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不動産 契約書

施主に企画提案する建設会社が、注意すべき設計契約の4ポイント

更新日:

施主から設計をお願いされる場合、施主サイドとしては、「ちょっと企画提案してほしい。」「ちょっとだけ設計を見せてほしい。」といった程度で考えてしまっていることが多いのではないでしょうか。

しかし、施主が考えている業務量と、設計会社が行う実際の業務量とは、大きくかけ離れていることがむしろ多いといえます。

このようなケースで、最終的に「設計契約」を結んで報酬をもらえる場合はよいですが、むしろ、途中で施主の気が変わり、設計契約を締結してもらえず、報酬ももらえないというケースも少なくありません。

完全に無償、営業での提案であればよいですが、実際には口頭での設計契約が成立していたといえるケースもあります。

今回は、施主に企画提案する建設会社が、設計段階で注意しておくべき設計契約のポイントを、企業法務を得意とする弁護士が解説します。

1. 施主に業務を理解してもらう

まず第一に、施主サイドに、設計会社の業務を説明し、理解してもらうことが重要です。

というのも、営業にかたよった態度で施主に対する対応を行うと、施主サイドとしても、次のような気持ちを抱くのではないでしょうか。

  • 提案された設計の内容を何度修正しても、実際に採用するまでは無料である。
  • 営業目的で無料の提案を受けている。
  • 設計作業はあまり作業量が発生しない業務なので無料で可能である。

しかし、これらの施主サイドの考え方が大きな誤りであることは、当然ご理解していただけているでしょう。

施主サイドに理解を求めるためのいくつかの方法を、順に解説していきます。

1.1. 契約書を締結する

まず、契約書を締結しないうちに、実際に報酬をいただきたいと考えている業務を行わないことが大原則です。

口頭の約束であっても「設計契約」は成立しますが、いざ報酬が支払われなかったときに、「報酬の約束があった。」という建設会社側に有利な証拠は、契約書があることが一番です。

しかし、ハウスメーカーの中には、設計の提案は無料で行う会社も多いため、契約書を作成して報酬の約束をしない限り一切提案しないという強気の営業では、ビジネスチャンスを失います。

そこで、有料となる範囲を説明した上で契約をするのがよいでしょう。

契約書を複数回交わすことも問題なく、最初の契約書で、有料、無料、それぞれの業務の範囲を明確に記載しておけば、ビジネスチャンスを失わず、かつ、有料となる範囲は報酬をいただくことが可能です。

1.2. 業務の流れを説明する

施主に対して、設計業務を行う流れを、明確に説明しておきましょう。その上で、どの部分から料金がかかるのかについても、理解を求めておきます。

例えば、設計管理業務の流れは次の通りです。

  • 初回相談
     設計図などの資料をもとに、間取り、費用などについての施主の要望を聞き取る。
  • 企画提案
     簡単な平面図から、詳細な断面図などを順に提案する。
  • 再提案、修正
     さらに、この段階で予算や工程、スケジュールなどの提案をする。
  • 調査
     最終的な設計を行うにあたり、提案内容の設計が可能かを調査する。
  • 設計管理

ホームページに、いつから料金がかかるのか、どのような流れで業務が進むのかを記載しておくことで、施主サイドにも具体的なイメージを持ってもらうことができます。

すべての人がホームページを隅々まで読み込んでくれるわけではないものの、「詳しくはホームページを見てほしい。」と誘導することができます。

1.3. 期限もしくは回数制限を設ける

無限定な提案の要望、修正の要望を避けるためには、企画提案の「期限」か、もしくは「提案数の回数」に制限を設けることがオススメです。

また、設計の提案を有料とする場合には、設計の提案1件あたりにつき報酬額を設定するとよいでしょう。

ただし、いずれの方法であっても、施主からのクレームの素とならないよう、きちんと事前説明をし、理解を求めておくことが重要です。

2. 本契約締結前の覚書

「設計管理契約」を締結する前に、提案段階でも一定程度の報酬を受け取ることを予定している場合には、事前に「覚書」を作成しておくとよいでしょう。

「設計管理契約」より前に締結する覚書は、あくまでも覚書であって簡潔な内容であることから、施主サイドにも、調印を受け入れてもらいやすいというメリットがあります。

これによって費用を明確にし、報酬の未払が生じないようにしておきます。

設計契約前に締結すべき覚書の内容は、例えば次のような事項です。

  • 企画提案業務の範囲
     覚書で委託する業務の範囲を明確にします。どのような内容を提案することとなるのか、限定しておきましょう。
  • 報酬の発生
     上記の業務について、報酬が発生する場合には、どの業務にいくらの報酬が発生するか、明確にしておきましょう。
  • 報酬の充当処理
     最終的な設計管理契約を結んだ場合に、今回支払った報酬が、設計管理契約の報酬に充当されるのかどうかを明確にしておきましょう。
  • 期限
     企画提案業務の期限がある場合、それ以降は設計管理契約を結ばない限り提案を続けないことを明確にしておきます。
  • 中途解約
     中途解約が可能な場合には、その条件と、解約時にお預かりした資料を返還する旨を記載しておきます。

なお、この段階で、設計管理料がある程度予想できる場合には、だいたいの設計管理料の相場を記載しておくとよいでしょう。

あとからまとめて高額の請求を行うと、「こんなに高いとは思っていなかった。」というクレームが発生し、施主サイドとのトラブルの火種になりかねないためです。

3. 瑕疵担保責任の免責は認められない

設計契約や覚書を締結するとしても、「瑕疵担保責任」や「債務不履行責任」など、設計会社として負うべき責任を免除するような契約書は、無効となるおそれがあります。

というのも、「消費者契約法」という消費者保護のための法律に、次のような規定があるからです。

 消費者契約法8条1項 

次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
① 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項
② 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項

したがって、設計会社の責任を免除する規定を契約書につくる場合には、「設計会社に故意又は重大な過失がある場合を除き」という限定をする必要があります。

4. 設計契約を締結せずに業務が完了した場合

「設計契約」を締結せずに企画提案業務を行ってしまった場合であっても、注意すべきポイントは多く存在します。

特に、このような場合には報酬を支払ってもらえなければもはや諦めるしかないと考えている建設会社も多いでしょうが、必ずしもそうではありません。

4.1. 報酬請求を諦めない

「設計契約」を締結しなかった場合に、設計者が施主に対して、報酬を請求したとしても、施主が、「無料だと思っていた。」「営業を受けていただけだ。」といった理由で報酬の支払を拒否するケースは少なくありません。

裁判例で、「報酬請求権が発生するかどうか。」は、次の要素をもとに検討されています。

  • 施主と設計者が、報酬に関する打ち合わせを行ったか。
  • 設計者が現地調査、法律調査を行ったか。
  • 設計者が図面の作成を行ったか。
  • 施主と設計者が、図面にもとづく打ち合わせを行ったか。
  • 設計者が行政機関との協議を行ったか。
  • 設計者が施工者との打ち合わせ、見積もり、見積もり依頼を行ったか。

そして、これらの基準にしたがって一定の業務を行っていた場合には、「報酬はいらない。」といった合意をしていない限り、商法512条にもとづいて相当な報酬を支払うべきとした裁判例もあります。

したがって、有料となるような一定の業務を行っていた場合は、たとえ施主から報酬の支払を拒否されたとしても、報酬の請求をあきらめてはいけません。

ただ、このようなケースでは、「相当な報酬」をどのように定めるかが争いとなりますから、無用なトラブルを避けるためにも、設計契約や覚書で、報酬の発生をしっかりと合意しておくに越したことはありません。

4.2. 設計提案を悪用されないための事後処理

「設計契約」を締結してもらえなかった場合には、設計図、提案資料などを返却するとともに、提案した内容での設計をしない旨を約束しておくようにしましょう。

「設計契約」を締結せず、提案をさせるだけさせておいて、提案内容を利用して安価な業者に作らせようという、問題のある施主がいる可能性があるためです。

このようなことを避けるためにも、念のため、「設計契約」を締結する前に覚書を作成すべきなのです。

5. まとめ

今回は、設計・管理を担当する建設会社、設計会社が、設計契約の前後でお悩みのポイントについて、弁護士が解説しました。

設計提案について、すべて有料で、契約書を締結しない限り業務を行わないとすれば、ビジネスチャンスを逃すことともなりかねません。

しかし一方で、際限なく無料での提案を続けたり、もらうはずであった報酬の支払を得られなかったりすることもまた問題です。

設計契約・覚書を適切に結んでおくことが一番ですが、そうでなくても、報酬請求をあきらめるべきではないケースもあります。

設計契約や報酬の未払いにお困りの建設会社の経営者の方は、企業法務に強い弁護士に、お気軽に法律相談ください。

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