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債権回収

弁護士が5分で解説する強制執行による債権回収の概要

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取引先に対する未回収の売掛債権について、「有利な内容で和解調書を作成できた。」、あるいは、「民事調停が成立して、調停調書を得た。」、「裁判で勝訴判決を獲得した。」という企業経営者のみなさん、あとは裁判所に任せておけば、債権が回収できる、と安心してはいませんか?

いかに有利な判決を得たとしても、まだ喜ぶのは早いでしょう。

なぜなら、判決など、権利義務の内容を確定する公的な書類を「債務名義」といいますが、この債務名義だけで、国が取引先に対して強制執行をかけ債権回収を行ってくれるわけではないからです。

一定の例外的な場合を除いて債権者が自ら「強制執行の申立て」を行わなければ、債権の強制的な回収に進むことはありません。

「強制執行」という名前は知っているけれど正確には分かっていない、という経営者には、ぜひ、強制執行の概要について押さえておくことをおすすめします。

今回は、企業が知っておきたい強制執行の概要について、企業法務を得意とする弁護士が解説します。

1. 強制執行とは?

強制執行とは、強制的に債務者の財産を差押えることにより、債権回収を図る法的手段のことを言います。

裁判所が差し押さえた財産を換価(お金に代えること)し、債権者に配当(分配すること)する制度です。

民事執行法という法律で認められた強制執行には、大きく分けて、債権執行、不動産執行、動産執行の3種類の強制執行があります。

以下、これら3種類の強制執行の方法について、解説します。

1.1. 債権執行

企業間同士の債権回収において、多く利用されるのがこの「債権執行」です。

債権執行とは、債務者が有する債権を差押えるための手続きです。すなわち、結果的には債務者の債務者(これを専門用語で「第三債務者」といいます。)から弁済をしてもらうことで債権回収をします。

わかりやすく具体例を検討してみましょう。

 例 

債権者(自社)をA、債務者(取引先)をB、そして、債務者Bがもっている債権の債務者をC(第三債務者である企業)とします。

この場合、Aは、BがもっているCに対する債権を強制執行により差し押さえ、Cから直接弁済を受けることができます。これが、債権執行による債権回収の方法です。

債権執行で対象となるのは、金銭債権であることが原則です。

特に企業間では売掛金債権、貸付金債権を対象とすることが多くみられます。

 注意! 

なお、個人には生活保障のため、差押禁止部分があります。

個人の生活の糧となる給与債権については、一定程度支払われなければ債務者の生活が立ち行かなくなるという趣旨から、差押えが制限されています。

これに対して、企業の場合には、債権を全額差押えることが可能です。

1.2. 不動産執行

不動産執行とは、土地や建物など債務者が有する不動産を差押えるための手続きです。

実務上多くみられるのは、取引先の所有不動産(特に、商業登記という公開情報から判明しやすい「本店所在地の土地、建物」)を対象とするものです。

また、取引先が登記した地上権も不動産執行の対象とすることができます。

もっとも、資金繰りに窮している取引先は、既に、金融機関をはじめとする各債権者から所有不動産を担保にとられている可能性もありますので、不動産執行を行ったとしても債権回収の見込みがあるのか確認する必要があります。

不動産の時価が被担保債権額を上回らない場合には、不動産執行の申立てを行ったとしても、申立てが却下されてしまうおそれがあるため、慎重な確認が必要です(専門用語で「無剰余執行禁止の原則」といいます。)。

1.3. 動産執行

動産執行とは、形のある有体物のうち、不動産を除いたもので、債務者の所有物を差押さえるための手続きです。

動産には、什器や備品だけでなく、現金や社用車なども含まれます。また、小切手や株券など有価証券も含まれます。

動産執行は、差し押さえするにあたり、執行官が実際に会社に出向いて執行しますが、取引先がどのような動産を所有しているか不明なので、対象となる動産をあらかじめ具体的に特定しておく必要はありません。

もっとも、換金価値のある財産がなければ債権回収することができないので注意が必要です。

2. 強制執行への準備の手順

強制執行を進めるにあたっては、強制執行申し立てに必要な、執行文、送達証明といった各種の資料収集を進めなければなりません。

これらの手続きは、強制執行を申し立てるよりも前に、債務名義を取得した裁判所などにおいて行う必要があります。

強制執行を準備する際の一般的な手順について、順番に解説します。なお、以下の手順は、債権執行、不動産執行、動産執行のいずれであっても変わりありません。

2.1. 債務名義の取得

まず、強制執行をするためには、その根拠となる「債務名義」を得る必要があります。

債務名義とは、「強制執行をできる効力を与えられた文書」をさします。

債務名義には、公正証書、調停調書、仮執行宣言付支払督促、仮執行宣言付判決、確定判決などがあります。

債務名義を取得したからといって、直ちに強制執行手続きが進むわけではありません。

判決等を得たからといってそこで安心するのではなく、将来の回収可能性について厳しく検討していかなければなりません。

そして、債務者が、確定判決にすなおに従うことが期待できない場合には、実際に債権回収のための以下の手続きをすることを忘れないようにしましょう。

2.2. 債務名義の執行文付与の申立て

債務名義の取得後は、裁判所に対し、「執行文付与」の申立てを行い、債務名義に執行文を付与してもらいます。

執行文とは、債務名義が、強制執行可能な状態であることを公に証明するために、裁判所書記官が作成して付与する文章をいいます。

強制執行を申し立てる先の裁判所に対して、債務名義に示された権利義務関係が、確かに存在することを証明する役割を果たしています。

また、執行文が付与されるべきではないと考える債務者には、次の2つの手続きによる不服申し立ての機会が与えられています。

  • 「執行文付与に対する異議」
  • 「執行文付与に対する異議の訴え」

なお、少額訴訟による確定判決や、仮執行宣言付支払督促等の例外的な場合に関しては、債務名義だけで強制執行が可能なため、執行文付与の手続きは必要ありません。

2.3. 債務名義の送達証明申請

債務名義に執行文が付与された後は、債務名義の送達証明申請をします。

相手方企業にとっては、不意打ちで、財産を強制執行されては困りますので、相手方に防御の機会を与えるために必要な手続きです。

申請する際には、債務者へ債務名義の謄本、または正本の郵送も同時にしなければなりません。

3. 強制執行前の2つのポイント

債務名義を獲得して権利義務関係を確定したとしても、そのまま何らの準備もせずに強制執行ができるわけではありません。

「債務名義を獲得できそうだ。」とか、例えば、「そろそろ勝訴判決が出そうだ。」という場合、スピーディに強制執行をして債権回収の実効性を確保するため、事前に準備を進めておかなければなりません。

強制執行を行うための事前準備の際、債権者となる会社がチェックしておきたいポイントについて、順番に解説していきます。

3.1. 取引先の財産状況のチェック

取引先に、いったいどのような財産があるのかを把握し、債権回収が期待できる財産に対して執行をかけていく必要があります。

取引先の財産について、取引先企業や銀行はどこなのか、在庫を保管している倉庫はどこにあるのか、所有不動産はどのくらいあるのかなどに関して、常日頃から調査、把握しておく必要があります。

3.2. 差押え予定財産の価値の把握

債権執行の場合は、「第三債務者の調査」が必要不可欠です。

売掛金債権、貸付金債権など、差押えを予定している債権について、第三債務者の弁済能力を調べます。

弁済能力を調査するには、取引先と第三債務者間の取引における売掛金帳簿などを参考にしましょう。

ちなみに、最も第三債務者の弁済能力が高いと考えて良い「預貯金債権」については、真っ先に調査をしておかなければなりません。

 重要 

不動産執行の場合は、「債権者数の調査」が必要不可欠です。

不動産の時価が被担保債権額を上回らないと申立てが却下されてしまうからです。すなわち、債権者が多く、優先順位の高い抵当権がついている場合、自社の申立ては配当可能額がない、ということで却下されてしまうおそれがあるからです。

 重要 

動産執行の場合は「費用対効果の検討」が重要です。

実務上、動産執行をする上で、差し押さえした財産よりも裁判所へ納める費用の方が高額とならないか、しっかり確認する必要があります。

3.3. 差押さえるべき対象の特定

強制執行では差押えの対象となる財産を特定しなければなりません。

債権執行の場合は、債権債務の当事者や債権の種類・金額等により特定します。

不動産執行の場合は、対象不動産について登記簿謄本等を利用し、地番や地積、所在等厳密に特定します。

動産執行の場合は他の2つとは少し異なります。動産の所在場所のみを特定すればよく、具体的に差し押さえる対象を決定するのは執行官です。

もっとも、執行官に対し、差押えの希望を伝えておくことはできますが、必ずその通りになるとは限りません。

4. 強制執行の実施

以上で解説してきました準備とチェックポイントを検討したら、いよいよ強制執行を申し立てます。

債権執行は、申立が裁判所から認められた場合、第三債務者から直接、弁済を受ける仕組みです。

第三債務者の例として挙げられるのは、預金債権の場合は銀行、売掛金債権や貸付金債権に関しては弁済をまだしていない会社です。

債権差押命令が債務者に送達されてから1週間を経過したら、債権者は自ら取り立てることができます。

不動産執行は、申立が裁判所から認められた場合、対象不動産の売却基準価額を算出し、競売手続きにおける最高落札価格の金額が債権者へ配当される仕組みです。

不動産執行は、落札が決まるまでに1年以上の長い歳月がかかることもあります。

動産執行は、申立が裁判所から認められた場合、執行官が現場に行って、その場で執行現場に存在する動産を差し押さえていきます。差押えるものがなかった場合、執行不能となってしまいます。

5. まとめ

今回説明しましたように、強制執行手続きをするにあたっては取引先の財産調査が必要となりますし、債務名義の取得や執行手続きについても的確に選択することが必要となってきます。

通常の業務に追われていらっしゃる企業経営者の方にとっては、取引先の財産調査に時間をかけたり、裁判所への提出書類を作成する時間をかけることは、大きな負担となります。

そこで、御社の債権回収にとって効果の高い強制執行の種類を尋ねたり、書類作成に関して、平常時から顧問弁護士に任せるのが効果的です。

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