行うことですから、どこかでミスが起こります。

小さなミスを炎上させ、大きなトラブル、クレームにしてしまわないため、契約の段階から、施主との間で信頼関係を構築し、丁寧な説明をすることが第一歩です。

建設会社が施主(発注者、注文者)との間で締結すべき多くの書面について、その内容や作成は、弁護士にお任せいただくことをお勧めしています。

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