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株主総会指導を弁護士に依頼するメリットと、法令遵守ポイント3つ

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「株主総会」とは、株式会社における最高意思決定機関です。つまり、会社の重要事項は、「株主総会」が全て決定するのが原則です。

毎年行われる株主総会では、事業報告、計算書類の報告、役員の選解任、配当、合併の承認など、会社の重要事項を決定したり、報告したりします。重要な機関のため、株主総会の手続は、法律で細かく定められ、違反した場合の影響は重大です。

しかし、株主総会の重大性にもかかわらず、株主総会について弁護士の十分な指導を受けていなかったり、そもそも会社法のルールを順守する意識が薄かったりする会社もあります。

そこで今回は、株主総会を弁護士に依頼すべき理由と、企業法務に詳しい弁護士が具体的にどのような総会指導を行うのかについて、解説します。

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株主総会を適切に行うことの重要性

「株主」とは、株式会社の「株式」を持つ人のことです。株式会社では、「株式」を持つことによって、重要事項についての決定権を持つこととなっており、「株主」とは、会社の所有者のことをいいます。

株主が、重大事項を決議する場が「株主総会」ですから、この株主総会を法令を遵守して進めることが重要であることは、当然ご理解いただけるでしょう。

株主総会には、大きく分けて、次の2種類の会議があります。

  • 定時株主総会
    :計算書類の承認、事業報告、剰余金の配当等の重要事項を決定するため、毎事業年度の終了後、一定の時季に招集することを会社法上義務付けられている株主総会
  • 臨時株主総会
    :重要事項を決議する必要性に応じて、臨時に召集される株主総会

上場企業における株主総会の重要性

上場企業の役員や株主総会の担当者にとって、株主総会の重要性は説明するまでもありません。

株主総会の手続に不備があり、株主総会をやり直す事態になれば、会社に生じる費用(招集費用など)は多額になり、また、役員の責任問題にもなりかねません。

業績不振や、不祥事発生後の株主総会では、普段は全く接する機会のない個人株主も集まる場において、会社の代表者が謝罪をし、株主の厳しい批判を甘んじて受けなければなりません。

最近では上場企業を中心に、株主総会を、「株主とコミュニケ-ションを図り、会社のPRをする好機」と積極的に捉える見方も広がっています。この点からも、株主総会手続に不備がないように、慎重に準備を進める必要は増しています。

中小企業・ベンチャー企業における株主総会の重要性

中小企業、ベンチャー企業の経営者の中には、株主総会を軽視し、株主総会の議事録だけを作成し、株主間で持ち回りで確認して終了、という会社も少なくないのではないでしょうか。

しかし、方法と態様によっては、株主総会の進め方が会社法違反となり、最悪のケースでは、折角行った株主総会決議の効力が否定されるおそれもあります。

中小企業、ベンチャー企業といえども、創業株主以外の株主や、ベンチャーキャピタル(VC)等の投資家が株主となっている場合、株主総会の手続を正確に遵守しなければ、後から責任追及をされるリスクがあります。

特に、会社の経営方針をめぐって他の株主と争いが生じているような場面では、法律に定められた手続を厳格に守って株主総会を実施すべきです。

株主総会対応に不備があったときのリスク

株主総会対応に不備があった場合で、最も影響が大きいのは、株主総会が取り消されたり、無効とされるなど、株主総会の効力を否定されることです。

会社法では、「株主総会等の招集の手続き又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき」には、その株主総会決議は取り消しを請求できるとされています。

この場合、株主総会の取消訴訟・無効確認訴訟に対応するための弁護士費用がかかり、さらに、会社が敗訴すれば、株主総会をやり直すためのコストと時間もかかります。

また、上場企業では、株主総会の効力が否定される事態となることは非常に少ないため、万が一そのような事態が生じれば、マスコミでも報道されることになり、会社の社会的評価(レピュテーション)も著しく低下します。

弁護士に株主総会指導を依頼するメリット

株主総会が重要であることをご理解いただいたところで、株主総会の運営を、弁護士に依頼する場合のメリットについて、弁護士が解説します。

株主総会の運営についての基本的なルールは、「会社法」という法律に定められているため、法律の専門家である弁護士の指導を仰ぐことが効果的です。

中でも、企業法務に詳しく、大小さまざまな規模の会社の株主総会を指導した経験のある弁護士に、ご相談いただくことが有益です。

株主総会をスムーズに運営できる

株主総会の指導を弁護士に依頼することによって、株主総会をスムーズに運営することができます。

株主総会の進め方には様々な方法があり、質疑応答や議論を限定して短時間に済ませる、いわゆる「しゃんしゃん総会」の他、質疑応答の時間を十分に確保するケースも増えています。

会社の業績や状況、出席する株主の種類や人数などに応じて、株主総会の運営のしかたを、個別に決定することが、スムーズな運営のための重要なポイントです。

決議取消のリスクを低下させる

弁護士が株主総会指導をする最大の目的は、株主総会が適法に行われるようにすることです。

さきほど解説したとおり、法令に違反した株主総会運営を行った場合には、折角取得した株主総会決議について、取消を請求されたり、無効とされたりするリスクがあります。

ところが、株主総会のルールは、「招集通知を送り、決議要件を満たす」という最低限の理解では足りず、説明義務を果たし、適切な動議対応を行う等、株主総会の場における微妙な法的判断が必要なものもあります。

株主総会指導を担当する弁護士は、会社法上の細かいルールも含め、会社が法令を遵守した株主総会運営をすることができるよう、指導します。

レピュテーションリスクを回避できる

株主総会は、個々の株主が経営陣に直接質問をすることのできる、開かれた場です。

株主の質問に適切な回答をすることができないなど、議事進行についての対応を誤ると、株主からの信頼を失ってしまうおそれがあります。

株主総会指導を担当する弁護士は、法令を遵守した株主総会運営をアドバイスするだけでなく、株主からの印象の良い質疑応答や議事進行の方法についてもアドバイスします。

法律知識・ノウハウを獲得できる

株主総会対応に慣れた担当者がいる場合には、スケジュール調整や、会場の準備、各種書類の準備などを、スムーズに進めて頂けることが多いです。

しかし、株主総会では、最新の法改正に関する質問、流行りのトピックに関する質問など、プロとしての弁護士だからこそ準備できるものがあります。

また、動議対応、説明義務が尽くされたかどうかの判断など、イレギュラーな場面での対応は、法的判断が求められるため、弁護士のアドバイスは欠かせません。

参考

顧問弁護士に株主総会指導を任せる会社も多いのではないでしょうか。確かに、顧問弁護士は、会社の実情をよく知るため、株主総会に立ち会うのに適任な場合も多いです。

しかし、弁護士が皆、様々な会社の株主総会指導を行った経験があるわけではありません。弁護士にも専門分野があり、顧問弁護士が、自社以外の会社(特に上場企業)の株主総会指導を行った経験があるとは限りません。

上場前からの株主総会指導を任せていた顧問弁護士が頼りないため、株主総会指導の経験豊富な弁護士を探している、というご依頼は少なくありません。

弁護士による株主総会指導の具体的内容

弁護士に株主総会へのアドバイスを依頼するときのイメージを持っていただくため、株主総会指導として、弁護士にどのような作業を依頼できるのかをご説明します。

実際に弁護士が株主総会指導を進める場合には、これらの中から、会社の状況に応じて、業務範囲を決定します。

株主総会のスケジュール管理

株主総会を実施する場合には、招集通知の発送時期、取締役会の開催時期、監査報告書の提出時期などのスケジュール管理が必要となります。

上場企業などの公開会社では、株主総会当日の2週間前までに招集通知を送ることが義務付けられている等、法律によって遵守すべき期限の決められているスケジュールが多くあるためです。

上場企業では、過去の経験などからスケジュールは自分たちで管理するケースが多いですが、中小企業・ベンチャー企業では、きちんと手続を行うのであれば、このスケジュール管理も弁護士に依頼することも多いです。

招集通知の作成・送付

株主総会を招集する際には、決められた期限までに、株主に対して招集通知を送付する必要があります。招集通知の期限は、次の通りです。

会社の種類 招集通知の期限
公開会社 株主総会の日の2週間前まで
非公開会社 株主総会の日の1週間前まで

招集通知に記載しなければならない事項は法律で定められているので、その内容がすべて盛り込まれている通知書を、期限までに送付しなければなりません。

株主総会指導を担当する弁護士は、招集通知の記載漏れがないか、また、記載されている内容に改善すべき点がないかをチェックします。

シナリオの作成

株主総会の本番には、議長が、事前に用意されたシナリオを読み上げる形で議事を進行するのが一般的です。

株主総会で扱わなければならない事項や、議事の進め方には法令で定められたルールがあります。シナリオを読んで進めれば、自動的にそのルールに従った議事進行になるように、あらかじめシナリオを準備しておくのです。

株主総会指導を担当する弁護士は、会社法のルールに沿った必要事項を全て盛り込んだシナリオを作成し、円滑に株主総会を進められる内容になっているかをチェックします。

想定問答の作成

株主総会では、株主から出されることが想定される質問と、その質問に対する回答案をまとめて、想定問答を作成しておくことが一般的です。

経営陣が株主の質問に対してきちんと回答できなければ、説明義務違反として、株主総会の効力が問題になる可能性もあります。

弁護士は、会社の1年間の出来事や現在の状況、業界の状況、直近の法改正、他社の株主総会の動向などをみながら、株主総会で出されそうな質問や、それに対する回答内容について、アドバイスします。

株主総会リハーサル

株主総会のリハーサルを実施することで、本番さながらに練習し、万全の体制を作るのも弁護士の役目です。

実際の会場を使って株主総会のリハーサルを行う際に、議事進行の流れや経営陣の動き、質疑応答の内容を見て、円滑な進行が図れるよう、改善点のアドバイスなどを行います。

株主総会指導を担当する弁護士が、「株主役」となって株主質問をしたり動議を出したり等して、会社の役員がきちんと対応できるかを確認することもあります。

経営陣や担当者向けのレクチャー

全体の流れを確認するリハーサルとは別に、、経営陣や担当者向けに、株主総会を運営するにあたっての基本的ルールや、質疑応答の際のふるまい方などについて、レクチャーすることもあります。

その際、その年の株主総会で特に質問が出そうな事項をお伝えし、回答のあり方について経営陣とディスカッションします。

また、議長となる予定の役員の方に対して、動議対応や、株主からの質問を差配するやり方などについて、別途説明、私道を行います。

株主総会当日の事務局対応

株主総会当日には、弁護士も事務局席に座り、質疑応答や動議への対応を行うとともに、不測の事態が生じた場合には、法律に照らしてどのように対応すべきかのアドバイスを行います。

事務局席に座る担当者を実務面でサポートするとともに、議長に安心して頂けるよう、精神的な支えの役割を果たします。

株主総会議事録の作成

株主総会議事録は、記載事項が法定されているため、弁護士が記載内容に不備がないかを確認します。その上で、株主総会の内容が正しく議事録に反映されているかのチェックを行います。

上場企業が提出する臨時報告書のチェックを行うこともあります。

「企業法務」は、弁護士にお任せください!

今回は、企業が、弁護士による株主総会指導を受けるべき理由と、弁護士が具体的にどのような総会指導を行うことができるかについて、企業法務に詳しい弁護士が解説しました。

株主総会の重大性は、大規模な株主総会を毎年開催している上場企業、大企業だけでなく、中小企業、ベンチャー企業やスタートアップ企業にも当然あてはまります。

当事務所では、多数の上場企業の株主総会指導に携わった経験のある弁護士が、株主総会の運営に関するアドバイスをいたします。ぜひ一度、ご相談ください。

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