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「サイレントお祈りメール」は違法?不適切?不採用の対応に注意!

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会社の経営者や人事担当者が、採用活動を進めるにあたり、いちばん頭を悩ませるといっても過言ではないのは、不採用者への対応です。

不採用者に対しては、いわゆる「お祈りメール」を送るのが通例になっていますが、ネットが高度に普及した近年、「お祈りメール」には様々な危険がひそんでいます。

採用、不採用は、会社の自由(「採用の自由」といいます)が原則ですが、「不採用」とされた労働者の中には、会社に敵意を持ってトラブル化する人もいます。

今回は、「お祈りメール」をめぐる注意点について、企業の労働問題を得意とする弁護士が解説します。

1. 「お祈りメール」とは?

「お祈りメール」とは、採用選考で不合格となった応募者に送る、「不採用通知」のことをいいます。

会社が「不採用」を通知するための方法には、電話や文書、電子メールなどがありますが、最近ではネットから多数の応募者が殺到することから、電子メールを用いる会社が増えています。

この「不採用」のメールですが、「今後の◯◯様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。」といった文章で締めくくられることが通例であるため、就活生から「お祈りメール」と呼ばれています。

 参考 

メールを送るだけで不採用を伝えることができる「お祈りメール」を活用すれば、「不採用を伝えなければならない」という採用担当者の心理的負担を減らすことができます。

しかし、慎重な対応をしなければ、採用活動時の対応が悪いことがインターネットなどで広まり、企業イメージが低下しかねません。

応募者に対して、不快感や嫌悪感を抱かせたり、会社に悪いイメージを持たれたりすることのないよう、「お祈りメール」で「不採用」を伝える場合でも、適切な文言を選ばなければなりません。

2. 「サイレントお祈り」とは?

採用界隈でよくつかわれる「お祈り」という俗語を理解していただいた上で、次に「サイレントお祈り」について解説していきます。

結論としては、会社側(使用者側)は、「サイレントお祈り」をすることを避けた方がよいでしょう。

というのも、「サイレントお祈り」には、「お祈りメール」が持つデメリットが、非常に多く含まれており、会社側(使用者側)にとって、リスクが高いからです。

2.1. 「お祈りメール」を送らないこと

「サイレントお祈り」とは、「不採用」であるにもかかわらず、全く労働者に対する通知を送らないことをいいます。

さきほど解説しました「お祈りメール」さえ送られないため、全く音沙汰がないことから「サイレントお祈り」と呼ばれています。

「サイレントお祈り」には、通常、次の2つのケースがあります。

 「サイレントお祈り」の例 
  • 「合否は◯月◯日までにお知らせします」という期限を設定し、期限までに連絡が来ない場合に不採用が確定するケース
  • 告知すらなく一切連絡をしないケース

2.2. 「サイレントお祈り」する理由

会社が「サイレントお祈り」をする理由としては、次の3つが代表的です。

  • 採用コストの問題
    :ネットからの応募者が殺到する一方で、採用部門のコストが削られているため、不合格者へのフォローをする余裕がない
  • 業務ミスの問題
    :合格者と不合格者のメール送信先を間違えるリスクを避けたい
  • 人員不足の問題
    :内定辞退に備えて、繰り上げ内定の補欠人員をキープしておきたい

しかし、これらの理由を見て頂ければわかるとおり、会社が「サイレントお祈り」をする理由は、いずれも会社側の都合によるものであって、労働者には不利益しかありません。

会社の都合によって、労働者を不安定な立場におき続ける「サイレントお祈り」は、問題のある不適切な行為と言わざるを得ません。

3. 「サイレントお祈り」の3つの問題点

会社側(使用者側)には、「採用の自由」があります。

つまり、どのような人を雇うか、採用条件、不採用の場合にどのような対応をとるかは、原則として、会社が自由に決定できます。会社には応募者を「採用する義務」はありませんし、「不採用の通知をする義務」も、法律上は存在しません。

このことを考慮いただいたとしてもなお、「サイレントお祈り」には、次の3つの大きな問題点があり、会社のデメリットにつながります。

3.1. 信用低下、イメージダウン

採用応募者にとって、採用選考の合否は、人生を左右する重要事項です。

そのため、合否がはっきりしないまま待たされる状態は、応募者にとって非常に不安で苦痛なものです。

それにもかかわらず、配慮を欠いた「お祈りメール」を送ったり、「サイレントお祈り」をすることは、応募者の会社に対する信用を著しく低下させるおそれがあります。

また、会社の信用低下は、その会社だけでなく、会社の商品やグループ企業全体のイメージダウンにもつながる可能性があります。

3.2. 取引チャンスを失うおそれ

「不採用としてしまえば、その人と関わることはない。」とお思いかもしれませんが、会社と不合格者との関係が、採用選考だけとは限りません。

不採用となった労働者も、少なからず会社や商品に興味を持って応募してきているはずです。将来、御社の顧客になるかもしれませんし、取引先の担当者として関わる機会がないとも限りません。

不採用者が、「あんな失礼な会社の商品なんて買いたくない」「『サイレントお祈り』をするような会社と取引なんてしたくない」、と考えるのが人情です。

配慮を欠いた「お祈りメール」や、安易な「サイレントお祈り」は、会社の将来の取引チャンスを失ってしまう危険もはらんでいます。

3.3. 風評被害、炎上リスク

さらに、最近では、インターネット上やSNSで、会社を誹謗・中傷する人も増えています。

どんなに些細なことでも、マイナスに受け取られ、一度SNSや匿名掲示板などに書き込まれてしまえば、インターネット上の情報の拡散スピードを止めることは困難です。

SNSに書き込まれた文章は、コピペによって別のサイトに転載されていき、全ての書き込みを削除することは非常に困難です。

「サイレントお祈り」により不合格者が会社に抱いた過剰なマイナスイメージが、SNSの書き込みをキッカケにして、全国の就活生や取引先企業、一般消費者にまで広がれば、会社の受けるダメージは計り知れません。

4. 適切な「お祈りメール」の送り方

ここまで解説してきたように、配慮を欠いた「お祈りメール」や「サイレントお祈り」など、不合格者への不適切な対応は、会社にとって大きなリスクにつながります。

そのため、不合格者に対して不採用通知をすることが原則であり、その場合の対応方法も、次の解説をご覧いただいて、慎重に進めてください。

4.1. 合否通知の期限を明確にする

まず、「採用か不採用か。」という、合否通知の期限をはっきりさせ、採用応募者に対して明確に伝えましょう。

「サイレントお祈り」はもっての他ですが、「お祈りメール」を送る場合にも、無用なイメージダウンを起こさないために、通知の期限を指定するのがベストです。

応募が多すぎてどうしても「不採用」の通知ができない、という場合であっも、お詫びの言葉と併せて通知期限を明確に示すことが大切です。

4.2. 期限を遵守し、早めに通知

さきほど解説したとおり、採用の可否についての通知期限を設定した場合には、その期限をしっかり守りましょう。

また、会社側が、通知をなるべく早くできるよう努力すべきです。通常は、応募から1週間程度が一般的であるといえます。

それより長い期限を設定する場合など通知が遅くなる時には、お詫びの言葉を添えるなど、メールを受け取る不採用者に配慮した対応が求められます。

4.3. 誠実な対応、丁寧な言葉づかい

会社側(使用者側)としては、不採用者に「お祈りメール」を送るときには、とにかく誠実な対応をすることが大切です。

「不採用なのだから、これっきりで関係ない!」という甘い考えは禁物です。

「会社に興味をもって応募して頂いた。」という感謝の気持ちを忘れずに、不合格者に配慮しながら、丁寧な言葉遣いで「お祈りメール」を作りましょう。

4.4. 不採用理由には回答しない

不採用者に対して「お祈りメール」を出すと、不採用の理由について、労働者から問い合わせがされることがあります。

しかし、不採用理由はひとそれぞれですし、そもそも会社に「採用の自由」がある以上、必ずしも不採用理由を彰かにする必要がないのが、労働法の原則です。

不採用理由について、「照会には一切応じない。」という場合には、労働トラブルに発展しないよう、あらかじめ、応募者に対して会社の方針を伝えておきましょう。

 参考 

「お祈りメール」を出した場合ですら、不採用理由の問い合わせを受け、これに対する会社の対応が、トラブル、炎上原因となりうるわけです。

この点でも、「採用か不採用か。」についてすら伝えない「サイレントお祈り」は問題が大きいことが、十分ご理解いただけるのではないでしょうか。

4.5. 適切な「お祈りメール」の内容【文例】

最後に、誠実かつ丁寧な「お祈りメール」の文例として、次のような文例を紹介します。

あくまでも、文例(書式例)ですので、御社の状況や、採用応募者の状況に合わせて、文言の修正が必要な場合があります。

◯◯ 様

この度は、弊社にご応募いただきまして誠にありがとうございました。
弊社にご興味をお持ちいただきましたことに心より御礼申し上げます。

この度は多数のご応募をいただき、社内で慎重に協議をいたしました結果、
誠に遺憾ではございますが、貴意に沿えないという結論となりました。

何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
また、ご連絡をお待たせしましたことを、深くお詫び申し上げます。

末筆ながら、今後の◯◯様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。

5. まとめ

今回は、「サイレントお祈り」の危険性に注目しながら、会社が不採用の人に対して「お祈りメール」を送るときの注意点について、弁護士が解説しました。

インターネットの発達した最近では、就活の不満から、会社を誹謗・中傷する内容のネット書き込みが非常に増えています。

モラルに反するネットの書き込みは、それ自体問題ですが、一方で、それだけ会社の行動に対する社会の目が厳しくなっているともいえます。

採用活動に不安を感じる会社経営者や、採用担当の方は、企業の労働問題(人事労務)を得意とする弁護士に、お気軽にご相談ください。

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