人事労務

テレワーク・デイとは?(実施の目的・効果、2020年の動向)

政府は、働き方改革の一環として、2017年(平成29年)より、2020年東京オリンピックの開会式にあたる7月24日を、「テレワーク・デイ」と名付けました。「テレワーク・デイ」は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、働き方改革の一環として、時間にとらわれない働き方を政府が推進するための国民運動です。

2017年は7月24日のみ実施され約950団体(6万3000人)、2018年は7月23日~27日の5日間実施で、1682団体(30万人以上)が参加しました。2019年は、7月22日から9月6日までの約1か月を「テレワーク・デイズ2019」と名付けテレワークの一斉実施を呼びかけ、2887団体(約68万人)が参加しました。

有名な大企業でも、違法な長時間労働によって過労死、過労自殺、メンタルヘルスなどの問題が発生したり、残業代の未払いが社会問題化したりしています。「時間によって労働を評価する」という日本の伝統的な方法は、限界を見せつつあります。

今回は、新しい試みである「テレワーク・デイ(ないしテレワーク・デイズ)」の基本的な知識、実施の効果と今後の動向などについて、人事労務を得意とする弁護士が解説します。

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テレワーク・デイとは?

テレワーク・デイとは、2020年東京オリンピック開会式の日に相当する「7月24日」に合わせて実施される新たなるこころみで、リモートワーク・在宅勤務などのいわゆる「テレワーク」の推進を呼びかける国民運動です。

オリンピック中の交通混雑を回避するため、特に混雑が予想される始業時刻から10時半までの間、朝の通勤列車、自家用車などをできるだけ利用せず、リモートワーク・在宅勤務などの「テレワーク」をおこなおうという運動です。

テレワーク・デイは、政府に加えて、総務省、厚生労働省、内閣府などの行政機関や、東京都などの地方自治体が連携して推進しています。

2017年は7月24日のみ実施され約950団体(6万3000人)、2018年は7月23日~27日の5日間実施で、1682団体(30万人以上)が参加しました。2019年は、7月22日から9月6日までの約1か月を「テレワーク・デイズ2019」と名付けテレワークの一斉実施を呼びかけ、2887団体(約68万人)が参加しました。

テレワーク・デイの効果

東京オリンピック・パラリンピックに向けた「朝の混雑緩和」を主目的としたテレワーク・デイの実施ですが、実際の効果について振り返ってみましょう。

2017年(平成29年)9月に発表された報告会によれば、「明らかに交通機関の混雑緩和について、効果が実証された」とされています。具体的には、参加企業の多かった地域では、「テレワーク・デイ」とされた7月24日当日午前10時台の人口は、7月全体の平均と比べて明らかに減少したというデータが実証されています。

特に、東京都豊洲エリアでは人口が約15%減少したとのことです。

テレワークの有効活用により、介護が必要な家族がいる労働者、育児を抱える労働者、通勤時間帯の移動が困難な高齢者・身体の不自由な人などの活躍の場をつくることができます。働く時間・働く場所について裁量を持たせることで、より多様な労働者を有効に活用できる効果があります。

テレワーク・デイ参加企業の反応

テレワーク・デイに参加した企業として、ポテトチップスなどで有名な「カルビー株式会社」があります。

丸ノ内(東京都千代田区)に本社を置くカルビー株式会社では、約8割に相当する270人もの社員が、「テレワーク・デイ」にリモートワークを利用したとのデータがあります。

テレワーク・デイ実施後の従業員アンケートによれば、テレワークを利用した多くの社員が、業務効率の上昇、ワークライフバランスの向上に役立ったと実感しており、今後もリモートワークを利用したいとの回答をした結果となりました。

リモートワークを利用することで、通勤ラッシュを避けることができ、通勤時間を仕事にあてることができることから、生産性の向上にもつながります。

テレワーク・デイ、2020年の実施予定は?

2020年も「テレワーク・デイズ2020」と題して、東京オリンピック・パラリンピック競技期間中を含む7月20日~9月6日をテレワークの実施期間として決定していました。

しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、2020年開催予定であった東京オリンピック・パラリンピックは1年程度延期されることが決定されました。

そのため、2020年7月24日には東京オリンピック・パラリンピックは開催されませんが、同日にテレワーク・デイが実施されるかは、今のところ不明です。ただ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、今まで以上に、在宅勤務を推進すべき緊急の必要性が出てきています。

テレワーク・デイとガイドライン

厚生労働省は、2017年(平成29年)10月に、「第1回柔軟な働き方に関する検討会」を開催しました。そして、この検討会でも、テレワークの現状と課題について、意見交換が行われました。

この会議では、会社と雇用契約を結んだ労働者が、自宅などで働くテレワークを「雇用型テレワーク」といい、ガイドラインの刷新について、次の通り発表しています。

「スマートフォンやサテライトオフィスの普及といった仕事環境の変化に対応し、長時間労働を招くことがないように留意しつつ、その普及を図るため、労務管理などに関するガイドラインを刷新する。」

ガイドラインの刷新にあたっては、在宅勤務以外にも次のような点についての具体的な施策が追加されることとされています。

  • サテライトオフィス勤務の活用
  • モバイル勤務の活用
  • 長時間労働対策についての具体的な施策の追加

この3つの具他的な施策のうち、どのような業態のテレワークが活用できるかは、活用する会社の業態、業種、雇用形態などによっても異なり、ケースバイケースの活用策を検討すべきです。

テレワークのガイドラインが刷新されれば、さらなるテレワークの普及と、多くの企業におけるテレワークの採用、導入が期待できます。

テレワーク・デイのデメリット

有効活用すれば、少子高齢化による労働力人口の減少、人手不足への有効な対策となるテレワーク。しかし、テレワークにもデメリットがあることが、「テレワーク・デイ」の実施で明らかになりました。

第一に、そもそもテレワークすることが不可能な業種があります。在宅勤務、リモートワーク、サテライトオフィス勤務など、さまざまなテレワークの種類があり、業種によって使い分けが可能ですが、そもそも向かない業種にはテレワークの活用自体ができません。

例えば、介護職や看護職など、実際に現場での作業が必要となる業種や、特殊な機械や大型機材などが必要で、出社が必要な仕事、お客様と実際に会って行わなければならないサービス業などがこれにあたります。

第二に、テレワークをするには、会社の重要な秘密を自宅に持ち帰る必要があり、セキュリティの徹底が必須です。また、自宅で仕事をしている時間についての残業代、労働時間の管理も重要な課題です。

「人事労務」は、弁護士にお任せください!

今回は、政府が主導して進める「働き方改革」の一環として話題となった「テレワーク・デイ」について、実施後の報告会でも明らかとなった効果、反応や今後の動向を、人事労務を得意とする弁護士が解説しました。

東京オリンピック・パラリンピックが延期になった現在も、新型コロナウイルス感染症の影響などで、在宅勤務・リモートワークの導入が強く求められています。

「テレワーク・デイ」などの運動を参考に、さらに有効利用が期待される在宅勤務・リモートワークを社内に導入し、生産性向上、業務効率の向上を狙うことが、従業員満足度の高い経営につながります。

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