経営者の顧問弁護士が企業法務を徹底サポート!!

顧問弁護士の企業法務サポートなら「ビズベン!」

Shortcodes Ultimate

(24時間フォーム問い合わせ対応)

人事労務

社員の業務メールを会社はチェックしてよい?メールチェック前の注意

投稿日:

会社経営者の方からのご相談の中には、社員の業務メールを逐一チェックしたいというものが少なくありません。

業務の遂行で必要なメールの送受信をチェックすることは、会社として当然なことのようにも思えますが、やりすぎると、社員から「プライバシー侵害だ。」などの不平不満が出てきて、やる気が低下するおそれもあります。

結論からいうと、会社は、社員の業務メールをチェックしてもよいものの、無制限には許されず、また、メールチェック前に就業規則などでルール作りが必要です。

今回は、会社が社員の業務メールをチェックするにあたって注意すべきポイントを、企業の労働問題(人事労務)を得意とする弁護士が解説します。

1. 会社がメールチェックできる理由

会社が社員の業務メールを逐一チェックすることとなると、社員としても、「常に監視されている。」、「評価に影響されている。」というプレッシャーを感じることから、不平不満も出てくることでしょう。

しかし、結論からいえば、会社は、社員の業務メールをチェックすることができます。

ここでは、会社の経営者が、社員から反論をされてしまった時に備え、会社が業務メールをチェックしてもよい3つの理由について理解しておいてください。

1.1. 企業秩序の維持

会社は、経営のために組織として行動をしなければならないことから、その秩序を守るための権利があります。

会社の秩序を守るためには、社員が「メールの誤送信」を行ったり、「私用メール」を業務中に多数送信したりしていてはいけません。

そのため、企業秩序を維持するために会社に認められた権利として、会社は社員の業務メールをチェックすることができるのです。

1.2. 会社の所有権

会社は、社員に貸与している業務上の物品などについて、所有権を有しています。この中には、社員が業務上使用しているパソコン、携帯や、システム自体も含まれます。

会社の貸与したパソコンやスマフォを利用して、会社の設置しているシステムを通じてメールを送信しているわけです。

したがって、会社が社員の業務メールをチェックするための2つ目の根拠は、この会社の所有権にあります。

1.3. 職務専念義務

最後に、「職務専念義務」について説明します。

労働者は、会社に雇用されている限り、約束した労働時間の間は、会社の業務に専念する義務があります。これを、専門用語で「職務専念義務」といいます。

会社は、労働者が誠実に働いているかどうか、つまり、職務専念義務を守り、私用を行っていないかどうか、また、守秘義務を守り情報漏えいをしていないかどうか、調査をすることができ、メールチェックもその一環です。

2. 会社によるメールチェックを適法とした裁判例

ここまでお読み頂ければ、メールチェックに対して従業員(社員)が「プライバシー権の侵害だ!」と主張してきても、適切な反論ができるのではないでしょうか。

会社が、社員の業務メールをチェックしてもよいことは、次の2つの裁判例でも認められています。いずれも、私用メールですらメールチェックは適法と判断しています。

2.1. F社Z事業部(電子メール)事件

まず1つ目の裁判例が、F社Z事業部(電子メール)事件(東京地方裁判所平成13年12月3日判決)です。

こちらの裁判例は、業務メールではなく私用メールを上司が無断でチェックした件について、プライバシー侵害であるとして、労働者が会社に対して損害賠償を請求した件です。

東京地方裁判所の判決では、監視の目的、手段及び態様を総合考慮して、社会通念上相当な範囲であれば、プライバシー侵害ではないと判断しました。

2.2. 日経クイック情報事件

次に2つ目の裁判例が、日経クイック情報事件(東京地方裁判所平成14年2月26日判決)です。

こちらの裁判例では、社員を誹謗中傷するメールが送られてきたため会社が調査をしたところ私用メールが発覚し、労働者が会社に対して、監視(モニタリング)について損害賠償を請求した件です。

東京地方裁判所の判決では、さきほど解説しました「職務専念義務」に反するという理由で請求を棄却しました。

また、私用メールであるかどうかは題名だけからは判断できず、企業秩序の維持を目的としてメールチェックをすることは必要であるとし、メールチェックの必要性を認めました。

3. 無制限には許されない

以上のとおり、原則として、会社による社員のメールチェック、モニタリングは適法であり、裁判例でも適法性が認められています。

しかし、無制限、無限定なメールチェックは、社員のプライバシーの侵害につながりかねず、違法となるおそれもあります。

そこで、プライバシー制限とならないようメールチェックを進めるために、「計測会社メール閲覧事件」(東京地方裁判所平成13年12月3日判決)で認められた次の3つの要件を満たすよう、注意が必要です。

 適正なメールチェックのための三要件 
  • 閲覧する社員が、社内でメールを監視する立場にあること
  • メールを閲覧すべき合理的な理由があること
  • メールチェックの方法が適正であること

この要件に従って、次のようなケースについて、メールチェックが適正であると判断されるかどうか、考えてみてください。

 メールチェックが適法なケース 

企業の秩序を維持し、社員が職務専念義務を守って働いているかどうかをチェックすることを目的として、直属の上司が、社長の許可を得て、必要な範囲内のメールのみをチェックするケース

 メールチェックが違法なケース 

上司が、個人的な興味関心を満たすために、部下の女性社員のメールを、管理システムのパスワードを知っていることを利用して、会社に内緒でのぞき見したケース

4. 就業規則におけるメールのルール作り

メールチェックを、適正な方法で行うためには、ルールが事前に明確になっている必要があります。

社員(従業員)としても、メールについてのルールが明確になっていれば、「ルールに違反していないか。」という点に限って調査をするためにメールをチェックされても、不平不満は出ないでしょう。

メールについてのルールは、全社員に適用すべきものですから、就業規則に定めておくのが一番です。特に就業規則に定めておきたい、メールについてのルールは、次の3つです。

  • メール送信の際、情報漏えいに細心の注意を払うこと
  • 会社の名誉、信用を傷つけるようなメール送信を行わないこと
  • 業務時間中の私用メールを控えること

以上の、特に注意すべきメールについてのルールを定めた上で、最後に、「これらのルールの遵守状況を調査するため、会社がメールチェックをすることがある。」ということを明記し、事前に予告しておきます。

5. まとめ

会社としては、社員の業務時間中のパソコン上での行為が、気になるのは当然のことです。そして、業務メールを適切な範囲でチェックすることは、会社に認められた権限です。

無制限に行えば、プライバシー侵害になるほか、社員からの不平不満の火種ともなりかねないため、メールチェックの事前準備が重要となります。

社内の労務管理にお悩みの経営者の方は、企業の労働問題(人事労務)を得意とする弁護士に、お気軽にご相談ください。

企業法務に強い弁護士に相談!

企業法務に強い弁護士に相談!


御社名(必須)

メールアドレス(必須)

電話番号

ご住所

ご相談の内容

企業法務は、弁護士にご相談ください!
企業法務、人事労務、債権回収、契約書など、会社で起こる法律問題にお悩みではありませんか?会社・経営者に有利な解決のためには、多数の会社の顧問弁護士としての実績が豊富な弁護士にお任せください!

企業の法律問題に強い弁護士が、御社の法務アドバイザーとして、徹底サポートいたします。

-人事労務
-, , ,

Copyright© 顧問弁護士の企業法務サポートなら「ビズベン!」 , 2018 AllRights Reserved.