人事労務

労働審判に強い弁護士の選び方と、良い弁護士の判断基準(会社側・使用者側)

労働審判を申し立てられてしまった会社が、できるだけ有利な解決を得るためには、労働問題を得意とする弁護士に依頼することが重要です。

「弁護士」といっても、その得意分野は様々で、労働問題をあまり取り扱っていない弁護士も多くいます。また、同じ労働問題でも「会社側(使用者側)」と「労働者側」とでは、注意すべきポイントが異なります。

労働審判の申立てを受けてしまうと、会社としては、答弁書提出の期限まであまり時間がないことが多く、焦りがちです。

今回は、労働審判に強い弁護士の選び方と、良い弁護士の判断基準について、企業の労働問題(人事労務)を得意とする弁護士が解説します。

「労働審判」の法律知識まとめ

労働審判に強い弁護士ができること

労働審判を申し立てられたときに依頼する弁護士は、労働審判を「会社側(使用者側)」の立場で、解決した実績が豊富にある弁護士を選ぶべきです。

まずは、労働審判に強い弁護士を選んだとき、弁護士ができる解決方法について、解説します。

残業代請求の労働審判

残業代請求の労働審判を受けてしまったとき、弁護士に依頼すると、支払わなければならない金額を、減額する交渉をしてくれます。

労働審判では、「調停」という話し合いによって、解決金を支払うことによって解決することが多く、残業時間を証拠によってすべて認定するわけではありません。

とはいえ、解決金の金額もまた、予想される残業代の金額に応じて変わるため、残業代請求に対する法的な反論を、労働審判に強い弁護士にお任せするのがよいでしょう。

参 考
残業代請求の労働審判で、会社側が主張すべき4つの反論と、答弁書のポイント

「残業代請求」とは、「1日8時間、1週40時間」という所定労働時間を越えて労働した場合に、労働者が会社に対して「残業代」を請求する労働トラブルをいいます。 残業代の問題は、「ブラック企業問題」として、 ...

続きを見る

不当解雇の労働審判

不当解雇の労働審判を受けてしまったとき、弁護士に依頼すると、「解決金」の金額を、減額する交渉をしてくれます。

不当解雇を争う場合には、「解雇が有効か、無効か。」という争い方になるわけですが、労働審判で争うときは、最終的には、解決金を支払って退職をしてもらうという解決が一般的だからです。

労働審判の解決実績を豊富に有する弁護士であれば、不当解雇にいたった経緯や理由をもとに、解決金の相場に基づいた有利な解決を期待できます。

参 考
不当解雇の労働審判で、会社側が主張すべき6つの反論と、答弁書のポイント

「不当解雇」とは、会社が労働者に対して行った解雇が、「解雇権濫用法理」という解雇を制限するルールに違反して無効である、という労働トラブルです。 労働審判で「不当解雇」の有効性を争うときには、「地位確認 ...

続きを見る

セクハラ・パワハラの労働審判

セクハラ、パワハラの責任追及についての労働審判を受けてしまったとき、弁護士に依頼すると、会社が支払うべき慰謝料の金額を、減額する交渉をしてくれます。

また、セクハラ、パワハラ問題は、そもそも証拠からの事実認定が非常に困難で、労働審判に向かないというケースもあります。

このとき、解決金を支払って解決すべきなのか、それとも、事実認定を争って訴訟に移行すべきなのかについても、労働審判に強い弁護士のアドバイスを求めるとよいでしょう。

参 考
パワハラの労働審判で、会社側が主張すべき反論と、答弁書のポイント

「パワハラ」は、職場で起こる労働問題の中でも、特に法律相談となることの多いトラブルの1つです。 しかし「パワハラ」の法律上の定義は特になく、会社側(使用者側)で「パワハラ」をめぐる労働審判で適切に対応 ...

続きを見る

参 考
セクハラの労働審判で、会社側が主張すべき3つの反論と、答弁書のポイント

セクハラの問題についても、労働者側から労働審判を申し立てられることがあります。 ただ、セクハラの問題については、「セクハラが本当にあったのか。」を、関係者、目撃者などを証人として尋問しなければわからな ...

続きを見る

参 考
マタハラの労働審判で、会社が答弁書に記載すべき主張・反論3つ

「マタハラ」という言葉が、新聞やテレビのニュースでも話題になっています。「マタハラ」(マタニティ・ハラスメント)は、妊娠や育児などを理由とした、職場における嫌がらせ(ハラスメント)のことです。 「マタ ...

続きを見る

労働審判に強い弁護士の探し方

労働審判を申し立てられてしまった会社が、早急に労働審判に強い弁護士を探すための、「弁護士の探し方」について、解説します。

労働問題は、日頃からの準備が重要となりますから、労務管理に不安がある会社は、常日頃から、労働問題に強い弁護士のアドバイスを受けることがオススメです。

顧問弁護士に依頼する

普段から顧問弁護士を依頼している会社、経営者の方は、まずは顧問弁護士が、労働問題に詳しいかどうかを検討してください。

顧問弁護士は、会社の状況について、最もよく知っている弁護士ですから、顧問弁護士が対応できる場合には、顧問弁護士に労働審判対応を任せるのが一番です。

顧問弁護士を依頼していない場合で、申し立てられた労働審判について、今後労務管理をより徹底していかなければならない場合には、これを機に顧問弁護士の依頼も検討するのがよいでしょう。

参 考
人事労務を顧問弁護士に相談するときの3つの事前準備

人事労務の問題が起こり、トラブルが拡大した場合には、早急に顧問弁護士へ相談することをお勧めします。 本当は、人事労務の問題は未然に防止することが原則であって、起こってしまってからの対応では「時すでに遅 ...

続きを見る

知人から紹介してもらう

会社の経営者であれば、知人の会社経営者も多くいるかと思います。

会社経営者が、実際に顧問弁護士を依頼している弁護士を紹介してもらい、労働審判への対応をお願いする、という探し方もあります。

その際には、紹介してもらった弁護士が労働審判に強い弁護士であるかどうか、次に解説する「弁護士の選び方」を参考に検討してみてください。

インターネットで探す

インターネットで検索すれば、会社側(使用者側)で労働審判に対応することを得意としている弁護士の広告が多く出てくるのではないでしょうか。

ただ、本当に労働審判に強い弁護士であるかどうかは、一度会って、法律相談を受けて判断するのが一番です。

労働審判に強い弁護士の選び方

労働審判を依頼するときに、会社側(使用者側)として特に頼りになる弁護士を依頼すべきです。

弁護士の得意分野はさまざまですから、会社側(使用者側)の労働審判について、解決実績を豊富に有する弁護士を選ぶための「弁護士の選び方」について、その「判断基準」を解説します。

参 考
労働審判を、会社側の有利に進めるための、弁護士の基本的な戦略

労働審判は、労働問題のトラブルについて、裁判所で行われる「話し合い」を中心とした手続です。 裁判所で行われますが、一般の方が想像されるような「裁判」よりも、「話し合い」に近い制度です。そのため、「交渉 ...

続きを見る

労働審判の解決実績が豊富な弁護士

労働審判は、「話し合い(交渉)」を中心とする制度であって、労働法に基づいた解決ではあるものの、「現場対応」、「ノウハウ」が非常に重要となります。

そのため、労働審判に強い弁護士を選ぶためには、まずはその弁護士が、どれだけの件数の労働審判を解決したことがあるか、解決実績を検討するようにしてください。

労働法の知識が豊富な弁護士

次に、労働審判で問題となるのは、労働法、そして、労働法に関する裁判例です。

したがって、労働法についての豊富な知識が、会社側(使用者側)の有利に労働審判を解決するために必要となります。特に、最近、「働き方改革」などをもとに労働法の解説が多く、最新の知識を有する弁護士を選びましょう。

説明が丁寧でわかりやすい弁護士

労働審判では、会社の方も参加(出席)することが望まれ、その際には、労働審判で会社の方が対応、発言をしなければなりません。

説明がわかりにくい弁護士の法律相談では、労働審判の期日でどのような対応をすればよいか、理解することが困難です。

親身に相談に乗ってくれる弁護士

労働法、裁判例の知識ばかり多くても、相談が親身でなければ、最終的に御社の納得がいく解決とはならないおそれがあります。

特に、「会社側(使用者側)」の考え方、気持ちに、寄り添って理解を示してくれる弁護士を選ぶようにしてください。

交渉力がある弁護士

労働審判では「話し合い(交渉)」が中心となります。具体的にいうと「調停」という手続きの中で、解決金額を交渉することがメインとなります。

そのため、法律や裁判例の知識だけでなく、「交渉力」が、弁護士の選び方の際の、重要な判断基準となります。

弁護士への相談のしかた

次に、先ほど解説しました「弁護士の探し方」、「弁護士の選び方」にもとづいて選んだ弁護士に、どのように労働審判対応に関する相談をしたらよいかについて解説します。

法律相談料がかかる相談の場合、特に、相談時間を無駄にしないためにも、きちんとした事前準備が重要です。

「弁護士法人浅野総合法律事務所」について

参 考
労働審判の対応を、弁護士に依頼すべき7つの理由【会社側・使用者側】

労働審判の対応、特に、会社側における対応は、弁護士に依頼するのに向いている手続であるといわれています。 労働審判の制度について、弁護士が代理人として必須とするべきだ、という意見もあるほどです。 という ...

続きを見る

証拠を収集する

労働審判では、証拠が重要となります。そこで、弁護士との法律相談を有効活用するため、証拠となりそうなものを持参して法律相談を受けるようにしましょう。

とはいえ、弁護士のアドバイスを受ける前から、会社が労働審判に有用な証拠をすべて理解することには限界がありますから、まずは手元にあるものを揃えて法律相談を受けるのが良いでしょう。

参 考
労働審判で必要な証拠をそろえ、会社側を有利にするための証拠収集

労働者から労働審判を申し立てられてしまった会社が、労働審判を少しでも会社側(使用者側)に有利な展開にするためには、「証拠」を適切に収集し、提出することが重要です。 労働審判手続の流れについてのコチラの ...

続きを見る

時系列で事実をまとめる

労働審判が起こって、気が動転してしまっている会社経営者の方も多いのではないでしょうか。また、感情的になりすぎると、弁護士に必要な事実が伝わりづらくなります。

そこで、労働審判の法律相談を弁護士にする前に、時系列について端的に事実をまとめ、弁護士に全体の流れを理解してもらうようにします。

法律相談を予約する

以上の準備が済んだら、いよいよ法律相談の予約をします。

法律相談の予約は、電話、メール、問い合わせフォームなどの方法により、具体的な日時を指定して行います。

労働審判対応を依頼する

弁護士に法律相談をする際には、既に解説しました「弁護士の探し方」、「弁護士の選び方」を参考に、労働審判に強い弁護士であるかどうか、十分に検討してみてください。

実際の労働審判対応を依頼するときは、方針と弁護士費用の説明を受け、委任契約書を作成します。

弁護士に依頼するデメリット

労働審判を弁護士に依頼することが、逆に大きなマイナスを生まないためにも、会社としては、労働審判対応を弁護士に依頼する際のデメリットを理解しておく必要があります。

ただし、こちらの解説でも詳しく説明しているとおり、原則としては、弁護士にご依頼いただく方が、良い解決となることが期待できます。

弁護士費用

弁護士に法律業務を依頼する場合に発生するのが「弁護士費用」です。

弁護士費用の中には、結果が成功であるかどうかにかかわらず発生するものもあるため、労働審判を弁護士に依頼する際には、どの程度の弁護士費用が必要となるか、あらかじめ知っておく必要があります。

参 考
【会社側】労働審判の対応にかかる弁護士費用はいくら?

会社が労働者から労働審判を申し立てられたとき、「会社側(使用者側)」の立場で労働審判に対応することが得意な弁護士に依頼する必要があります。 「労働審判対応」は、労働者側(従業員側)と会社側(使用者側) ...

続きを見る

選んではいけない弁護士

ここまでお読み頂ければ、労働審判に強い弁護士の選び方と、判断基準について、十分ご理解いただけたことでしょう。

そこで最後に、「選んではいけない弁護士」についてまとめておきます。次のような弁護士には、注意するようにしてください。

「会社側・使用者側の労働審判に強い」といえるかどうか疑問な次のような弁護士に注意してください。

  • 「労働者側」の立場でのみ労働審判の経験がある弁護士
  • 経営者の気持ちに全く理解がない弁護士
  • 労働法の形式的な解釈だけを説明し、柔軟な交渉、解決を目指さない弁護士

労働審判を弁護士に依頼する費用【会社側】

最後に、労働審判をまかせるのに適切な弁護士を選ぶことができたとして、実際に会社側(企業側)で労働審判の代理を依頼するためにかかる弁護士費用の相場について解説します。

労働審判をまかせるのに適切な弁護士には、費用面でも判断基準が必要となります。少なくとも「明朗会計」であり、「適正な報酬体系」を採用している弁護士に依頼すべきです。

この点で、労働審判を弁護士に依頼する場合、一般的な相場は、40万円~60万円程度です。

そのため、これよりも明らかに高すぎる弁護士は、サービスが高品質であるか、贅沢である可能性があります。一方で、相場より明らかに安い弁護士は、能力・経験に乏しいか、隠れて手抜きをされるリスクがないか、十分な検討が必要となります。

参 考
【会社側】労働審判の対応にかかる弁護士費用はいくら?

会社が労働者から労働審判を申し立てられたとき、「会社側(使用者側)」の立場で労働審判に対応することが得意な弁護士に依頼する必要があります。 「労働審判対応」は、労働者側(従業員側)と会社側(使用者側) ...

続きを見る

「人事労務」は、弁護士にお任せください!

今回は、労働審判を申し立てられて対応にお困りの会社経営者の方に向けて、労働審判を依頼すべき弁護士の「探し方」、「選び方」について解説しました。

少しでも、会社側(使用者側)に有利な解決となるよう、労働審判に強い弁護士を選び、対応を依頼することをご検討ください。

「労働審判」の法律知識まとめ

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
アバター

弁護士法人浅野総合法律事務所

弁護士法人浅野総合法律事務所は、銀座駅(東京都中央区)徒歩3分の、企業法務・顧問弁護士サービスを得意とする法律事務所です。 会社側の立場で、トラブル解決・リスク対策・予防法務の実績豊富な会社側の弁護士が、即日対応します。 「企業法務弁護士BIZ」は、弁護士法人浅野総合法律事務所が運営し、弁護士が全解説を作成する公式ホームページです。

-人事労務
-, , , , ,

お問い合わせ


お問い合わせ

© 2020 企業法務・顧問弁護士の法律相談は弁護士法人浅野総合法律事務所【企業法務弁護士BIZ】