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契約書

業務委託契約書の作成と、簡単にできる契約書チェックのポイント

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「業務委託契約書」は、企業として最も目にする契約書の一つです。

「業務委託契約」は企業活動において実に様々な分野で用いられています。

「業務委託契約」の相手方が作成してきた「業務委託契約書」について、適切な法律知識に基づいて、時間をかけて契約書チェックを行っている会社はどれだけあるのでしょうか。

企業を経営している経営者の中でも、顧問弁護士がついている会社はまだまだ少ないのが実情です。

「業務委託契約書」の書式・雛形に頼った契約のドラフト作成しかしていない会社、契約の相手方から出された「業務委託契約書」のチェックを適切に行っていない会社も少なくありません。

「業務委託契約」の締結にあたり、自社で「業務委託契約書」を主体的にチェック・作成することが会社のビジネスを成功に導く第一歩といっても過言ではありません。

今回は、「業務委託契約書」のチェック・作成にあたり、企業や会社がどこを見落としがちなのか、という観点から「業務委託契約書」について、企業法務を得意とする弁護士が解説します。

1. 業務委託契約書は?

「業務委託契約書」のチェックをする前提として、「業務委託契約書」の意味と、「業務委託契約書」に似ている他の契約形態との違いについて十分理解してください。

1.1. 業務委託契約書の定義

企業の経営において必須となる「業務委託契約書」ですが、この業務委託契約書でいう「業務委託契約」とはどのような契約でしょうか。

「業務委託」という言葉はよく聞きますが、実際にどのような契約形態なのか詳しくは知らないというのが正直なところではないでしょうか。

そもそも「業務委託契約」という契約自体は法律に定められているわけではありません。この点で、売買契約などの典型契約とは異なります。

「業務委託契約」とは、企業が行う業務を、外部の第三者に委託する契約です。別名「アウトソーシング契約」ともいいます。

1.2. 業務委託契約以外の契約との違い

自社の業務を外注するために締結する契約は、みな「業務委託契約」と呼ばれているといっても過言ではないため、様々な内容の「業務委託契約」が存在します。

例えば、企業の経営において業務委託契約が締結される場面として、次のようなケースがあります。

  • 物の製造を委託(OEM 製造委託)
  • コールセンター業務の外注化
  • ソフトウエアの更新・保守業務
  • 介護・医療分野における外注化

「業務委託契約」によって外部の他社に業務を任せることを「外注」といいます。「業務委託契約」による「外注」という形態は、企業としての規模が大きくなれば大きくなるほど需要が高まります。

委任契約(民法656条)・準委任契約・請負契約(民632条)の性質を有するもの、あるいはそれらの混合の性質を有するものなどが挙げられます。

したがって、「業務委託契約書」という表題の契約書であっても、業務委託の性質によっては法的効果が大きく異なることがあるので、企業や会社としては、「業務委託契約書」のチェック・作成の際には、より慎重な対応が必要となるのです。

1.3. 委託者側・受託者側いずれであるかに注意!

「業務委託契約書」をチェック・作成しようとする場合には、まず自分の企業が「委託者側」であるのか「受託者側」であるのかを念頭に置く必要があります。

なぜなら、委託者側と受託者側で「業務委託契約書」に定めておくべき内容が異なるからです。

インターネットなどで見つかる雛形やダウンロードできる「業務委託契約書」の書式は、委託者側か受託者側かを区別いないものがほとんどです。

そのため、雛形をそのまま使うと、委託者・受託者のいずれが有利な書式であるかがわからず、思わぬ不利益を被る可能性があります。

本来であれば、委託者者側では有利な立場に立つために必要な規定もありますし、反対に不利な立場になるため不要ないし修正すべき規定があります。

「業務委託契約書」のチェック・作成にあたっては委託者側と受託者側で共通して注意すべき条項、委託者側か受託者側いずれの立場に立つかにより、異なる注意を要する条項があります。

「業務委託契約書」のチェック業務を弁護士が行う場合には、委託者・受託者のいずれであるかによって、弁護士のアドバイスは異なります。

2. 業務委託契約書のチェックで注意すべきポイント

企業法務・顧問弁護士業務を多く取り扱う弁護士として、会社が「業務委託契約書」のリーガルチェックをするとき注意してほしいポイントを解説します。

実際、会社の顧問弁護士として、数多くの「業務委託契約書」のチェックや作成をしていますと、多くの企業が見落としがちな点や、内容として不十分になりがちな点が明らかになってきます。

2.1. 委託する業務の内容・範囲を明確にすること

「業務委託契約書」を作成した後、実際の業務委託契約の遂行の場面においてよく相談を受けるトラブル・紛争事例として、次のようなものが多くあります。

  • 「遂行されている業務が依頼したはずの内容と違う。」
  • 「その範囲は業務委託契約書で依頼を受けている内容には含まれていない。」
  • 「依頼した仕事をしていないので代金は支払わない。」

業務委託契約にまつわる紛争が起こるのは、そもそも委託者側が、受託者側に対して、どの範囲の業務を委託したのかについて、「業務委託契約書」上で明確になっていないため、委託者側と受託者側との間の認識が異なっていることに問題があります。

受発注当事者間の認識のずれは、当時者同士の話合いで解決すればよいのですが、訴訟にまでなってしまった場合には紛争が拡大します。

2.1.1. 受託者側のポイント

受託者側としては、「業務委託契約書」で約束した仕事を完成させたということを、自社側で立証する必要があり、そうしなければ敗訴してしまいます。

すなわち、受託者側は、「業務委託契約書」において業務の内容と範囲を明確化しておかなければ、大きなリスクを負うことになるのです。

したがって、「業務委託契約書」をチェック・作成する場合、「業務委託契約書」における、業務の内容・範囲をできるかぎり明確に記載することが必要です。

2.1.2. 委託者側のポイント

委託者側としても、委託した業務の内容と範囲が明確でなければ、責任追及が困難となるケースも少なくありません。

委託者側としてはここまではやってほしい、受託者側としてはこれ以上のことはやらない、ということが明らかとなるので、両者双方にとって重要な条項です。

したがって、委託者側であっても、「業務委託契約書」における、業務の内容・範囲をできる限り明確にすることを要求すべきです。

2.1.3. 弁護士によるアドバイス

業務の内容・範囲を明確にすることは、委託者、受託者のいずれであっても重要であることは十分理解していただけたのではないでしょうか。

しかし、実際には「業務委託契約書」を結ぶとき、依頼する業務内容の詳細までは決まっていない、契約当事者自体もあえてその点を曖昧にしたままで「業務委託契約書」を締結することが多くあります。

トラブルを防止するため、「業務委託契約書」を結ぶときにはっきりしなかった委託業務の内容について「業務委託契約書」の条項として確実に盛り込むことが必要です。

業務委託契約当初には想定していなかった業務が追加された場合に備え、業務内容を記載した条項に、下記のような規定をおくことが考えらます。

 条項例1 

「その他、甲乙間で別途合意した業務」

あるいは、付随する細かな業務について、「業務委託契約書」で全て列挙することが困難な場合もあるでしょう。

そのような場合には、下記の規定も検討されます。

 条項例2 

「前各号に定める業務に付随する業務」

2.2. 業務遂行上の義務を明確にすること

「業務委託契約書」において、特に受託者が注意すべき義務を定めておくことが重要です。

そのため、業務遂行上の注意に関する規定は、特に委託者側で「業務委託契約書」を作成・チェックするとき、是非入れておきたい条項です。

「業務委託契約書」の前半部分で、条文の項目を(業務遂行上の義務等)として委託者側が受託者側に対し善管注意義務を負うことを規定しておくとよいでしょう。

 条項例3 

「乙は、本契約に定められた各条項を誠実に遵守し、善良なる管理者の注意をもって本件業務を遂行する。」

これにより、誠実に業務を行わない受託者に対し、委託者側が、「業務委託契約書」に基づいて責任追及をしやすくなります。

「業務委託契約書」を交わす場合、各業界ごとに監督官庁の告示・通達など、業界ならではの自主ルールが存在するはずです。

そこで、法令等を受託者側が遵守することを求める条項を「業務委託契約書」上に定めます。

2.3. 偽装請負に注意すること

「業務委託契約」によって外注化を行う際に、特に注意しておかなければならないのが「偽装請負」です。

形式的には「業務委託契約」としていても、実態としては労働者の供給であり、受託者の従業員が委託者の指揮命令下にあるような場合を「偽装請負」といい、違法行為です。

「偽装請負」とならないためには、実態が重要であり、特に、受託者側の従業員が長期的に委託者側のオフィスや事務所で業務を行うといった場合には、「偽装請負」と判断されないように注意する必要があります。

「業務委託契約書」上も「偽装請負ではないか?」という疑問を抱かれないために、責任者や連絡窓口を定める条項を置き、現場での直接の指揮命令がされていないことを明記することが考えられます。

「偽装請負」の問題が生じないようにするため、あるいは「偽装請負」とまではいかなくても連絡体制を確立しておくことにより、後々の不要なトラブルを防止するための規定です。

2.4. 報酬の設定を明確にすること

業務委託契約の当事者間で、報酬の問題についてトラブルとなるケースは非常に多いといえますから、報酬の設定を明確にしておきましょう。

業務委託契約の報酬に関し、業務委託契約書の定め方としてまず考えられるのは、定額報酬とする方法です。

ただ、必ずしも定額の報酬を定めなくとも、報酬が業務委託契約書の記載から一義的に計算できれば問題ありません。

報酬の定め方には、例えば次のようなケースがあります。

  • 定額報酬
  • レベニューシェア(売上や収入を当事者間で予め取り決めた比率に従って分配する方式)
  • タイムチャージ(作業時間・拘束時間に応じて報酬を支払う方式)

したがって、業務委託契約書上、委託する業務の性質に応じて、適切な報酬・料金を定め、その支払期日、支払方法を明確に規定しておく必要があります。

 参考 

「報酬」の定めで忘れがちなのが、消費税の問題です。

「業務委託契約書」に記載された報酬・料金等が税込金額であるか、税別金額であるかを明確にする必要があります。

報酬・料金等が高額になればなるほど当然、消費税も上がっていきますので、トラブルを回避するためにも明確化しておきましょう。

2.5. 再委託が可能かを明らかにすること

委託側としては通常、受託者自身に委託業務を行っててもらうことを期待していることが多いといえます。

そのため、「再委託」が可能か、それとも禁止かを、「業務委託契約書」の記載から明らかとなるような条項が必要となります。

もっとも、業務の内容によっては、そもそも再委託が想定されている場合、再委託が絶対に禁止される場合もあります。

再委託が可能な場合には、委託者が、再委託者に対して遵守させるべき義務も記載しておくケースも少なくありません。

2.5.1. 委託者側のポイント

委託者としては受託者自身による業務遂行を期待している場合が多いため、委託者側の立場で「業務委託契約書」を作成・チェックする場合には、この点を契約書に反映しなければなりません。

具体的には、再委託には事前の書面による同意が必要である旨を明記しておくのがよいでしょう。

また、再委託を許す場合には、再委託先の一切の行為について受託者が責任を負う旨を契約書に明記する必要があります。

これも後々のトラブル防止にとって大切なことです。

2.5.2. 受託者側のポイント

受託者側としては、自由に業務を再委託できることとしておくことが有利な場合が多いといえます。

ただ、委託者側は自由な再委託を望まない場合も多いことから、なかなか受託者側の要望が受け入れてもらえないことがあります。

そのような場合には、業務委託契約締結時点での具体的に再委託先があるのかどうかの検討をします。

具体的に再委託先が予定されている場合には、「業務委託契約書」とは別に、その再委託先に対する委託は例外として許容される旨の書面等を委託者から取得しておくという手法も考えられます。

例外的な手法をとる場合には、後に争いとなった時の証拠となるよう、口頭ではなく、書面等で証拠化しましょう。

2.6. 成果物の知的財産権に注意すること

「業務委託契約書」によって定められた業務委託を遂行するにあたって、受託者が成果物を出すことが予定されている場合があります。

例えば、コンサルタント業務や、探偵や興信所等による調査業務においては報告書やレポートの作成が求められることも多くあります。

受託者が委託者に対して成果物を作成することを予定している場合には、「業務委託契約書」上、作成する成果物の権利が問題となります。

特に重要となるのが、知的財産権(著作権、特許権など)です。

なお、成果物が予定されている場合には、納入期限、納入場所、納入方法、検査期間等について規定しておく必要があります。

2.6.1. 委託者側のポイント

委託者となる会社の中には、「成果物の知的財産権は、業務委託契約を締結している以上当然に取得できる。」と勘違いしている企業も少なくありません。

しかし、委託料を支払っているからといって、「業務委託契約書」に全く定めておくことなく、委託した業務に伴って発生した知的財産権が、委託者に当然に移転するわけではありません。

したがって、委託者としては、知的財産権の帰属が自分にあると考える場合には、そのような有利な解決となるよう「業務委託契約書」に定めておく必要があります。

 参考 

なお、著作権については、著作権法27条(翻案権)、28条(二次的著作物に関する権利)に規定する権利については、特に記載しておかなければ移転しないと著作権法に定められているため、注意が必要です。

著作権譲渡について、「業務委託契約書」の条項例を示しておきます。

 条項例4 

「本件業務の遂行によって生じた成果物について、全ての著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む)を譲渡する。」

また、著作者人格権は、契約によっても移転しないので、受託側は、著作者人格権を行使しない旨を定めておく必要があります。

 条項例5 

「本件業務の遂行によって生じた成果物について、著作者人格権はこれを行使しない。」

2.6.2. 受託者側のポイント

受託側としては、委託側とは反対の立場ですので、「業務委託契約書」上、知的財産権は一切移転しないとしておくことが最も有利です。

しかし、現実的にはこのような規定は、業務委託契約のチェック・作成の過程で、委託側に受け入れられないことが多いのが実情でしょう。

そもそも、受託側には知的財産権に関し、使い道がない、不要である場合も少なくありません。

そこで、「業務委託契約書」上、原則として知的財産権は、委託側に移転するとした上で、例外的に、受託側に留保する必要はないのかを検討します。

具体例としては、業務委託より前から有していた知的財産権、あるいは、他の案件にも流用できる知的財産権は、委託者に移転せずに留保される旨、「業務委託契約書」に規定しておくことが考えられます。

2.7. 個人情報や秘密情報の取り扱いに注意すること

「業務委託契約書」を締結して外注化する場合、委託側の会社としては、受託者に対して、多くの企業秘密、個人情報を提供しておかなければならないケースが少なくありません。

というのも、自社に存在する業務のうちの一部を、他社に任せるわけですから、自社内の情報をある程度与えておかなければ、業務が円滑に遂行できないからです。

個人情報保護法や各種のガイドライン等により、個人情報の取扱いに関して慎重な対応が要求されています。

「業務委託契約」の内容によっては、「個人情報」を多く取り扱うこともありますので、「業務委託契約書」のチェック・作成の過程で、個人情報の取り扱いについて慎重に検討し、規定することが必要です。

個人情報が漏えいしてしまった場合に備えて、事後対応の規定の例を示しておきます。

 条項例6 

「受託者は、本業務に関して、自ら保管する個人情報が漏洩したことにより委託者に損害が生じた場合には、これを賠償するものとする。」

2.8. 契約の解除条項

受託側の場合は、軽微な契約違反で、直ちに契約が解除されてしまう、というのは困ります。

そこで、「相当の期間を定めて相手方に対して、その是正を求めたにも関わらず、相手方がその違反を是正しないとき」などの内容を業務委託契約書上、盛り込むのが必要です。

「相当の期間」に関しては、具体的に「○日以内」などと可能な限り明確にする方法もあります。

そして、ここでも業務委託契約書のチェック・作成の過程で、忘れがちな条項として挙げられるのが、解除により被った損害を賠償する旨の規定です。

このような場合に備えて業務委託契約書上、「前項の場合、受託者は、解除によって委託者が被った損害の一切を賠償する」などと規定する必要があります。

3. まとめ

以上の通り、業務委託契約書は、企業にとって基本的な契約書であり、書式・雛形も多く出回っているとは思いますが、御社のビジネスにあった適切な契約書となるよう、弁護士のアドバイスを受けてください。

契約書の作成・チェックを行う場合には、今回の解説を参考にしてみてください。

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