当事務所の弁護士は、多くのベンチャー投資案件、ベンチャー企業の法律問題について、ベンチャーキャピタル(VC)およびベンチャー企業の双方の立場から、法的アドバイスを行ってまいりました。
これまでの経験に基づいて、ベンチャーキャピタルの顧問弁護士がご提供するサービスの内容と、そのようなサービスを提供する弁護士に求められる能力・素養について、まとめました。
「顧問弁護士」の法律知識まとめ
ベンチャーキャピタル(VC)の顧問弁護士サービス
ベンチャーキャピタル(VC)として活動されている会社には、必然的に、多くの法律問題が起こり得ます
まず初めに、ベンチャーキャピタル(VC)の顧問弁護士として、当事務所がご提供するリーガルサービスをまとめました。
ベンチャーキャピタル(VC)向けの法務に特有な問題だけでなく、会社法その他の会社経営にかかわる基本的な企業法務についても、全般的にご対応させていただけます。
投資契約書・株主間契約の作成、レビュー
ベンチャーキャピタルがベンチャー企業に出資をする際には投資契約書を締結するのが通常です。投資契約書には、一般的に、以下のような事項が定められます。
投資契約書を締結するにあたり、類似の契約書を多く作成・契約書チェックしてきた経験とノウハウをもとに、適切なアドバイスがご提供できます。
- 投資の基本条件(株式の種類、数、株価)
- 会社の運営に関する事項(取締役やオブザーバーの派遣、事前同意事項、情報開示など)
- 株式の譲渡に関する事項(共同売却権、強制売却権など)
- 投資回収に関する事項(株式買取請求権、みなし清算条項など)
また、出資をするにあたり、他の株主との取り決めが必要な場合には、株主間契約を締結する必要があります。
株主間契約書を作成・締結する際には、投資対象となるベンチャー企業への出資額や出資割合に応じて、適切にリスクをコントロールできる内容の契約を締結する必要があります。
ベンチャーキャピタルの顧問弁護士は、投資契約・株主間契約の作成、レビューや、契約締結交渉のサポートを行います。
種類株式・新株予約権付社債等の設計・発行
ベンチャー企業への出資でよく用いられる形式の1つが種類株式です。
イグジットや清算に対処するための配当や残余財産分配における優先権の付与、種類株主総会における拒否権の付与などを目的として、種類株式が活用されています。
種類株式の活用により、起業家と投資家、そして投資家間の利害関係を調整できますが、発行要項が複雑化しがちです。そのため、内容の有効性や妥当性、設計の矛盾がないことの確認を、弁護士などの専門家がレビューすることが必要です。
近時のベンチャー企業への投資では、種類株式のほか、新株予約権付社債(CB)、J-KISS(有償新株予約権)、みなし優先株なども活用されています。
ベンチャーキャピタルの顧問弁護士は、会社法・金融商品取引法などの関連法や投資実務も踏まえ、これらの投資手法に関するアドバイスや契約書の作成・レビューを行います。
投資スキームの検討
ベンチャー投資では、単純に新株の発行を受けるのがもっともシンプルなケースですが、対象会社の状況に応じて、ベンチャーキャピタルからの投資が可能な状態に整えることが必要な場合もあります。
例としては、次のような投資スキームがあります。
- 特定の事業を切り出して新会社とするスキーム
- 株主構成をととのえるために株式を移転するスキーム
- 貸付金を株式へと転換するスキーム
いずれの場合であっも、ベンチャー投資や会社法実務に精通した弁護士による、会社法や金融商品取引法などを踏まえた十分な検討が必要となります。
投資先のデューデリジェンス(DD、適法性チェック)
ベンチャー投資を行う場合には、投資先についてのビジネス、財務、税務、人事、法務などの観点からのデューディリジェンス(DD)が必要となります。
法務面で重大な問題があれば、将来のイグジットに支障が生じたり、事業の継続性に影響が生じる可能性があります。また、そこまでに至らない場合でも、問題点の解消方法や投資契約書への反映方法についての検討が必要となります。
ベンチャー投資では、投資金額を勘案したコスト意識が求められます。
また、ベンチャー企業への投資を検討する際には、法務面で全く問題のないベンチャー企業の方が珍しいともいえるため、「相場観」のある弁護士による効率的なDDと発見された問題点についての分析が欠かせません。
ファンドの組成・運営
ベンチャーキャピタル(VC)がファンドを組成する場合には、投資事業有限責任組合法に基づく投資事業有限責任組合契約を締結するのが一般的です。
組合契約の作成にあたっては、関係法令に留意することは当然として、報酬や分配に関する規定、投資ルール、有限責任組合員の同意を要する事項など、出資者間で事前に協議した条件が正しく反映されているか、検討漏れの事態がないかなどを慎重に確認する必要があります。
GPや一部のLPとの取引の可能性がある場合には、利益相反への対処方法も考える必要があります。
また、実際に運営するにあたっては、投資を巡る日々の法律問題や、利益相反取引その他投資事業有限責任組合契約で定められた事項について、弁護士のアドバイスを求めながら対応する必要があります。
イグジット戦略(バイアウト・IPO等)のサポート
ベンチャーキャピタルにとって、収益化が非常に重要であることを、当事務所は理解しています。
投資先のM&AやIPOの場面における出資者としての方針は、当該案件の投資スキームや投資契約の内容、出資比率などを勘案して検討することが必要です。
ベンチャーキャピタルの顧問弁護士は、投資契約の内容を十分に踏まえた上で、ベンチャーキャピタルが利益の最大化を図れるよう、採りうる選択肢についての適切なアドバイスを行います。
投資先ベンチャーの法務サポートもお任せください
ベンチャーキャピタル(VC)は、投資実行後、投資先から継続的に情報を収集するとともに、事業計画に沿った事業運営と成長を実現できるようにアドバイスと支援を行っています。
ベンチャー企業では日々様々な課題が生じますが、その中には法務、労務、知的財産など法的問題も含まれます。
当事務所では、ベンチャーキャピタル(VC)に特有の問題を顧問弁護士として解決するだけでなく、一般的な企業法務にも、広く精通しています。
ベンチャーキャピタルの顧問弁護士サービスでは、投資先の法律問題に関しても、ご担当者様からの相談に応じてアドバイスを行います。また、ご紹介によって投資先ベンチャー企業に対する直接のアドバイスを行うことも可能です。
ベンチャーキャピタル(VC)法務に最適な弁護士とは?
弁護士の良し悪しの基準もさまざま考えられますが、ベンチャー法務、ベンチャーキャピタル向け法務サービスを提供する弁護士に求められる素養があります。
ベンチャーキャピタルの顧問弁護士は、ファンドの組成・運営に関するご相談や、投資契約・株主間契約の作成・レビューに関するご依頼にお応えするだけでなく、投資先企業からの回収や紛争が生じた場合の対応、さらには投資先企業における法律問題についても対応できる必要があります。
当事務所は、ベンチャーキャピタルに対する法的サポートのみならず、投資先ベンチャー企業の法律問題についての支援も行う「ベンチャーキャピタル向け顧問契約」をご提供しております。
ベンチャー法務の豊富な経験・ノウハウ
ベンチャー法務では、投資スキームの検討や投資契約の条件交渉、契約のドラフティングなどにおいて、豊富な経験に基づく「勘所」を意識した契約交渉と、複雑な契約書を読みこなす「緻密さ」が求められます。
また、新しいビジネスを事業とし、日々成長するベンチャー企業においては、これまでにない法律問題が発生することも多々あり、それに対処する弁護士には、幅広い契約や法律問題に対応してきた「経験」と目前の問題に対する深い「洞察力」が求められます。
当事務所は、キャピタル側、出資受け入れをするベンチャー企業側、いずれに対しても、顧問弁護士をはじめとして多くの法務サポートをしてきた経験があります。
スピード対応・レスポンスの速さ
ベンチャー法務では、投資検討の場面では、投資スケジュールに沿って、契約書の修正に要する時間も考慮しながらスピード感をもって契約書の作成、レビューを行うことが求められます。
また、投資後も、投資先で発生した法律問題の解決や、投資回収の場面など、時間を意識した対応を求められる場面が多く存在します。
ベンチャー企業の成長と同じように、ベンチャー法務にたずさわる弁護士にも、スピードが求められると考えます。
他士業との緊密な連携
ベンチャー投資やベンチャー企業に関わる問題は、法律のみならず、税務・会計、労務、知的財産など、幅広い分野にわたります。
当事務所では、多岐にわたるベンチャーキャピタルおよびベンチャー企業のニーズに応えるため、他士業や幅広い業種の専門家と緊密に連携し、スピード感のある真のワンストップサービスを目指します。
海外投資の法務経験
近年では、日本のベンチャー企業、スタートアップであっても、海外に進出したり、海外マーケットでの活躍を見据えて事業拡大をすることが増えています。
また、国内ベンチャー企業への投資であっても、外国籍ファンドを経由した投資も増えています。
当事務所では、海外取引や海外投資案件、海外ファンド経由での投資案件などにも経験を有する弁護士が、ベンチャーキャピタルの幅広いご要望にお応えします。
知的財産のノウハウ
爆発的な成長を目指すベンチャー企業にとって、知的財産(特許権・商標権・意匠権・著作権など)の管理とそれを戦略に生かすことは必要不可欠になっています。
ベンチャーキャピタル(VC)としても、投資先の価値を見極めるにあたって、保有するIPの価値、知的財産権の譲渡・ライセンスなど、知財戦略が重要
当事務所には、弁理士経験をもつ弁護士が在籍しており、特許を含む知的財産権に関するご相談にもお応えすることができます。
「ベンチャー法務」は、弁護士にお任せください!
今回は、ベンチャーキャピタルの顧問弁護士として、当事務所が提供するサービスの内容と、VC向けの法務サービスを提供する弁護士に求められる能力・素養について、弁護士がまとめました。
当事務所では、多数のベンチャー投資案件、ベンチャー企業案件に携わった弁護士が、他士業や専門家と連携しながら、ベンチャーキャピタルとベンチャー企業に対する法務サポートを行っております。
ベンチャーキャピタル向けの法律顧問(顧問弁護士)サービスは、ぜひ当事務所にお任せ下さい。
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