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人事労務

タバコ休憩は不公平?「喫煙者」の賃金と、休憩の多い社員への対応

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タバコ休憩がやり玉にあげられることがあります。

タバコを吸うかどうかは個人の趣味趣向であるため、どうしてもタバコ休憩をしない「非喫煙者」から、タバコ休憩をする「喫煙者」に対し、「不公平だ!」という不平不満が生まれやすいためです。

従業員は、会社に雇用されている以上、業務時間中は、会社の業務に集中しなければなりません。

しかし、ずっと仕事だけをしているというわけではなく、食事をしたりトイレにいったりすることも当然あります。タバコの場合、食事やトイレと違って、そもそもタバコを吸わない人がいるため、問題化しやすいのです。

今回は、タバコ休憩について、「喫煙者」と「非喫煙者」の不公平感を生まないような、会社の適切な対応について、企業の労働問題を得意とする弁護士が解説します。

1. なぜタバコ休憩が問題になるの?

なぜタバコ休憩が問題になるのか、それは、タバコが嗜好品であり、「非喫煙者」にとってみれば、タバコ休憩は、たださぼっているようにしか見えないからです。

しかし一方で、「タバコを吸わなければ仕事に集中できない。」、「タバコはトイレと一緒で、仕方ないもの。」という喫煙者の意見もあります。

そこで、タバコ休憩がどの程度許されるのか、問題となる労働法の基礎知識について、まず解説します。

1.1. 「職務専念義務」とは?

タバコ休憩が許されるのか、それとも違法なことなのかどうかは、「職務専念義務」という、労働法の専門的な考え方をまず理解しなければなりません。

「職務専念義務」とは、業務時間中、労働者として雇われている社員は、会社の仕事だけに集中しなければならないという義務のことをいいます。

1.2. 職務専念義務の例外

「職務専念義務」があるとはいえ、業務時間中、常に仕事をしているというわけではありません。人間の集中力はそれほど長く持ちませんし、仕事以外なにもしてはいけないとすると、生活にも支障が生じます。

そのため、業務に支障のない常識的な範囲であれば、トイレにいったり、スマホを見たり、ストレッチをしたりといった、業務以外のことを行うことができます。

今回のタバコ休憩も、喫煙者の考え方からすれば、この「職務専念義務」の例外の1つである、と考えることとなります。

1.3. 過度なタバコ休憩のデメリット

タバコ休憩が、「職務専念義務」の例外として許されるとしても、あまりに過度なタバコ休憩をとる社員は、会社として非常に問題があります。「問題社員」と言わざるを得ないでしょう。

タバコ休憩の多すぎる従業員を放置することによって、会社が被るデメリットについて、弁護士がまとめてみました。

1.3.1. 非喫煙者の不公平感

まず、今回のテーマでもある、「非喫煙者の不公平感」というデメリットがあります。

喫煙者ばかりがタバコ休憩をとって、その分仕事をせず、給与は同じというのでは、非喫煙者が不公平に感じ、全体の士気、モチベーションが低下するおそれが高いといえます。

喫煙は業務ではありませんから、あくまでも「職務専念義務」の例外として、常識的な範囲で認められるに過ぎません。

1.3.2. 労働密度の低下

過度なタバコ休憩は、非喫煙者との間の問題だけでなく、喫煙者にも悪影響です。それが、業務効率の低下による人件費の無駄遣い、という問題です。

「タバコを吸うと集中できる。」という喫煙者もいますが、タバコを吸いに外にいかなければならない等によって、業務を頻繁に中断することとなり、労働密度が低下します。

特に、タバコに対する風当たりが強くなり、社内の分煙、禁煙が進んでいる最近では、タバコを吸うために社外や喫煙スペースに移動する喫煙者の手間は、ますます増えています。

1.3.3. 残業の長時間化

業務時間中にタバコを吸うことによって、業務を進めるスピードが落ちます。

また、タバコを吸って休憩をしながら同僚と雑談をすることも多くなり、その結果、ダラダラ残業を助長し、長時間労働となります。

休憩は自由に利用できるため(休憩自由利用の原則)、休憩中のタバコは自由ですが、昼休みしか吸えないのでは辛い喫煙者も多いことでしょう。

2. タバコ休憩に対する会社の適切な対応

ここまでお読みいただければ、タバコ休憩に対して会社が何も対応しないことによって、会社の経営に大きな悪影響を与えかねないことは、十分ご理解いただけたのではないでしょうか。

そこで次に、タバコ休憩、特に、タバコ休憩の回数、頻度が非常に多い「問題社員」がいる場合に、会社として、経営者として行うべき、適切な対応を解説します。

喫煙することは、憲法上の「人格権」として保障されていますが、「完全に自由」ではなく、他の人に迷惑をかける場合など、一定程度の制限は当然許されます。

2.1. タバコ休憩時間の賃金を控除する

労働法の考え方の中に、「ノーワークノーペイの原則」というものがあります。つまり、働いていない時間は、賃金を支払わなくてもよい(控除できる)ということです。

タバコ休憩をしている時間は働いていないと考えれば、「タバコ休憩時間に相当する賃金を控除する。」という対応が検討できます。

これにより「タバコ休憩ばかりしているのに給与が同額で納得いかない。」という非喫煙者の不公平感を拭い去れるからです。

しかし、裁判例の中には、「労働時間」の基本的な考え方を示した上で、タバコ休憩をしている喫煙中の時間も、「労働時間」にあたり、賃金を払わなければならないと判断したケースもあります。

 参考 

裁判例で、賃金を支払うべき「労働時間」とは、「使用者の指揮命令下に置かれた時間」を意味するとされています。

つまり、社外や喫煙スペースで喫煙をしている時間は、誰にも指示を受けていないように見えながら、緊急事態や命令、指示があればいつでも仕事をしなければならないという意味では、「指揮命令下にある」とも評価できるわけです。

この考え方からすると、「労働時間」でない場合とは、会社から命令をすることができず、完全に労働から解放された状態を意味することとなります。

2.2. 喫煙者の賞与を減額する

賃金の控除が、「タバコ休憩が労働時間にあたるか。」という非常に難しい問題を考えなければならないのに対して、「賞与を減額する。」という対応策があります。

「賞与」は、会社の評価や業績、能力などの総合考慮によって支払うものとされていることが一般的だからです。

「喫煙者は全員賞与なし。」のような不合理な区別は違法となるおそれが高いですが、あまりにタバコ休憩が多く、業務効率が悪すぎる「問題社員」は、賞与の減額によって対応することができます。

2.3. 喫煙者を懲戒処分とする

タバコ休憩を制限するにあたって、タバコ休憩をする社員に対して「懲戒処分」を下すことは可能でしょうか。

懲戒処分が有効であるかどうかは、「合理性」と「相当性」が必要とされているため、悪質なタバコ休憩であれば、懲戒処分とすることが可能です。タバコ休憩に懲戒処分を下してよいかは、次の事情をもとにご判断ください。

  • タバコ休憩の回数、程度
  • 1回のタバコ休憩の時間
  • タバコ休憩をとるタイミング
  • タバコ休憩の動機
  • 非喫煙者の社員、業務への配慮や、休憩後の態度

あまりに悪質なタバコ休憩であれば、会社の秩序を乱すことが明らかですから、制裁(ペナルティ)として懲戒処分を検討してください。

ただし、「懲戒解雇」などの厳しい処分とすることはできません。

2.4. タバコ休憩のルールを作る

悪質なタバコ休憩に対して注意指導をしたり、懲戒処分をしたりする前提として、「どのようなタバコ休憩がいけないのか。」について、会社の考えを示しておく必要があります。

具体的には、タバコ休憩のルールを作ることです。検討すべきタバコ休憩のルールは、例えば次のとおりです。

  • タバコ休憩の回数を常識的な範囲に制限する。
  • タバコ休憩をするとき、上司に声をかけることとする。

会社として、経営者として明らかにしたタバコ休憩のルールは、社員との間の雇用契約の内容とするとよいでしょう。

雇用契約書に定める方法もありますが、全社に統一的に適用されるルールですから、就業規則にさだめ、周知徹底しておくことをオススメします。

2.5. 非喫煙者にも休憩を与える

以上の対応策は、いずれも、喫煙者にデメリットを与えることで、非喫煙者の不公平感を解消するための対応法でしたが、次は、非喫煙者にもメリットを与えることによる方法を紹介します。

それが、「非喫煙者にも、喫煙者のタバコ休憩と同じだけの休憩を与える。」という方法です。

適度なタイミングで、業務時間中にこまめな休憩を与えることは、集中力低下を防ぎ、業務効率を上げることにもつながります。これは、非喫煙者でも喫煙者でも変わりません。

また、休憩は「自由利用」が原則ですから、タバコを吸っても、それ以外の休憩をしても構いませんし、評価にも賃金にも影響しません。

 注意! 

休憩を与える場合の注意点として、労働基準法では、休憩は「一斉に与える」ことがルールとされています。

そのため、タバコ休憩の時間を決めた上で、時間を指定して一斉に与える必要があります。例外として、労使協定によって一斉休憩を与えないことを定めることは可能です。

また、この「休憩を与える」方法による解決策は、休憩を与えるわけですから、自由に利用させなければならず、会社がタバコ休憩中に業務命令をしたり、緊急対応をさせたりしてはいけません。

2.6. そもそも喫煙者を採用しない

そもそも、喫煙者を採用しなければ、非喫煙者との不公平感など起こりようもありません。

「喫煙者を採用しない。」ということも、対応策として検討可能です。

「差別だ。」という考えもあるでしょうが、会社には「採用の自由」があるため、誰を採用し、どのような理由で採用基準を定めるかは、法律違反とならない限り会社の自由です。

 参考 

「喫煙者は採用しない。」と決めている会社が、採用の際、「タバコを吸うかどうか。」について質問することもまた、「調査の自由」として認められています。

3. やってはいけないタバコへの対応

最後に、タバコ休憩に対して会社として対応するにあたっては、やってはいけない禁止行為、違法行為があります。それが、「タバコを吸う社員は解雇」というものです。

タバコ休憩に対して過敏に反応し、やりすぎてしまえば、逆に、喫煙者の労働者から、労働審判や訴訟などで、会社の責任を追及されてしまうおそれもあります。

喫煙行為は、非喫煙者にとっては不快な行為でしょうが、喫煙者にとっては、憲法上の「人格権」の内容として、つまり、「権利」として認められているものです。

また、タバコ休憩がそれほど多くなく、会社の業務にも支障を与えないのであれば、「タバコを吸ったら解雇」という対応は、「不当解雇」として会社が訴えられるリスクのある危険な対応です。

4. まとめ

今回は、よく問題となる「タバコ休憩をする喫煙者は、働く時間が少なくて不公平だ。」という問題について、弁護士が解説しました。

タバコ休憩のトラブルについて、会社として、経営者として何も対応せずに放置するとなると、会社全体の士気にも影響し、業務効率の低下にもつながりかねません。

タバコ休憩に対する適切な対応を理解し、会社としての考え方を明確にしてください。非喫煙者の不公平感をなくすとともに、喫煙者に効率的に業務をおこなってもらい、人件費の無駄をなくしましょう。

会社内のルールや「問題社員」への対応について、お悩みの経営者の方は、企業の労働問題を得意とする弁護士に、お気軽にご相談ください。

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