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人事労務

退職直前・直後のボーナス(賞与)支払う必要がある?減額できる??

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6月になり、夏の賞与の時期が近づいてきました。労働者には待ち遠しい季節ですが、業績のよくない会社にとっては、賞与(ボーナス)の負担は重くのしかかります。

退職直前、もしくは退職直後の社員(従業員)がいるとき、賞与(ボーナス)を支払う必要があるのでしょうか。また、賞与(ボーナス)を減額することができるのでしょうか。

退職した後の「元社員」はもちろんのこと、既に直近に退職を控えている社員に対しても、なるべくなら賞与(ボーナス)を支給したくないと考えることでしょう。

今回は、会社が、退職直前、直後の社員に対して賞与(ボーナス)を支払う必要があるのかについて、企業の労働問題(人事労務)を得意とする弁護士が解説します。

1. 退職と、賞与の「支給日在籍要件」

退職を予定している、もしくは、退職した社員と賞与(ボーナス)の関係で、最も理解しておかなければならない重要な考え方が、「支給日在籍要件」です。

まずは、「支給日在籍要件」の基礎知識と、対応法について理解してください。

1.1. 支給日在籍要件とは?

「支給日在籍要件」とは、賞与(ボーナス)の支給日に、社員として在籍している従業員に対してしか、賞与(ボーナス)を支払わなくてもよいという会社のルールのことです。

そのため、「支給日在籍要件」がある会社では、社員(従業員)は、できるだけ賞与(ボーナス)をもらってから辞めようとする結果、今回解説する「退職予定の社員にも賞与を満額払う必要があるの?」という疑問が出てくるわけです。

1.2. 元社員と支給日在籍要件

したがって、賞与(ボーナス)に「支給日在籍要件」が付いている場合には、賞与を支給する日に、既に退職をしている元社員に対しては、賞与(ボーナス)を支払う必要はありません。

ただし賞与(ボーナス)に「支給日在籍要件」をつけるためには、賃金規程、賞与規程などの会社規程にあらかじめ記載しておく必要があります。

就業規則では、次のような定め方をします。

 第○条(支給日在籍要件) 

前条の賞与の支給日に在籍しない労働者には、賞与を支給しない。

1.3. 退職後の社員に賞与は不要

この「支給日在籍要件」を賃金規程、賞与規程などに設けている会社では、賞与(ボーナス)の支給日より前に既に退職している元社員に対しては、賞与(ボーナス)を支払う必要はありません。

賞与(ボーナス)には「算定対象期間」が設定されているのが通常ですが、「支給日在籍要件」により、この「算定対象期間」に勤務していたとしても支給することが不要となります。

なお、現在、会社の規程に「支給日在籍要件」がない場合、あらたにこの要件を設けることは、就業規則の不利益変更にあたり、「変更の合理性」もしくは「全従業員の同意」が必要となります。

1.4. 退職の理由によらない

以上で説明した「支給日在籍要件」が会社の規程に定められている場合、支給日に在籍しない社員に対して賞与(ボーナス)を支払わなくてもよいことは、退職の理由によりません。

「退職直前、直後の退職とボーナス」という今回の解説の趣旨からすると、労働者側で退職日を決められる「辞職」「合意退職」に限る話のようにも聞こえますが、それだけでなく「定年退職」などのケースでも、「支給日在籍要件」は有効とされています。

2. 賞与(ボーナス)の前払は不要

「支給日在籍要件」について、労働者にも周知徹底している会社だと、支給日よりも前に退職してしまう労働者から、「賞与の前払」を要求されるおそれがあります。

しかし、「支給日在籍要件」が会社の規程類に適切に定められている場合には、賞与の算定期間のすべてを勤務したとしても、「賞与の前払」に応じる必要はありません。

なお、退職時に未払いとなっている賃金があるときは、退職者の請求から7日以内に支払わなければならないと、労働基準法で決められています。

そのため、「支給日在籍要件」を満たし、賞与(ボーナス)の支払が必要な場合には、万が一支払をしていない場合であっても、請求が合ったら即座に対応する必要があります。

3. 退職予定の社員の賞与を減額できる?

以上のとおり、退職後の元社員から賞与(ボーナス)を請求された場合には、「支給日在籍要件」によって、賞与(ボーナス)を支払わないことができると解説しました。

これに対して、「支給日在籍要件」があったとしても、支給日直後に退職を予定している社員(従業員)に対しては、賞与(ボーナス)を支払う必要がでてきます。

そこで次に、会社として、経営者としては、直近に退職を予定している社員(従業員)の賞与(ボーナス)を減額できないか、と考えるわけですが、これはいかがでしょうか。

3.1. 退職は止められない

退職をする社員が、会社にとって非常に重要な人材であったとしても、退職自体を完全に止めることはできません。

憲法上、労働者には「職業選択の自由」が認められており、その内容として「退職することは労働者の自由」だからです。これは、「退職には会社の承認が必要」と就業規則に定めても同じことです。

労働基準法のルールでは、月給制の社員の場合、次のタイミングで、労働者が自由に退職することができるとされています。

  • 当月の前半までに退職の意思表示をした場合
    :当月末に退職が可能
  • 当月の後半に退職の意思表示をした場合
    :翌月末に退職が可能

そのため、退職がこの程度の期間で可能である以上、賞与(ボーナス)支給まで退職を隠しておき、支給直後に退職の意思表示をすることができてしまいます。

3.2. 減額するなら規程を整備

「支給日在籍要件」によっても、支給日直後に退職をする社員に対しては、賞与(ボーナス)を支給する必要があることをご理解ください。

その上で、支給日よりも前に、支給日直後の退職予定があらかじめわかっている社員に対しては、賞与(ボーナス)を減額することも可能です。

ただし、このように一定の条件、基準にしたがって賞与(ボーナス)を減額するためには、あらかじめ、就業規則、賃金規程、賞与規程などに明記し、労働者に対して周知、徹底しておかなければなりません。

なお、現在そのような規定が存在しない場合に、あらためて定めなおすことは、「不利益変更」となるリスクが高いため、減額幅を合理的な範囲にするなど、慎重に進める必要があります。

3.3. 減額の理由を説明する

退職を予定している従業員に対して、賞与(ボーナス)を減額するという場合には、その理由についても、労働者の納得が得られるようきちんと説明する必要があります。

賞与(ボーナス)は、これまで働いてきたことへの対価の後払いという性質と、今後の期待に対する支払という性質とをあわせもっています。

このうち、後者の「今後の期待に対する支払」という性質は、退職を予定している従業員にはあてはまりませんから、一定程度の減額は、労働者に納得をしてもらうことが可能でしょう。

4. まとめ

今回は、「退職後の元社員」、「退職を直近に予定している社員」のそれぞれについて、賞与(ボーナス)を支払う必要があるのかについて、弁護士が解説しました。

退職後の元社員に対しては「支給日在籍要件」をきちんと会社規程に定めておくことで対応しましょう。

就業規則、賃金規程などに不安がある会社経営者の方は、企業の労働問題(人事労務)を得意とする弁護士に、お気軽に法律相談ください。

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