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不動産 契約書

事業用定期借地権の契約書作成と、活用のポイント

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「事業用定期借地権」とは、事業用の建物の所有を目的とした定期の借地権です。

コンビニやファミリーレストランなど、ロードサイド型ビジネスを展開する企業の多くが「事業用定期借地権」を利用し、事業展開を行っています。

「事業用定期借地権」は、自社が有する土地の面積の広さが十分でない企業にとって大きな利点があります。

「事業用定期借地権」を利用することで、隣接地と一体化した土地活用を行なうことができ、一定の収益を確保することが可能となるからです。

しかし、「事業用定期借地権」も、設定契約書を慎重に作成しなければ、「借りた土地の契約更新ができない。」「借地上の建物を買い取ってもらえない。」などの不測の事態に陥ってからでは手遅れとなりかねません。

「事業用定期借地権設定契約書」を作成する時には慎重な注意をして、企業間のトラブルを未然に回避しましょう。

今回は、「事業用定期借地権設定契約書」を作成するときの基本ポイントを、企業法務を得意とする弁護士が解説します。

1. 定期借地権設定契約の3つの種類

まず、「「定期借地権」の設定契約とは、通常の借地権設定契約と異なり、正当な事由がなくとも期間満了により当然に終了する借地権設定契約をいいます。

「定期借地権設定契約」以外の借地権は、貸主よりも借主の立場が弱いため保護の必要があるという考え方から、賃貸借の期間が満了したとしても、それだけで終了することはむしろ例外的です。

借地借家法によって、解約・更新拒絶に「正当な理由」が必要であるという、借主保護のための制限があります。

ここでいう「定期借地権設定契約」の中に、次の3つの種類があります。

  • 一般定期借地権設定契約
  • 建物譲渡特約付借地権設定契約
  • 事業用定期借地権設定契約

それぞれの「定期借地権設定契約」について、弁護士が解説していきます。

1.1. 一般定期借地権設定契約(借地借家法22条)

「一般定期借地権設定契約」とは、契約の存続期間を「50年以上」とする借地権設定契約です。

「契約が更新されないこと」や「賃借人が建物買取請求権を行使できないこと」を定めることができます。

この点は、通常の借地権設定契約であればこのような合意は無効となりますから、「一般定期借地権設定契約」の大きな特徴といえます。

ただし、「契約が更新されないこと」や「賃借人が建物買取請求権を行使できないこと」などについては単に合意するだけでは足りません。

公正証書等の書面で、合意事項を明らかにする必要があることは忘れないようにしましょう。

1.2. 建物譲渡特約付借地権設定契約 (借地借家法24条)

「建物譲渡特約付借地権設定契約」とは、存続期間を「30年以上」として借地権設定契約を結び、30年以上経過した段階で、借地上の建物を土地の賃借人に売り渡すという合意をあらかじめする契約です。

30年以上経過し、建物が土地の賃貸人に対して売り渡された後も、土地の賃借人が建物を使用していたときは、建物について期間の定めのない賃貸借契約が成立したとみなされる、という特徴があります。

1.3. 事業用定期借地権設定契約(借地借家法23条)

「事業用定期借地権設定契約」とは、存続期間が「10年から50年の間」で、土地の利用目的は「事業用建物の所有」に限定される契約です。

法律上は、「専ら事業の用に供する建物(居住用の建物は除く。)の所有を目的とし、存続期間を10年以上50年未満とする借地権」、と規定されています。

この契約が結ばれる場合、賃借人による建物の買取請求権は認められません。

なお、「事業用借地契約」は公正証書によらなければ「無効」となりますので、注意してください。公正証書の作成は、専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。

2. 事業用定期借地権設定契約の活用法

「事業用定期借地権設定契約」とは、居住用ではなく、事業のために土地を賃貸借する定期借地権の一形態です。

2.1. 存続期間についての改正

従来、「事業用定期借地権」の存続期間は「10年以上20年以下」とされていましたが、平成20年1月1日の法改正により、存続期間が、「10年以上30年未満」と「30年以上50年未満」の2つのタイプに区分されました。

法改正により2つのタイプを選択することができるようになったため、企業の「事業用定期借地権」を利用した土地活用は、今後、さらに広がると予想されます。

経営戦略上、どちらのタイプを選択するのがより効果的であるのか、気になった場合には、次で解説する具体例を参考にしてみてください。

2.2. 企業の業態に合わせた活用ケース

企業の行う業種形態は、大きくタイプ分けをすると、次の2つに区別することができます。

1つめは、いわゆる、「投下資本短期回収型業種」です。

コンビニエンスストア、ファミリーレストラン等の店舗、ゲームセンター等、投下資本を短期に回収することを目的とする企業が採用する業種形態です。

2つめは、いわゆる、「初期投資額多額業種」です。

契約大型ショッピングセンターやディスカウントストア等、初期段階で多額の投資をしたうえで、長期的に投下資本の回収を図っていくことを目的とする企業が採用する業種形態です。

この分類に従えば、「事業用定期借地権設定契約」は、次のように活用されているケースが見受けられます。もちろんこれ以外にも、御社のケースに合わせ「事業用定期借地権設定契約」の活用は応用可能です。

 投下資金短期回収型業種(契約期間10年以上30年未満) 
  • コンビニエンスストア
  • ファミリーレストラン
  • ゲームセンター
  • レンタルビデオ店
  • ラーメン、そば、焼肉、軽食喫茶の店舗 等
 初期投資額が多額となる業種(契約期間30年以上50年未満) 
  • 大型ショッピングセンター
  • ディスカウントストア
  • 大型物流倉庫
  • 大型書店
  • パチンコ店 等

3. 事業用定期借地権の設定に必要な3つの要件

「事業用定期借地権」は、以下の3つの要件をすべて満たせば設定できます。

「事業用定期借地権」の有効な活用法については、企業の不動産に強い弁護士などの専門家のアドバイスを受けるようにします。

  1. 借地権の存続期間を「10年以上30年未満」もしくは「30年以上50年未満」に設定すること
  2. 借地上の建物を事業用(居住用を除く。)に限定すること
  3. 公正証書によって契約を行なうこと

公正証書による契約となるため、公証役場にいき、公証人への依頼を伴うこととなります。

4. 事業用定期借地権設定のメリット

「事業用定期借地権」のメリットは、次の通りです。

賃貸人、賃借人のそれぞれにメリットがありますので、立場を分けて解説します。

4.1. 賃貸人側のメリット

  • 事業経営プランに合わせて、所有する土地を貸すことができます。
  • 賃貸借契約期間が終了すると、賃借人から更地となった土地を返還してもらえます。
  • 賃貸借契約に基づいて保証金を得られるだけでなく、契約期間中、安定的に、賃料を得ることができます。
  • 10~50年程度の中期的な土地活用が可能となりますので、立退きのトラブルやテナントの途中退去のリスクを一定程度、回避することができます。
  • 郊外に所有する土地の資産価値が増す可能性があります。

4.2. 賃借人側のメリット

  • 土地を購入するための高額な売買代金を用意する必要がないので、ローコストで事業を展開することができます。
  • 事業を行う上で最適な立地条件である土地を選択できます。
  • 法改正により、30年以上50年未満という比較的長期の存続期間の契約を選択することができるようになったので、今後、大型ショッピングセンター等の大型商業施設での利用が促進される可能性があります。
  • 一定の手続きを踏むことにより、賃貸人に建物を買取ってもらうこともできます。

5. 事業用定期借地権設定契約書の作成する際の5つの重要ポイント

「事業用定期借地権」は、事業のために用いる非常に重要な不動産に設定されることが多いものですから、その設定契約書を作成する際には、細心の注意を払って行わなければなりません。

「事業用定期借地権設定契約書」を作成するときのポイントを大きく5つにまとめました。

  1. 公正証書での作成によらなければならい。
  2. 賃貸借契約の目的を明記しなければならない。
  3. 契約期間を確定的に定めなければならない。
  4. 特約を設けるか明らかにする。
  5. 強制執行認諾文言を入れる。

以下、5つのポイントについて、弁護士が詳しく解説していきます。

5.1. 【ポイント①】公正証書の作成

「事業用定期借地権」の設定は、公証役場で「公正証書」にする必要があります。

公正証書で設定しなかった場合、理由に関係なく、「事業用定期借地権」の効力は無効です。

ところが、仮に公正証書で作成しなかった場合であっても、「事業用定期借地権」は成立しないものの、普通借地権が設定されたこととして取り扱われるケースがあります。

普通借地権が設定されたことと取り扱われる場合、契約期間終了後も、正当な事由がない限り借地契約が更新されてしまうため、賃貸人側で事業用定期借地権を設定する場合には特に注意が必要です。

「一定の期間が経過したら返してほしい」と考えている土地の賃貸人としては、貸した土地が半永久的に返らない、という予想外の不利益を受けることになりかねないからです。

また、公正証書を公証役場に作成しにいく前に、合意ができた段階であらかじめ覚書を締結しておくのが安全です。

5.2. 【ポイント②】賃貸借契約の目的

「事業用定期借地権」を設定する場合には、契約書に、その「事業用定期借地権」の設定目的が「事業」にあることを明記する必要があります。

「事業の用に供する建物の所有を目的とする」という文言を入れることを忘れないようにしてください。

「事業用定期借地権設定契約」においては、居住の用に供する建物の所有を目的とすることは認められません。

よって、「居宅・店舗」と表示されるような建物や、共同住宅や社員用などの建物の所有を目的とする場合に、「事業用定期借地権設定契約」を締結できませんので、気をつけてください。

5.3. 【ポイント③】契約期間の定め

契約期間が終了する時期を確定的に定めることは必須です。

終了をする時期を定めなければ、いたずらに賃貸人と賃借人間の法律関係が不安定としてしまうからです。

5.4. 【ポイント④】特約を設けるかどうかについて

存続期間「10年以上30年未満」と存続期間「30年以上50年未満」の両者の差異は以下のとおりです。

「10年以上30年未満」の場合には、以下の事項が自動的に適用されます。

  • 更新がないこと
  • 建物築造による存続期間の延長がないこと
  • 建物買取請求権がないこと

これに対して、「30年以上50年未満」の契約期間を定めた場合には、上記3つの事項は、事業用定期借地権設定契約書において特約を定めない限り、適用されません。

そこで、存続期間「30年以上50年未満」の事業用定期借地権設定契約を締結する際に、「契約期間満了後は契約を更新したくない。」「建物の再築による存続期間の延長をしたくない。」「建物買取請求権を認めたくない。」と考える場合には、事業用定期借地権設定契約書の中に、これらの特約を記載することが必須です。

5.5. 【ポイント⑤】強制執行認諾文言

賃貸人の側に立つ企業にとっては、「強制執行認諾文言」を「事業用定期借地権設定契約書」の規定に盛り込むことが大変重要です。

なぜなら、この規定があると、賃借人による賃料未払いなどがあった場合に、裁判で判決を得ることなく、賃借人の財産を差し押さえることができるからです。

6. 事業用定期借地権の登記が対抗要件となる

事業用定期借地権であることは、登記をすることによって、当事者以外の第三者に対しても対抗することが可能となります。

例えば、底地の貸主が、貸主に無断で底地を譲渡してしまったケース、事業用定期借地権の借主が、貸主に無断で建物を譲渡してしまったケースで、この登記による対抗力が問題となります。

登記費用は、通常は借主、貸主の折半によることとなりますが、力関係によって異なる負担となることがあります。

7. まとめ

今回は、企業経営においてよく登場する事業用定期借地権設定契約書の作成について、基本的な事項を解説しました。

契約書の作成は日々行われる、企業法務・顧問弁護士業務におけるごく基本的な業務ではありますが、今回解説した事業用定期借地権設定契約書の場合には、事業の中心となる不動産のための契約であるなど、御社の経営にとって非常に重要な意味を持つケースが多いといえます。

そのため、最大限の注意を払って契約を締結すべく、専門家のアドバイスを事前に受けておくべきでしょう。

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