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人事労務

労働条件の不利益変更が許される5条件と、リスク・デメリット

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みなさんは、「不利益変更」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。労働問題のお話で「不利益変更」といえば、会社が一方的な判断で、労働者にとって不利益な方向に、労働条件を変更することをいいます。

会社の経営を取り巻く環境は、時々刻々と変化していきますから、経営判断は、さまざまな変化に対応して行っていかなければいけないわけですが、労働者を保護する要請も重要であることから、労働条件の「不利益変更」には、一定の制限があります。

しかし、労働者の同意なく一方的に労働条件を不利益変更できないことが原則であること、不利益変更することが許されるケースが「狭き門」であることを十分理解いただかなければ、会社側(企業側)が、労働法違反による大きなデメリット、リスクを背負うこととなります。

今回は、労働条件の不利益変更の基本的な知識と、不利益変更が許されるケース、デメリット、リスクについて、企業の人事労務を得意とする弁護士が解説します。

1. 労働条件は合意が原則

労働条件は、労働者と会社(使用者)の双方の「合意」によって決まるのが原則です。そして、この合意を変更することは、労使の合意によってしか行うことはできません。

つまり、ひとたび労働条件を合意によって決定すれば、使用者といえども、労働者の意思に反して一方的に労働条件を変えることはできないのです。具体的には、労働者が会社に入社するときの、雇用契約書、就業規則などによって労働条件が決まります。

労働契約法9条には、この合意の原則が定められています。つまり、労使間において労働条件を合意する重要な規程に、「就業規則」がありますが、この就業規則を、労働者の合意によらずに会社が勝手に変更することはできないと定められています。

したがって、会社側は、はじめて就業規則を作成するときは、特に注意をして労働条件を決定しなければなりません。可能であれば、就業規則の作成を、労務問題に詳しい弁護士、社会保険労務士等に依頼することがお勧めです。

2. 不利益変更の具体例

労働条件を不利益に変更するケースの具体例としてはどのようなものがあげられるのでしょうか。

まず、最もわかりやすい例としては、決められていた賃金(給与)を、会社側の一方的な判断で引き下げることがこれにあたります。

会社からもらえる基本給、手当、退職金などの金額が減額されることは、労働者にとって不利益変更であることが明らかであり、文句も出やすく労働紛争の火種となりやすい問題です。

また、労働条件の中で特に労働者が注目するのが「お金」の問題ですが、不利益変更にあてはまるのは、必ずしも「お金」の問題だけではありません。

与えていた福利厚生を廃止してしまったり、休みを少なくして労働時間を長くしてしまったりすることも、労働条件の不利益変更となり得ます。

3. 不利益変更してもよいケース

とはいえ、会社の判断による労働条件の不利益変更が、まったく許されないわけでもありません。

労働条件の不利益変更も、就業規則の変更に合理性があり、就業規則が周知されている場合には、その変更後の労働条件は有効なものであるとされています。

このことは、労働契約法10条にルールが定められています。この場合、この「変更の合理性」「周知」という条件を満たした場合には、変更後の労働条件が、労使間の労働条件となります。

4. 変更の合理性について

労働条件を不利益変更する就業規則に、「変更の合理性」があるかどうかを判断するにあたっては、裁判例では、次の5つの要素を総合的に考慮して判断するものとされています。

  • 労働者の受ける不利益の程度
  • 労働条件の変更の必要性
  • 変更後の就業規則の内容の相当性
  • ④労働組合等との交渉の状況
  • その他の事情

そこで、労働条件の不利益変更を検討されている会社に向けて、この5つの要素について、それぞれ、どのようなことに気を付ければ不利益変更が無効となりにくいのかについて、弁護士が解説します。

4.1. 労働者の受ける不利益の程度

不利益変更によって労働者の受ける不利益の程度が、小さければ小さいほど、その労働条件の不利益変更には、「変更の合理性」が認められやすくなります。

したがって、会社側としては、仮に不利益変更をする必要があるとしても、できるだけ労働者の受ける不利益を減らす方法を考えなければなりません。

給料を減額するという不利益変更であっても、労働時間を減らしてワークライフバランスを保つとか、業績賞与の支給を増やすといった、不利益を緩和する措置を同時に検討するのがよいでしょう。

4.2. 労働条件の変更の必要性

不利益変更を行わなければならない必要性が大きければ大きいほど、その労働条件の不利益変更は、「変更の合理性」を有していると判断されやすくなります。

例えば、労働条件を不利益に変更しなければ会社が倒産してしまう危機的なケースでは、多少の不利益変更は、合理性が認められ、可能であると考えられるでしょう。

とはいえ、会社の一方的な必要性だけで労働条件の不利益変更を進めてしまわないよう、「本当に不利益変更が必要であるのかどうか。」についての客観的な判断が必要となります。

4.3. 変更後の就業規則の内容の相当性

不利益変更に「変更の合理性」があると認められるためには、変更した後の就業規則の内容もまた、相当な内容でなければなりません。

不利益変更をした結果、労働者に著しく不当なダメージを与えるような労働条件となるような場合には、「変更の合理性」は到底認められません。

会社の属する業界、業種、同規模の同業他社などの労働条件を参考に、変更後の内容が相当であるかどうかを検討する必要があります。

4.4. 労働組合等との交渉の状況

不利益変更をする前に、労働者、特に、労働組合がある場合には労働組合との間で、どの程度の交渉を行ったかについても、「変更の合理性」に影響を与える事情となります。

後述するとおり、不利益変更は、会社側にとって大きなリスク、デメリットがありますから、まずは労働者や労働組合との間で協議を重ね、合意をとる努力をすることが重要です。

そして、不利益変更への合意に向けた努力は、「変更の合理性」を認める方法で、大きな事情の1つとなるというわけです。

5. 不利益変更が認められないとどうなる?

ここまでお読みいただければ、使用者(会社)といえども、一度決まった労働条件を勝手に変更することは、認められないケースも多くあることをご理解いただけたのではないでしょうか。

就業規則によって労働条件を労働者に不利益に変更することは、労働契約法10条の条件を満たすことができれば可能であり、変更後の労働条件が有効な労働条件となります。

しかし、労働条件を不利益に変更することには、デメリットもあります。そこで、労働条件の不利益変更のリスク、デメリットについて、弁護士が解説します。

5.1. 労働紛争の原因となる

まず、労働者の同意を得ることができないままに労働条件について一方的に不利益な変更をすると、これに反発した労働者が、会社に反旗をひるがえして労働紛争となることが予想されます。

例えば、減額される前の賃金、残業代、退職金などを請求する労働審判や訴訟を起こされるケースが不利益変更のリスク、デメリットとして挙げられます。

そして、不利益変更に「変更の合理性」が認められない場合には、変更は認められないこととなり、不利益変更する前の労働条件に従って、労働者の請求する金員を支払わなければならないおそれがあります。

5.2. 士気が低下する

労働者からおこされた争いに負けなかったとしても、労働条件の不利益変更によって労働者が仕事に対するやる気を失ってしまったりすることが懸念されます。

労働紛争が起こらなくても、労働者の士気が低下し、仕事に対するモチベーションが低下すれば、会社の業績は下降してしまい、不利益変更の目的は果たせないでしょう。

5.3. 企業イメージが低下する

更には、一方的に不利益な労働条件を押し付けたことにより、会社のイメージが悪くなったり、ブラック企業との悪評を受けたりすることも考えられます。

労働審判や裁判で厳しく争えば会社が勝つことができるような、有効な不利益変更であっても、「労働者をいじめた。」「搾取した。」というイメージが強く残れば、会社の業績に悪影響となります。ブランドイメージが低下するおそれもあります。

6. まとめ

以上の通り、労働条件を不利益に変更することは、原則として許されないことを念頭に置いて、もし不利益変更を行わざるを得ない場合でも、変更前に慎重な検討を要します。

実務的には、労働条件を不利益に変更したいと考える場合には、まずは労働者との間で話し合いを行い、どうしても話し合いによる解決ができない場合であっても、一方的な不利益変更は、慎重に進めていかなければなりません。

労働条件の不利益変更をお考えの会社経営者の方、不利益変更によって労働者から労働審判、訴訟を起こされてしまった会社様は、人事労務を得意とする弁護士に、お早めに法律相談ください。

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