会社破産

会社破産(法人破産)の手続きの流れ【弁護士解説】

経営が行き詰まり、資金繰りが苦しくなったとき、借金を免れるための手段として、「会社を破産させる」という手段があります。「会社破産」または「法人破産」といいます。

会社を経営してきた社長にとって、会社(法人)を破産させてしまうことは「我が子を手放す」に等しく「断腸の思い」でしょう。従業員(社員)に対する責任を感じる方も少なくないでしょう。しかし、会社破産(法人破産)は「悪いこと」ではなく「再出発」です。

いざ会社を破産しようとしたとき、「どういった手続きをとる必要があるのか」「破産手続きの流れに不安がある」「代表者(社長)は責任を取らなくていいのか」といった不安、疑問がある方も多いかと思います。

今回は、会社破産(法人破産)の手続きの流れと、会社代表者(社長)がすべき準備について、弁護士が解説します。

「会社破産と経営者の対応」の法律知識まとめ

会社(法人)の破産手続きの流れ

会社(法人)の経営がうまくいかず、破産を検討している会社経営者の方は、まずは破産手続の全体の流れを理解しておきましょう。

会社破産(法人破産)は、個人の破産に比べて複雑な手続きであり、書類作成や証拠収集が煩雑なため、弁護士に依頼することが多いです。そうであっても、当事者である社長自身が破産手続全体の流れを理解することで、よりスムーズに準備を進めることができます。

法人の破産手続は、通常、次の流れで進みます。

  1. 破産を申立てる準備をする(弁護士への依頼など)
  2. 破産の申立てをする
  3. 破産手続開始決定がされ、管財人が選任される
  4. 財産の清算が行われる
  5. 債権者集会
  6. 配当
  7. 破産手続が終了する

会社(法人)を破産させる手続を、専門家である弁護士に依頼した場合には、上記の破産手続きはいずれも、弁護士に代わりに行ってもらうことができます。

以下で、上記の会社の破産手続の流れについて、弁護士が順番に解説していきます。

【Step1】弁護士へ相談・依頼する

会社の業績が悪化して資金繰りが苦しくなり、法人破産を決意したときは、まず「破産の申立て」とその準備を、弁護士に依頼します。

会社の代表者(社長など)であれば、破産法上、自分だけで会社の破産を申立てることもできます。しかし、会社破産(法人破産)の申立てのためには、多くの書類を漏れなく作成し、提出する必要があるため、専門家である弁護士に依頼したほうが、確実かつスピーディに進めることができます。

また、弁護士に破産申立を依頼すれば、東京地方裁判所などが採用する「少額管財制度」を利用でき、より低価格で破産手続を進めることができるケースも少なくありません。

弁護士による法律相談・事情聴取

弁護士が、初回の法律相談で事情聴取する内容は、次の通りです。

事情聴取の事項は多岐にわたりますが、それだけ、法人破産を申し立てる際には、裁判所に伝えなければならないことが多いことを意味しています。法人破産の実績豊富な弁護士であれば、会社の規模・業種・業態にあわせ、注意すべきポイントを中心に事情聴取を進めることができます。

  • 業績悪化に至る事情
    :業績悪化の兆候を示した時点と、そこから破産に至るまでの経緯・理由など
  • 債権者に関する事項
    :債権者数・総債権額・債権者の種類(金融機関か、一般債権者か)など
  • 法人代表者の連帯保証の有無
    :連帯保証している債権の額・債権の種類・法人代表者の今後の生活計画など
  • 法人財産に関する事項
    :法人財産(資産)の額・種類(現預金か不動産か)・担保設定の有無・換価可能性など
  • 法人所在地の不動産を賃貸しているかどうか
    :賃貸の有無・賃料額・敷金返還請求権の有無など
  • 法人が雇用する社員に関する事項
    :社員の有無・雇用形態・給与債権の額・破産に必要となる人員確保など

特に、次の点は、弁護士であれば事情聴取の際に指摘する事項ですが、自分で申立てを行う際には注意が必要となります。

注意ポイント

  • 「法人の負債」には、金融機関からの借入だけでなく、「買掛金」「リース物件の債務」「未払給与・未払退職金」などが含まれること
  • 「法人の資産」には、現預金・不動産だけでなく「生命保険」「証券・株式」「売掛金」などが含まれること

相談時の持参資料

弁護士に、法人破産(会社破産)に関する相談をするとき、自分の会社のことといえども、全ての情報・数字を細かく記憶してはいないことが多いのではないでしょうか。

万が一の見逃しがないよう、弁護士に相談する際には、次のものを持参していくことがお勧めです。初回相談時の持参資料をまとめておきます。

会社に関する資料
  • 商業登記簿謄本
  • 定款
  • 取締役会決議議事録
  • 決算書(直近2期分)
債務(負債)に関する資料
  • 従業員に関する資料(社員名簿・賃金台帳・就業規則・雇用契約書)
  • 債権者からの請求書
  • リース物件の契約書
  • 事務所の賃貸借契約書
財産(資産)に関する資料
  • 預貯金通帳(写し)
  • 所有不動産の登記全部事項証明書
  • 保険証券
  • 有価証券

ただし、業績悪化を理由とする破産申立ては、一刻を争うことが多いです。そのため、必要書類の収集のために時間がかかりそうな場合には、まずは相談を優先するほうがよいです。

というのも、弁護士が受任通知を送付した後は、債権回収(債務の支払)を一旦ストップさせることができ、その期間を利用して破産申立ての準備を進めることができるからです。

【Step2】破産申立の準備をする

会社が破産手続きを申し立てるためには、申立て前に準備をしておかなければならないこと数多くあります。むしろ、「破産手続きの申立前の準備がきちんと行えているか」が、申立後にスムーズに進め、免責までこぎつけられるかの結果を左右します。

会社破産の申立て前の準備には、一定の時間がかかります。

そのため、「破産をしよう」と検討をしている会社経営者は、「これ以上会社経営を継続できない」という状況に陥るよりは一方手前で、弁護士に法律相談して破産の準備をお進めください。

受任通知の送付

破産の申立てを弁護士に依頼すると、弁護士は、「破産手続において弁護士が会社を代理すること」を連絡する書面を、債権者全員に対して送ります。これを、専門用語で「受任通知」といいます。

債権者に受任通知が届いた後は、弁護士が、債権の取立てや請求の窓口となってくれます。

そのため受任通知の送付後は、会社は債権者からの直接の取り立てや請求を受けなくなります。「受任通知」には、「受任を知らせる」だけでなく、「債権の取り立てをストップする」という効果があるのです。

毎月返済していた金額を会社内にプールしておくことができるようになるため、この期間に貯めたお金を、破産申立て費用や予納金など、手続に必要な費用に充当します。

参考

弁護士に依頼して「受任通知」を送付してもらえば、債権者からの請求が止まるため、ひとまず破産申立の準備の時間をとることができます。

しかし、会社の破産を債権者に通知すると、状況によってはかえって債権者の強引な債権回収を誘引し、混乱を招く恐れがあります。

そのため、ケースによっては、受任通知の送付を遅らせて対応することもあります。

提出資料の収集

「会社破産(法人破産)の申立て」について依頼を受けると、弁護士は裁判所に対して提出する「申立書」「財産目録」などの作成に着手します。

そのため、会社(法人)の代表者は、弁護士に対し、破産となってしまうまでの事情を話す必要があり、また会社の財産や契約関係についての資料を渡す必要があります。

破産を依頼した弁護士に渡すべき具体的な資料には、例えば次のものがあります(初回相談時に持参すべき資料と同様のものをご準備ください。)。

会社に関する資料
  • 商業登記簿謄本
  • 定款
  • 取締役会決議議事録
  • 決算書(直近2期分)
債務(負債)に関する資料
  • 従業員に関する資料(社員名簿・賃金台帳・就業規則・雇用契約書)
  • 債権者からの請求書
  • リース物件の契約書
  • 事務所の賃貸借契約書
財産(資産)に関する資料
  • 預貯金通帳(写し)
  • 所有不動産の登記全部事項証明書
  • 保険証券
  • 有価証券

債権者の調査

破産手続を弁護士に依頼すると、弁護士は、会社の「債権者一覧表」を作成し、裁判所に提出する必要があります。

そのため、会社の代表者(社長など)は、弁護士と協力して「債権者一覧表」を作成します。

「債権者一覧表」に漏れがあって、配当を受けられない債権者が出てきてしまった場合などには、破産が認められなくなってしまうおそれもあるため、慎重に作成するようにします。

「債権者一覧表」は、弁護士から送付した受任通知に対する債権者からの回答によって、適宜修正を加えます。

社員の解雇・賃貸借契約の解約

会社(法人)が破産する場合には、雇用している社員は解雇することとなります。そのため、破産申立前の準備の段階で、破産手続きに必要となる社員以外は、解雇をすることとなります。

あわせて、既に事業活動が停止している場合には、事務所の賃貸借契約について解約の申出をします。

これらの事前準備手続きについても、弁護士が代理して行うことができます。

参考

会社の業績悪化を理由とする解雇のことを、「整理解雇」といいます。いわゆる「リストラ」のことです。

日本では「解雇権濫用法理」というルールにより解雇は厳しく制限されており、「整理解雇」の場合には、「整理解雇の4要件(①業務上の必要性、②解雇回避努力義務、③人選の合理性、④手続の適正)」を満たさなければ、解雇は無効となります。

会社破産(法人破産)をするのであれば、「整理解雇の4要件」を問題なく満たす有効な整理解雇となりますが、まだ事業を継続できる可能性がある場合には「解雇が許されるかどうか」について、慎重な検討が必要です。

【Step3】破産の申立てをする

破産手続について、会社が弁護士に依頼すると、弁護士は「破産手続申立代理人」として会社に代わって申立を行います。

破産申立てをするときには、「破産申立書」のほか、多くの必要書類を裁判所に提出する必要があり、弁護士は会社の代表者(社長など)にヒアリングをしながら書類作成を行います。

破産手続を申し立てるときに、弁護士が裁判所に提出する資料は次のものです。

破産申立の必要書類
  • 破産申立書
  • 報告書
  • 陳述書
  • 財産目録
  • 債権者一覧表
  • 税務申告書及び決算報告書
  • 委任状
  • 法人の商業登記簿
  • 取締役会議事録又は取締役全員の同意書
負債・資産などの疎明資料
  • 預貯金通帳(過去2年分の写し)
  • 決算書(直近2期分)
  • 総勘定元帳・売掛台帳・現金出納帳など
  • 法人所有不動産の不動産登記簿謄本・固定資産税評価証明書
  • 法人事務所の賃貸借契約書
  • 有価証券の写し
  • 訴訟継続中の場合、訴訟関係資料
  • 法人名義の生命保険証書・解約返戻金計算書
  • 法人所有車両の車検証・価格査定書
  • 社員の雇用契約書・賃金台帳

なお、破産手続のときに必要な書類は、会社の状況や裁判所によっても異なる場合があるため、詳しくは、依頼をする弁護士の指示にしたがって収集するようにします。

申立書と必要書類、疎明資料が揃ったら、弁護士が裁判所へこれらを提出し、破産手続きの申立てをします。

【Step4】破産開始決定

弁護士が破産の申立てを行い、破産を開始すべき財産状況にあることを裁判所が認めると、裁判所は2週間程度で「破産手続開始決定」を下します。

「破産開始決定」がされないケースとして、「破産手続開始申立棄却事由」がある場合があげられます。例えば、「手続費用の予納が困難なとき」「不当な目的で破産申立をしたとき」などです。

「破産手続開始決定」と同時に、裁判所は「破産管財人」という、破産する会社の財産を管理する弁護士を選任します。「破産管財人」が選任されると、財産の管理処分権は破産管財人に移り、会社自身であっても、自分の財産を管理・処分できなくなります。

破産の申立て後、破産管財人の事務所で、申立代理人弁護士、会社の代表者とともに三者面談をして、打ち合わせを行うことが通常です。

参考

「破産管財人」とは、裁判所から選任される弁護士であり、破産をする会社(法人)の財産が適正に債権者に分配されるよう、監督する役職のことです。

会社破産の申立代理人である弁護士とは、別の弁護士が選任されます。

会社破産(法人破産)は、会社の債務を帳消しにする制度であるため、適正・公平に運用されなければならず「財産隠し」などを取り締まる必要があります。この点で、裁判所に代わって財産を管理し、経営状況をチェックするのが、破産管財人の役割です。

【Step5】会社財産の清算(売却)を行う

「破産開始決定」がされると、申立代理人弁護士、会社の代表者、破産管財人の三者で、会社の財産の清算についての打ち合わせを行います。

会社の代表者は、申立代理人の弁護士とともに、会社の資産や負債状況について、破産管財人に説明し、「免責の必要性」を認めてもらうこととなります。

破産管財人は、会社の財産や届出債権などの調査を行い、会社の財産を債権者に配当するため、金銭に変えていきます。

破産会社の代表者も、申立代理人弁護士のアドバイスを聞きながら、破産管財人の業務に協力し、免責を目指します。

【Step6】債権者集会

破産手続開始決定の後、しばらくして、裁判所から債権者集会の期日を指定されます。

債権者集会は、破産する会社(法人)の債権者と裁判所に対して、破産せざるをえなくなった事情、会社の資産状況などを説明する手続きです。

会社の代表者(社長など)は、申立代理人の弁護士と協力して、破産に至るまでの事情や会社の財産状況を整理し、債権者に説明する必要があります。

債権者集会は、例外的に開かれない場合もあります。

債権者集会は通常1回で終わりますが、1回目で不十分とされた場合は2回以上開催されることもあります。なお、実務的には、債権者が参加しないことも多く、その場合は、申立代理人の弁護士、裁判官、破産管財人、会社の代表者の4名で打ち合わせを行います。

【Step7】債権者への配当・破産手続きの終了

「債権者への配当」とは、債権者と債権額を特定し、破産管財人が会社の財産(資産)をすべて換価した後に、債権者に対して会社の財産(資産)を分配する手続きです。

「配当」は、債権者に対して、会社に残存する財産(資産)を「平等」に配当するのが原則です。つまり、「債権額に応じて分配される」ということです。

破産管財人の判断で、破産手続きの途中で「中間配当」が行われるケースもあります。

参考

配当は、債権額に応じて平等に行われることが原則です。しかし、次の場合には、均等に配分が行われないことがあります。

  • 抵当権などの担保権がついた債権
    :優先的な回収が認められており、配当が優先的に行われます。
  • 財団債権(破産手続開始前3か月の給料など)
    :法律上特別に保護されている債権であり、破産手続とは関係なく、会社の財産から優先的に支払われます。

配当が終わると、破産手続は終了します。配当をする会社財産が存在しない場合、「異時廃止」の手続により、破産手続きが終了します。

破産手続が終了すると、会社(法人)は消滅します。会社の消滅とともに会社が負っていた債務はすべて消滅します。

会社(法人)の破産手続きにかかる期間

会社破産(法人破産)の手続きにかかる期間は、一般的には、「6か月~1年」程度です。

弁護士への法律相談から、破産申立までの期間 3か月から6か月程度
破産手続開始決定から、破産手続き終了までの期間 3か月から6か月程度

ただし、破産する会社が事業を継続しているケース、会社の債権者数が多いケース、換価・配当すべき財産があるケースでは、一般的なケースより期間が長くかかることがあります。

破産手続きにかかる期間を短縮するためには、できる限り早めに弁護士に相談していただき、債権調査・財産調査をスピーディに進めることがポイントです。

会社(法人)の破産手続きにかかる費用

会社破産(法人破産)に必要となる費用には、主に、「申立代理人の弁護士に支払う費用(弁護士費用)」と「裁判所に支払う費用(予納金・実費)」があります。

会社の規模、債権者数や負債の金額によって異なりますが、一般的に必要となる費用について、弁護士が解説します。

なお、破産手続きにかかる費用が準備できない場合でも、一旦債務の支払をとめて分割支払いをする方法があります。

参 考
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弁護士費用

会社(法人)の破産手続きを依頼するときにかかる弁護士費用は、「60万円~100万円」程度が一般的です。

申立代理人に支払う弁護士費用は、負債総額(債権額)と債権者数に応じて見積もることが一般的です。債権者数が多く、債権額が大きいほど、弁護士の業務量が増加することが予想されるためです。

なお、代表者個人の破産も同時に行う場合、合計でかかる弁護士費用は、「80万円~120万円」程度が一般的です。

裁判所に支払う費用(予納金・実費)

会社(放任)の破産手続きを行うとき、裁判所に支払う費用には「予納金」「官報公告費用」があります。「予納金」は、破産管財人の報酬に充当されます。

必要となる費用は、裁判所によって異なりますが、東京地方裁判所の「少額管財」の場合には、「予納金」が最低20万円、「官報公告費用」が1万2830円とされています。

会社(法人)の破産手続きを弁護士に依頼するメリット

最後に、会社(法人)の破産手続きを、弁護士に依頼するメリットについてまとめておきます。

個人の破産とは異なり、会社(法人)の破産手続きでは、弁護士に依頼する会社がほとんどではありますが、まれに自分でやろうと考える方もいます。

しかし、会社破産(法人破産)はとても複雑な手続きであり、不十分な知識で進めると、結果的に損をしてしまうおそれもあります。破産手続きに必要となる費用を準備できない場合を除いては、弁護士に依頼することがお勧めです。

豊富な法律知識に基づくサポート

法人破産(会社破産)の裁判手続きはとても複雑で、注意点も多くあります。また、申立ての際に提出すべき必要書類も多く、収集に時間をかけていては破産の本来の目的を見失いかねません。

また、裁判所とのやり取りや、破産管財人である弁護士とのやり取りには、破産に関する法律知識が必要となります。

会社(法人)の破産手続きを弁護士に依頼すれば、これら全ての手続きの流れを、弁護士に任せることができます。

会社の債務・財産の状況によっては、法律相談することで「会社破産(法人破産)」以外のよい立て直し案をアドバイスしてもらえる可能性もあります。債務整理(任意整理)、民事再生、会社更生などの会社を継続する案や、特別清算などその他の清算方法の検討が可能です。

債権者対応を一任できる

法人破産(会社破産)では、債権者への対応が必須となります。債権者の中には、金融機関から取引先、一般の方や従業員(社員)などがいます。

中には、頻繁に問い合わせをしたり、破産に強く反対をしたり、嫌がらせをしたり、取り付け騒ぎを起こしてしまうこともあり、対応には慎重にならなければなりません。

弁護士が受任通知を送ることによって、債権者からの全ての連絡を、弁護士を窓口として受けることができ、会社への直接の連絡を止めることができます。これにより、債権者対応の失敗により、破産が円滑に進まなくなる万が一の事態を回避できます。

債権者、裁判所、破産管財人に対して破産状況の説明をする機会である「債権者集会」にも、弁護士が必ず同席します。免責に反対する債権者に対しても、適切な説明を行います。

取引先・従業員の混乱を回避できる

1つの会社が破産をする場合に、その会社からの売上をあてにしていた会社が「連鎖倒産」を起こしてしまうケースがあります。そのため、取引先に破産の意向を伝えるときは、特に注意が必要です。

従業員(社員)についても、破産をして職を失い、生活の糧を失うことはとてもショックの大きいことです。

そのため、取引先や従業員が混乱しないよう、破産手続きを開始するときには、法的な説明を正確に行わなければなりません。

参考

会社破産(法人破産)によって解雇される社員に対して、未払い賃金が存在する場合には、「未払賃金の立替払い制度」を利用することが考えられます。

この制度は、労働者健康安全機構(旧労働者健康福祉機構)が行う制度であり、一定の要件を満たした場合には、未払い賃金の最大8割までの立替払いを受けることができます。

弁護士に破産手続きを依頼いただくことで、弁護士が会社にかわって従業員に対してこの制度の利用を説明し、未払い賃金をできる限り減らし、従業員の混乱をおさえることができます。

少額管財制度を利用できる

東京地方裁判所などでは、弁護士が申立代理人となる小規模な破産について「少額管財手続」を利用することができます。

「通常管財」の場合、会社破産(法人破産)の際に裁判所に支払う予納金は、「60万円」が原則です。一方で、「少額管財手続」の場合には、予納金は「最低20万円」とされています。

しかし、「少額管財手続」を利用できるのは、小規模な破産であり、破産管財人の負担が少ないと裁判所が判断する場合に限ります。そのため、この制度を利用してかかる費用を下げるためには、事前の準備・調査を十分に尽くして、裁判所に「少額管財手続」を利用して問題ないことを主張しなければなりません。

費用面のデメリットは小さい

会社(法人)の破産手続きを弁護士に依頼する場合、デメリットとしては「弁護士費用がかかる」という点があげられます。

しかし、実際には、会社破産(法人破産)をしてしまうということは、会社に現金・預貯金を残しておいたとしても、すべて債権者に配当されてしまいますから、節約する意味はあまりありません。また、残余財産が存在する場合には、それを売却することで弁護士費用、裁判所に支払う費用(予納金・実費)を捻出できます。

したがって、「弁護士費用がかかる」というデメリットは非常に小さく、限定的です。

「会社破産」は、弁護士にお任せください!

今回は、会社の経営がうまくいかず、破産を検討される会社経営者(社長)に向けて、会社破産(法人破産)の基本的な流れについて、弁護士が解説しました。

会社(法人)の破産は、一般的には弁護士に任せることが多いため、経営者(社長)自身が、複雑な書類の作成、資料の収集を自分で行う必要はありません。しかし、具体的な手続きの流れを理解しておくことで、しっかりと備えることができ、心配ごとが減るのではないでしょうか。

一方、業績悪化が理由で会社の破産を検討している場合、「そもそも破産すべきか」「他の債務整理による立て直し方法もあるのではないか」を検討する必要もあります。

企業法務を得意とする弁護士に、お早目にご相談ください。

「会社破産と経営者の対応」の法律知識まとめ

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