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ズル休みする問題社員への対処法は?懲戒解雇、減給はできる?

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従業員から突然欠勤の連絡が来た場合、会社経営者としてはどのように対応すればよいのでしょうか。法事や病欠など、もっともらしい理由で欠勤する従業員の中には、嘘をついてズル休みしている社員がいる場合もあります。

実際、ネットで「会社、休み、理由」などと検索してみると、会社をズル休みしたというブログ記事や、バレないようにズル休みするテクニックを紹介した記事を見かけます。

ズル休み自体、許しがたい問題行為ではありますが、特に、納期直前や大事な取引先との交渉日にズル休みをされたら、会社としてはたまったものではありません。

従業員の欠勤理由を聞いて、「ズル休みをしているのではないか。」と感じたとき、会社としてどのような対処をすれば良いか分からず、お悩みの会社経営者の方や人事担当の方も少なくないことでしょう。

今回は、ズル休みをする従業員の嘘を見抜く方法と、その後の対処法について、企業の労働問題(人事労務)を得意とする弁護士が解説します。

1. よくある嘘の欠勤理由

従業員がズル休みをする際によく使われる嘘の欠勤理由には、次のようなものがあります。

 例 
  • 朝起きたら突然ひどい頭痛がした。
  • 突然高熱が出て動けない。
  • 朝から検査に行かなければならない。
  • 身内に不幸があったので休みたい。
  • 子供が急に熱を出してしまい、看病しなければならない。

もちろん、これらの欠勤理由の全てが嘘という訳ではありません。本当に休まなければならないという従業員の方も多いはずです。お互いの信頼関係を損なわないためにも、過度に疑ってかかるのは禁物です。

このようなもっともらしい欠勤理由を申告されても、いきなり問い正すことはせず、ズル休みを見抜くためにアンテナを張るため、以下のテクニックをご覧ください。

2. 従業員の嘘を見抜く方法

従業員の欠勤理由がうそっぽいと感じても、「ズル休みでは?」と思っても、いきなり従業員を問い正すようなことは避けた方が良いでしょう。

よくある嘘の欠勤理由として紹介したものは、ズル休みのときに用いられる典型的な言い訳でもありながら、一方で、本当にその理由で欠勤しなければならない社員も多数いるからです。

そこで、以下では、従業員に直接確認することなく、ズル休みを見抜くため、会社経営者の方が注意しておいてほしいポイントを解説していきます。あくまでも、欠勤理由が嘘ではないかの判断の参考としてお考えください。

2.1. 申告のタイミングに注意

まず、当日になって突然申告してくる場合は、従業員が嘘を付いている可能性が高いと言えます。

急な頭痛や発熱はよくあることですが、身内の不幸のような事情は、そうそうタイミングよく起きるものではありません。

もし検査や法事等を理由に休むのであれば、事前に申告することも十分に可能なはずです。
それにもかかわらず、当日になって欠勤の連絡をしてくる場合には、ズル休みの可能性アリと言っていいでしょう。

2.2. 欠勤理由の具体性に注意

もう一つ、よくありがちなのが、やけに具体的に欠勤理由を説明してくるケースです。

ズル休みをしようとする従業員は、嘘がバレないように、焦っていることが多く、聞いてもいないのに欠勤の理由をやたらと詳しく説明してくることが少なくありません。

電話口でいきなり長々と欠勤理由を申告してくるような場合には、ズル休みの可能性アリだといえます。

2.3. 頻繁な欠勤に注意

やけに頻繁に検査や病欠で欠勤する場合も、ズル休みである可能性が高いといえます。

身体の弱い労働者の方も、中にはいるでしょうが、月曜や金曜に限って休みが多いような場合には、「週明けの出勤がつらい。」「週末遊びたい。」などと言った理由でズル休みをしていると疑うべきです。

身内がやたら頻繁に亡くなるような場合も、「ズル休みなのではないか。」という疑いの目を持って慎重に対処しましょう。

2.4. 診断書を提出させる

病欠を理由としたズル休みを見抜く手っ取り早い方法としては、診断書を提出させるのが有効です。本当に体調が悪くて欠勤しているならば、診察を受けさせても不都合はないはずです。

電話口では深刻な病状を訴えていたのに、診断書の提出を求めてもはぐらかされる、という場合には、その欠勤理由は虚偽であったと考えて対応しましょう。

2.5. SNSをチェックする

従業員の虚偽の欠勤理由を見抜き、ズル休みを回避するために非常に有効な「診断書を提出させる」という方法ですが、万能ではありません。

従業員の嘘を見抜くために有効な方法として、欠勤した従業員のSNSをチェックする方法があります。

最近は、SNSのアカウントを「非公開」にして、外部から閲覧できないようにしている人も多くなりましたが、複数のSNSを利用している人の中には、外部から閲覧できるSNSが残っている場合もあります。また、対象の従業員の友人のSNSに「タグ付け」された画像がアップロードされていることもよくあります。

ズル休みに成功して油断している従業員の中には、平気で旅行や遊びの写真をアップロードする人も少なくありません。疑わしい従業員のSNSをくまなくチェックすれば、ズル休みの動かぬ証拠をつかむことができるかも知れません。

2.6. 同僚や家族に確認する

SNSをチェックする以外にも、同僚や同居している家族に連絡をしてみると、ズル休みしていたことが明らかになることがあります。

同僚や家族にも根回しをされていたらお手上げですが、カマをかけて見たら案外成功するかも知れません。

3. ズル休みは懲戒処分できる?

さて、ここまで解説してきたズル休みですが、当然ながら、会社内における非常に大きな問題行為と考えることができます。

そこで、会社内の従業員の問題行為に対して「制裁(ペナルティ)」としての意味を持つ懲戒処分を、虚偽の欠勤を繰り返した従業員に対して課すことができるかどうかについて、弁護士が解説します。

3.1. 虚偽申告は非違行為に当たる

欠勤理由の虚偽申告には以下の2つのパターンがありますが、いずれの場合にも非違行為に該当するため、懲戒処分を下すことができる可能性があります。

  • 単に欠勤する場合
    会社と雇用契約を結ぶ労働者には、所定労働時間の間、使用者である会社の指揮命令に服し、職務に専念する契約上の義務があります。
    虚偽申告によるズル休みや、正当な理由なしに、会社の指揮命令に逆らう行為であり、職務専念義務に違反します。違反の程度が酷ければ、懲戒処分を下すことも可能です。
  • 有休を消費する場合
    労働者には、労働基準法に基づき、有休(有給休暇)が与えられており、労働者はいつでもどのような理由でも有休を取ることができます。しかし、いつでも自由に休まれると会社の業務に支障をきたすこともあるため、会社側には必要に応じて有休の日程を変更させる権利(時季変更権)が認められています。

確かに、有給休暇が残っていれば、労働者は会社を休むことができるわけですが、ズル休みのために虚偽の欠勤理由を申告することは、会社が適正に時季変更権を行使して有給休暇のタイミングを変更する機会を奪うことになるため、その点でも問題行為だと考えられます。

3.2. 社内秩序を乱したかがポイント

以上のとおり、問題行為であることが明らかな虚偽の欠勤理由(ズル休み)ですが、実際に懲戒処分を下すことができるかどうかは、欠勤の悪質さと、懲戒処分の重さのバランスによっても異なります。

懲戒処分を下すことは、労働者に大きな不利益をもたらすことになるため、会社による懲戒権の行使は労働契約法15条によって厳しく制限されているからです。

 労働契約法15条 

使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。

つまり、①懲戒をすべき合理的な理由があり、②その懲戒処分をすることが社会通念に照らして相当といえる程度でなければ、処分は無効になります。

ズル休みは非違行為に当たるため、①懲戒をすべき合理的な理由はあるといえますが、これに加えて②処分の相当性が認められるかどうかは、従業員のズル休みによって「社内の秩序が乱された。」といえるかどうかがポイントになります。

様々な事情を総合的に判断しなければならないため、どの程度の懲戒処分とするのが相当かについては、人事労務に精通した弁護士に確認してみるのがオススメです。

3.3. あらかじめ規定が必要

また、懲戒処分は、上記の通り労働者に不利益をもたらすものであるため、労働者側の予測可能性を確保するために、予め処分の種類と処分の事由を規定しておく必要があります。

就業規則や雇用契約書に、懲戒処分についての規定がないのに懲戒処分を下すことは違法であり、その懲戒処分は無効になります。

4. ズル休みする問題社員を懲戒解雇できる?

虚偽の欠勤理由によって会社をズル休みする問題社員に対して、懲戒解雇をすることができるかどうかについて、弁護士が解説します。

「懲戒解雇」は、会社内の問題行為に対して会社が科すことのできる「懲戒処分」のうち、最も重いものであり、懲戒解雇が可能なケースは、非常に狭く制限されているからです。

4.1. 戒告や減給が可能

懲戒処分の種類には、戒告や減給、出勤停止、解雇などがあります。

ズル休みは無断欠勤に近い職務怠慢行為であり、戒告や減給処分等の比較的軽い処分を下すことが可能です。

4.2. 減給の制限に注意

ただし、減給処分は労働者の収入を奪うことになり、労働者の生活に与える影響が大きいため、労働基準法91条によって減額できる金額に次のような上限が設けられています。

  • 1回の減給:1日分の平均賃金の半額まで
  • 1ヶ月の減給の総額:1月分の賃金の10%まで

この上限を超えて減給した場合には、その処分は違法となり、上限を超えた減額分の賃金を労働者に請求されるおそれがあるので注意しましよう。

4.3. 重い処分も可能?

通常、一回のズル休みはさほど重大な違法行為とはいえず、戒告や減給が相当とされています。しかし、ズル休みが常習化しているような場合には、降格や出勤停止などの重い処分を下すことが許される可能性もあります。

いずれにせよ、重い処分を下す前には、ズル休みが事実かどうかを慎重に確認するべきです。

4.4. 解雇権の制限

会社の解雇権は、他の懲戒権とは別に、労働契約法16条で厳しく制限されています。

 労働契約法16条 

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

解雇処分は、労働者の収入を完全に奪い、労働者の生活維持を困難にする非常に厳しい処分であるため、処分が許されるケースは、降格や出勤停止よりも非常に限られています。

4.5. 解雇に値するケースとは?

当然のことながら、ズル休みを一回した程度では、懲戒解雇処分を下すことは許されません。

懲戒解雇処分を下すことが許されるケースとは、虚偽の申告による欠勤や遅刻、早退を繰り返し、再三の注意にもかかわらず改善が見られない、といったような、ごく限られた場合だけです。

そのような悪質な職務怠慢でない限り、ズル休みをした従業員を解雇することはできず、戒告や減給などの比較的軽い処分によって適正に対処するほかありません。

5. まとめ

今回は、嘘の欠勤理由で会社を休む、いわゆる「ズル休み」の従業員の嘘を見抜く方法と、会社としてのその後の対処法について弁護士が解説しました。

ズル休みを繰り返す従業員には「会社を休む」ということに対する負い目がない場合もあります。嘘の欠勤を繰り返す問題社員に適正に対処しなければ、他の従業員まで真似をし始め、ズル休みが助長されかねません。

「従業員がズル休みをしているのではないか。」という疑問や不安をお持ちの方は、是非、お早めに、労働問題(人事労務)を得意とする弁護士にご相談ください。

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