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人事労務

在宅勤務に残業代は必要?残業代請求を避ける、在宅ワークの活用方法

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近年、長時間労働による過労死の問題や、少子高齢化による働き手の不足に対応するために、政府主導で「働き方改革」が進められています。

この「働き方改革」の一環として推奨されているのが「在宅勤務」です。「在宅勤務」制度を導入する会社には非常に多くのメリットがあります。

しかし一方で、在宅労働者の能力評価や労働時間の管理が難しく、労働者から、思いもよらない残業代を請求されてしまう、というケースも跡を絶ちません。

今回は、「在宅勤務」制度のメリットと、制度を採用するときの注意点について、企業の労働問題(人事労務)を得意とする弁護士が解説します。

1. 「在宅勤務」とは?

「在宅勤務」とは、時間や場所を問わずに労働者が会社の業務を行える働き方のことです。

「在宅勤務」制度のもとでは、労働者は、定時に会社に出勤する必要はなく、自宅にいるまま、自由な時間に仕事をすることができます。つまり、「時間的」、「場所的」に自由であるといえます。

「在宅勤務」が、通常の会社勤務と異なるポイントは次の3つです。

  • 会社に出勤する必要がない
  • 年齢や性別、居住する地域を気にせず働くことができる
  • 日常生活と仕事を両立することができる

2. 「在宅勤務」制度のメリット

会社が「在宅勤務」制度を導入する場合、主に次のようなメリットがあります。

これらのメリットを理解していただければ、「在宅勤務」が、現在政府が推進している「働き方改革」で推奨している理由をご理解いただけるのではないでしょうか。

2.1. 過労死トラブルを避ける

労働者を「始業時刻」から「終業時刻」までの間、決められた職場に固定的に勤務させておくことは、出勤時間を含めた長時間労働を助長し、過労死のリスクを高めます。

会社(企業)は、社員を、安全で健康にはたらかせる義務がありますから、過労死させてしまうと、労働者の遺族から高額な慰謝料を請求されるおそれもあります。

また、過労死の事実が、大手広告会社「電通」のケースのように大々的に報道されれば、企業イメージを大きく損なうおそれがあります。

「在宅勤務」を導入すれば、こうした過労死リスクを未然に防ぐことができます。

2.2. コストダウン

「在宅勤務」を活用すれば、社員(従業員)を会社に出勤させる必要がないため、交通費や福利厚生コスト 、オフィススペースなど、会社が通常であれば支払うべき多くのコストを削減することができます。

多数の労働者を抱える会社にとって、毎日の交通費やオフィスの賃料はバカになりませんから、「在宅勤務」制度の導入には、大幅なコストダウンの効果が期待できます。

2.3. 優秀な人材の確保

「在宅勤務」であれば、これまで育児や介護、配偶者の転職などを理由に休職・退職を余儀なくされていた優秀な人材を、泣く泣く手放す必要がなくなります。

また、新規採用時の懸念材料が減るため、新たな人材を確保しやすくなります。

人手不足の会社ほど、社員(従業員)を会社に縛りつけてばかりでなく、「在宅勤務」を積極的に活用したほうがよいといえます。

2.4. 生産性の向上

「在宅勤務」を活用すると、会社側のメリットはもちろんのこと、社員(従業員)のワークライフバランスの向上も期待できます。

労働者がワークライフバランスを保てることで、一人ひとりの作業効率が上がり、生産性向上の可能性も広がります。

3.「在宅勤務」のデメリット

ここまでに解説したとおり、「働き方改革」でも推進されている「在宅勤務」の制度を活用することで、会社(企業)には大きなメリットがあります。

しかし一方で、「在宅勤務」にはデメリットもあり、適切に導入しなければ、思わぬ不利益をこうむることとなりかねません。

特に、労働時間を管理せず、長時間労働となっていた結果、思いもよらない残業代を請求されるリスクには、細心の注意が必要です。

3.1. 労働時間の管理が困難

「在宅勤務」の場合には、従業員(社員)が自宅で仕事をするわけですから、タイムカードや日報などで適切に業務時間を報告させることが、会社に出勤している社員よりも更に難しくなります。

会社に出勤している社員ですら、タイムカードの打刻、運用方法が不適切で、残業代請求を受けてしまうことがわるわけですが、「在宅勤務」の場合には、更に慎重にならなければなりません。

3.2. 適切な能力評価が困難

「在宅勤務」の場合には、目の前で勤務状況を観察することができないため、労働者の適切な能力評価がしにくいことも、「在宅勤務」特有の問題点です。

会社が適切な能力評価をできず、「在宅勤務」の社員と通常の社員との間で不公平が生じてしまっては、「在宅勤務」の社員のやる気も減退し、せっかくの「生産性の向上」というメリットも台無しです。

3.3. 残業代請求のおそれ

以上の2つの問題から、しっかりと管理をしないと、能力の低い労働者による無駄な残業を許し、不必要に高額な残業代を請求されてしまうおそれがあります。

残業代請求をされてから、はじめて弁護士に相談し、「在宅勤務」の問題点を指摘せざるを得ないという会社も少なくありません。

4. 「みなし労働時間」と「在宅勤務」の併用

「在宅勤務」には、メリットもデメリットもあることをご理解いただいた上で、できる限りデメリットを解消しつつ、「在宅勤務」制度を有効活用するには、会社はどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

「在宅勤務」制度の、1つの有効活用の方法として、労働基準法における「みなし労働時間制度」を合わせて利用する方法が考えられます。

4.1. 「みなし労働時間」とは?

「みなし労働時間制度」とは、労働者の実働時間と関係なく、会社があらかじめ定めた1日の労働時間をその労働者の労働時間と「みなす」制度です。

「労働時間をみなす。」というだけで、残業代を支払わなくてもよいという制度ではないことには、注意が必要です。

4.2. どんな場合に使える?

「みなし労働時間制度」は、労働時間を「みなす」という特殊な制度であるため、利用できるケースが限定されています。

会社が、「みなし労働時間制度」を利用するためには、次の2つの条件を満たさなければなりません。

  • 労働者が職場外で仕事をしていること
  • 労働時間の算定が困難であること

職場外で仕事をさせていても、「労働時間の算定が困難」といえなければ「みなし労働時間制度」を利用できません。

そのため、「在宅勤務」と「みなし労働時間」を一緒に使うことができるかどうかは、会社が導入している「在宅勤務」制度の内容が重要になります。

4.3. 「在宅」だけでは足りない

「在宅勤務」と「みなし労働時間」を一緒に利用するために、「労働時間の算定が困難」といえる必要があるわけですが、単に自宅で仕事をしているというだけでは足りません。

厚生労働省が公表している「在宅勤務ガイドライン(情報通信機器を活用した在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン)」によれば、

  • 業務が職場外で行われること
  • パソコン等の通信機器が使用者の指示でいつでも通信できる状態になっていないこと
  • 作業について、いちいち使用者の具体的な指示がされていないこと

が、「労働時間の算定が困難」というための条件です。

4.4. 就業規則に定める必要がある

「みなし労働時間制度」を利用するためには、事前に、人事に関する事項等を就業規則に定めておく必要があります。

「在宅勤務」についても、必ずしも就業規則に定めることが必須ではないものの、社員に共通して適用されるルールであれば、就業規則に記載しておいた方がわかりやすく、トラブルを避けることができます。

5. 「みなし労働時間」の注意点

以上のとおり、「在宅勤務」と非常に相性のよい「みなし労働時間」ですが、適法に活用するためには、労働法についての知識が必要となります。

特に、「みなし労働時間」を理由に残業代を支払わないという取り扱いをした場合には、社員(従業員)から、思わぬ残業代請求を受けるおそれがあります。

5.1. 残業代や深夜手当は必要

「みなし労働時間制度」を活用する上で注意しなければならないのは、「残業代や深夜手当は別途支払う必要がある。」ということです。

仕事の量が多く、会社が定めた「みなし労働時間」を超えてしまう場合には、その分の残業代が発生します。

深夜手当や休日勤務の残業代も通常の勤務形態と同様に発生します。

「みなし労働時間」制度を導入していても、残業代の支払いを免れることはできません。

5.2. 無許可の残業は除外できる

さきほど、「みなし労働時間」の場合でも、残業代を支払う必要があると解説しましたが、「在宅勤務」の場合には、労働時間の把握が非常に困難です。

事前許可や事後報告を義務づけているにもかかわらず労働者が勝手に深夜・休日労働をした場合など、条件を満たせば、その深夜・休日の勤務時間を労働時間から除外(給与から控除)することもできます。

6. 残業代請求を防ぐ4ポイント

限られた人材を活用し、生産性を向上するという目的から、「働き方改革」でも水晶されている「在宅勤務」を有効活用するためには、「残業代」の話題は避けて通れません。

そこで、次に、労働者から未払残業代を請求されてしまわないように「在宅勤務」制度を活用するためのポイントを解説していきます。

6.1. 「みなし労働時間」を導入する

タイムカードなどを用いずに、在宅労働者一人ひとりの正確な労働時間を把握することは困難です。

そのため、「みなし労働時間制度」を活用して、労働時間を管理していくべきです。「みなし労働時間制」の注意点については、さきほど解説したとおりです。

6.2. 残業を許可制にする

未払残業代が 発生することをさけるためには、会社が在宅労働者の残業状況を把握できる体制づくりが不可欠です。

労働者の判断で残業時間が長くなり、会社が知らないうちに未払残業代が増加することを未然に防ぐため、時間外労働の事前許可・事後報告を徹底しましょう。

6.3. 業務報告を徹底させる

事前許可・事後報告を徹底していても、思わぬ未払残業代を請求される可能性はあります。

しかし、「みなし労働時間制度」を利用する場合、仕事をこなすために「通常必要とされる時間」を超えた時間分の残業代は支払う必要がありません。

申告された残業が本当に必要だったかを裁判で争うことができるよう、在宅労働者に在宅勤務中の業務内容の定期的な報告を徹底させましょう。

6.4. 深夜・休日にメールしない

深夜や休日に及ぶような仕事の指示メールを送っていると、在宅労働者が実際に働いたかどうかにかかわらず、会社にとって非常に不利な証拠として、裁判に使われてしまうおそれがあります。

また、在宅労働者が仕事の報告メールを深夜や休日にしただけで、その時間仕事をしていたと認められてしまうケースもあります。

そのため、深夜や休日に仕事に関するメールを会社が労働者に送らないこと、労働者から会社に送らせないことを周知・徹底しましょう。

7. まとめ

今回は、「在宅勤務」制度のメリットと、制度を採用する際の注意点について、弁護士が解説しました。

不景気が続く中で、優秀な人材を確保しつつ、収益を伸ばしていくことは会社にとって喫緊の課題です。

しかし一方で、人手不足のしわ寄せから、過労死問題が浮き彫りになってきており、会社には、「在宅勤務」制度を含めた労働者のワークライフバランスへの一層の配慮が求められます。

「在宅勤務」の適法性に疑問がある方、「在宅勤務」の活用を検討している会社経営者の方は、企業の労働問題(人事労務)を得意とする弁護士に、お気軽にご相談ください。

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