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人事労務

団体交渉の参加者は?出席者を選ぶ際、会社が注意すべき5ポイント

更新日:

団体交渉の参加者(出席者)は、法律上、会社・労働組合という、各当事者が自由に選択することができるものとされています。

しかし、これはあくまで法律上はルールが記載されていない、というだけです。

「戦略的」には、団体交渉の参加者(出席者)を選択する際に、注意しなければならない事実上のポイントが多くあります。

労働組合対応、団体交渉をうまく進めるためには、労働組合法などの労働法に記載されていない「戦略的なポイント」を押さえなければなりません。

行き過ぎた不適切な行為は、不当労働行為として違法となります。

今回は、団体交渉の参加者(出席者)を選ぶ際、会社が注意すべきポイントを、人事労務を得意とする弁護士が解説します。

1. 団体交渉に参加すべき出席者の検討

まず、団体交渉に、会社側として出席すべき、参加者候補ごとに検討をしていきます。

ただし、具体的に、その人が団体交渉に参加すべきであるかどうかは、最終的には、個別の団体交渉ごとのケースバイケースの判断となります。

1.1. 代表者(社長)

まず、会社の中で最も大きな決定権を持っている、代表者(社長)を団体交渉に参加させるべきか、ということについて解説します。

労働組合が、「団体交渉申入書」の中で、代表者(社長)の出席を強く要求するケースが多いですが、代表者(社長)の参加は必須ではありません。

したがって、適切な手続きに従う限り、代表者(社長)を出席させないほうが良いケースも多いといえます。

例えば、代表者(社長)が団体交渉に参加するデメリットとして、次のようなデメリットがあります。

 代表者が参加するデメリット 
  • あらかじめ設定されていなかった議題に対する即決を求められる。
  • 抽象的な要求に対する積極的な対応を求められる。
  • 経営方針などに対する意見表明を強要される。
  • 社長個人としての考えを発言するよう強要される。

中小企業の社長の場合、社内の業務のほとんどに目を配らなければならず、非常に多忙であることが一般的です。労働組合からの脅迫的な要求には、断固たる態度で臨みましょう。

ただ、「団体交渉への社長の参加は控えるべきである。」といった一律のアドバイスもまた不適切です。

話し合いで解決できる限り、労働組合との団体交渉には積極的に応じ、円滑に進めるメリットがあるからです。

一律に社長の参加を控えるのではなく、ケースバイケースの判断を尊重すべきです。

1.2. 弁護士

会社から、団体交渉・労働組合対応について委任を受けた弁護士も、団体交渉に参加、出席する権利があります。

とはいえ、団体交渉はあくまでも、会社と労働者との間の話し合いですから、労働訴訟のように、弁護士だけにすべてを任せることはできません。

あくまでも、弁護士が団体交渉に参加するのは、会社を法的にサポートする役割を果たすためであって、会社もまた、「当事者意識」をしっかり持って団体交渉に臨まなければなりません。

団体交渉に弁護士を出席させたほうがよい理由は、次の解説を参考にしてください。

1.3. 顧問弁護士

御社に、顧問弁護士がいる場合、顧問弁護士の参加も検討してください。

特に、団体交渉において個別の従業員についての労働トラブル(解雇、残業代未払いなど)が議論される場合があります。

具体的なトラブルで、その件に関するアドバイスを顧問弁護士にお願いしていた場合、顧問弁護士は、団体交渉で具体的な事実を発言すべき立場にあります。

顧問弁護士が労働問題にあまり詳しくない場合には、顧問弁護士とともに、労働問題に詳しい交渉担当となる弁護士に同席してもらうといったケースもあります。

1.4. 人事労務・総務の担当役員

会社側の団体交渉参加者の中で、最も重大な役割を果たすのが、人事労務・総務の責任者です。

代表者(社長)が参加しなくてもよいとはいえ、決定権のある人物が参加しなければ、>不誠実団交として不当労働行為であると評価されてしまうおそれがあるからです。

そこで、労働問題に関する責任者である、人事労務・総務部門の責任者を参加者とすることで、団体交渉の場にも決定権者を参加させることが可能です。

1.5. 現場責任者、直属の上司

個別の労働者に関する労働トラブルが、団体交渉の議題となるケースでは、議題となる労働トラブルの内容をよく知る人物が出席するほうが議論がスムーズに進みます。

そこで、現場責任者や、直属の上司を参加させることを検討してください。

現場責任者や直属の上司を参加させることによる団体交渉におけるメリットは、次のような点です。

 現場責任者を参加させるメリット 
  • 不誠実団交として不当労働行為となることを回避できる。
  • 事実関係について、労働組合に対して具体的な反論ができる。

ただし、現場社員を団体交渉に参加させてよいかどうかは、団体交渉においてどのような議論が予定されているかによっては、慎重な判断が必要です。

例えば、次のような議題が団体交渉で予定されている場合には、メリットを捨てでもも、現場担当者を不参加としたほうが良いケースもあります。

 現場責任者を参加させるデメリット 
  • 経営に関する秘密について議論することが予想される場合
  • 他の労働者にも波及する労働問題(残業代未払いなど)について議論することが予想される場合

1.6. 交渉担当者

ここまで解説したとおり、会社側で出席する役員や代表者、もしくは顧問弁護士などが、交渉の担当窓口を兼ねることも可能です。

ただ、団体交渉において行われる交渉は、非常に特殊な交渉です。

そのため、弁護士の協力を得ておくことは当然ですが、交渉窓口として適任な人物が社内にいる場合には、出席をさせることが考えられます。

団体交渉の交渉担当者として備えているべき能力は、次のようなものです。

  • 会社側の主張を、はっきりと、わかりやすく伝えることができる。
  • 労働組合側の主張・要求が不当な場合には、断固としてNOと強く伝えることができる。
  • 感情的にならず、冷静に議論をすることができる。

代表者(社長)の場合、労働組合との議論が白熱してくると、感情的になり、冷静な議論ができなくなる方も多くいます。

また、人事労務・総務担当者の中には、必ずしもはっきりと議論することに向かない性格の方がいらっしゃるのも事実です。

2. 労働組合側の参加者は?

団体交渉の当事者は、「会社」と「労働組合」です。

そこで、次に、他方当事者である、「労働組合」側の団体交渉の参加者について、弁護士が解説します。

2.1. 労働トラブルの中心となる労働者

団体交渉における議題が、個別の労働者についての労働トラブルの場合、まず問題の中心となる労働者が、主要な出席者となります。

その他の出席者は、問題の中心となる労働者のサポートをする立場にある人と考えてよいでしょう。

ただし、あくまでも、団体交渉の主体は「労働組合」であり、労働者個人ではないに注意してください。

団体交渉の主体が労働者個人であるという勘違いから、次のような発言をしてしまうと、「不当労働行為」として違法と評価されるおそれが高まります。

 注意! 
  • 「労働者個人と話したい。」
  • 「労働組合は無関係ではないか。」

2.2. 労働組合のメンバー

次に、労働者の所属する労働組合のメンバーも、団体交渉に参加する権利があります。

先ほど解説したとおり、団体交渉の主体は労働組合自体ですから、当然のことです。

労働組合には、委員長、副委員長、書記長といった役職があり、所属する労働組合の役職者と、それに加えて複数名の組合員が参加することが一般的です。

所属する労働組合のメンバーの参加を一切拒むことは、労働組合を無視する行為であり、不当労働行為として違法になるおそれの高い危険な行為です。

特に、合同労組、ユニオンといって、社員1名からでも加盟することのできる労働組合が存在するため、全く知らない組合員が団体交渉に参加することも多くあります。

2.3. 上部団体となる労働組合のメンバー

労働組合は、各会社ごとに支部を作りながら、上部団体となる労働組合に所属していることが一般的です。

労働トラブルの中心となる従業員が、合同労組やユニオンに加盟した場合には、上部団体となる労働組合のメンバーもまた、団体交渉に出席することがあります。

そして、合同労組やユニオンの上部団体の役職者などは、団体交渉の知識、経験が豊富であるため、パーソナリティにもよりますが、頻繁に発言を行う人もいます。

しかし、上部団体となる労働組合のメンバーの参加を、一切受け付けないという態度もまた、不当労働行為として違法になるおそれの高い行為<です。 上部組合が労働組合の要件を満たす場合には、上部組合にも「団体交渉権(団体交渉をする権利)」があるためです。

2.4. 交渉担当者

会社側の参加者の際にも解説したとおり、労働組合側も、実際に交渉の窓口として主に発言をするのは数人であることが一般的です。

労働トラブルの中心となっている労働者に加え、所属する労働組合、もしくは上部団体となる労働組合の役職者といった方が交渉担当者となることが多いといえます。

団体交渉を、会社側がどのように進めるべきか、労働組合側の要求に対してどのように対応していくべきかは、交渉担当者のやり方によってケースバイケースの対応をしていかなければなりません。

団体交渉における労働組合側の交渉担当者には、様々なタイプがいますので、団体交渉の場で見極めていかなければなりません。

3. 団体交渉参加者の人数

会社側で団体交渉へ参加する人数は、多すぎても少なすぎてもいけません。

会社側で団体交渉へ参加する人数が多ければ多いほど発言力が増す、と考える経営者の方もいますが、間違いです。

むしろ、団体交渉への参加者が多すぎることにより、次のようなデメリットがあります。

  • 会社側で団体交渉時に発言をする人が決まらず、発言が整理できない。
  • 団体交渉に参加しながら発言をしない人が出て、無駄が大きい。
  • 会社の態度が労働組合に対して威圧的になり、不当労働行為とされる。

団体交渉への対応に人数を割くと、本業の経営に影響が大きいことから、できる限り参加者を少なくしたい(もしくは弁護士だけに任せたい)と考える経営者の方もいますが、これもまた危険な考え方です。

団体交渉への参加者が少なすぎる(もしくは弁護士のみで対応する)ことにより、次のようなデメリットがあります。

  • 労働組合のプレッシャーに押され、冷静な議論ができない。
  • 不誠実団交として不当労働行為と評価される。

適切な人数は、次の事情を総合考慮して決定すべきで、ケースバイケースであるといえます。

  • 団体交渉の議題
  • 問題となっている労働トラブルの内容
  • 具体的事実をよく知る社内関係者の人数
  • 相手方となる労働組合
  • 予想される労働組合側の出席者

例外的なケースですが、労働組合側の出席者が多すぎ、場が荒れて冷静な議論が全くできないような場合には、「大衆団交」といって、団体交渉を継続しないほうがよいケースもあります。

むしろ「大衆団交」の場合には、会社側は団体交渉を拒否できます。

「大衆団交」となるような荒れた団体交渉となった場合、次回の開催より前に、書面によって人数制限の交渉をするのがよいでしょう。

4. 事前に団体交渉参加者に関するルール決めをしておく

団体交渉の手続き的なルールについて、団体交渉を行うよりも前に、事前に話し合いを行うことがよくあります。

この団体交渉の手続き的なルールの中には、日時、場所などのほか、団体交渉の出席者に関する事項も含まれます。

そこで、団体交渉を開始する前に、団体交渉の参加者について、会社と労働組合との間で一定の合意をとり、労働協約などの書面に残しておくといったケースもあります。

5. 団体交渉の参加者を選ぶポイント

最後に、会社側が、団体交渉の参加者を選択する際に、気を付けておいてほしい注意ポイントを、弁護士が解説します。

5.1. 労働組合の要求に従う必要はない

労働組合が団体交渉を申し入れるとき、参加者についても労働組合の要求を突き付けてくるケースが少なくありません。

特に、問題となる従業員が、社長に対して個人的な感情がある場合や、抜本的な解決策をすぐに提案してほしい場合などに、社長を参加させるよう要求します。

しかしながら、団体交渉の参加者は、不当労働行為とならない範囲においては、会社、労働組合のそれぞれが自由に選択するものです。

労働組合の権利は、憲法、労働組合法で強く保障されていますが、団体交渉の会社側の参加者を強制的に決定する権利まではありません。

5.2. 交渉権・決定権のある人を出席させる

とはいえ、団体交渉の会社側参加者が、平社員ばかり、もしくは、弁護士のみといった具合に、団体交渉での解決がおよそ期待できない状態であることは不適切です。

誠実に団体交渉に応じていないと評価され、「不誠実団交」という不当労働行為にあたり、違法とされるおそれがあるからです。

代表者、社長が必ずしも出席することが絶対ではないものの、少なくとも一定の交渉権、決定権のある人物を出席させなければなりません。

5.3. 毎回の同じ出席者でよい?

団体交渉の参加者に関するよくある相談ケースとして、「次回の団体交渉も、同じ参加者でよいのでしょうか?」というものがあります。

団体交渉は、1回限りで解決することはむしろ稀で、労使間で、複数回にわたって団体交渉を行いながら、徐々に労働問題を解決していくのが通常です。

1回1回の団体交渉で、あまり議論が進んでいないと感じたり、労働組合側から再度出席者についての要求されることがあって、このような相談ケースに至るのでしょう。

この問題についても「不誠実団交となるか?」という観点から考えてください。不誠実団交でない、すなわち、交渉権・決定権を有する人が参加している限り、会社側の参加者を変更する必要はありません。

むしろ、参加者を追加したほうが、議題となっている労働トラブルについて、労働組合側により詳しく説明が可能であると考える場合は、出席者を追加することを検討してください。

6. まとめ

今回は、団体交渉の参加者について、詳しく解説しました。ただ、実際の団体交渉の参加者は、個別に検討する必要があります。

会社が団体交渉の参加者として人選を行うとき、どのような役職の人を選ぶことが適切なのか、また、適切な人数は何人なのかなど、お悩みのことが多いかと思います。

団体交渉の経験がない会社ほど、この先行われる団体交渉のことが予想できず、参加者(出席者)選びに苦労するでしょう。

労働法(特に労働組合法)におけるポイント、特に不当労働行為とならないよう注意をすることに加え、団体交渉における実務的なポイントをふまえ、有利に進められる人選を検討してください。

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